12/18のニコニコ動画-開発ニュースで、ソフトバンクモバイル機種でニコニコ動画を見えるようにした「ニコニコバンク」について触れていました。
(ソフトバンク対応、技術的に可能な事がバレる)
→ http://it-ura.seesaa.net/article/73539959.html
もともとニコニコ動画はNTTDoCoMoとauのケータイから動画を見ることはできましたが、ソフトバンクモバイルだけは対象外になっていました。
それを今回、外の人(saitenさん)が現行アーキテクチャを解析して、ソフトバンクモバイルでも使えるようにしてしまったというワケです。
開発ニュースでは、ドワンゴの杉谷さんから次のようなメッセージが寄せられていました。
『過去、ソフトバンク向けにパケラジもやっており、アプリを使って技術的に対応可能である事は分かっていましたが、大人の事情によりサービスができず、悔しい気持ちを必死に抑え「技術的に不可能」という案内をしてきました。(後略)』
この発言で登場する「大人の事情」という言葉、何だか気なりますよね。そこで私なりに色々と調べ、次のような結論にたどり着きました。
ドコモやauと異なるソフトバンクモバイルの特殊要件なぜソフトバンクモバイルだけがニコニコ動画の対象外になっているのかを考える場合、このキャリアの特殊事情を考えることで自ずと理由が見えてくるのではないかと考えました。
そこでいくつかブレストしてみると、あるではないですか、ソフトバンクモバイルにしかない特殊な点が!
それは、ズバリ「ホワイトプラン」です。
ホワイトプランでは、深夜1時〜夜21時までは通話料無料になり、この時間帯の通信帯域はかなり消費することが予想されます。
記憶力の良い方は覚えているかもしれませんが、かつてホワイトプランを発表した当初、孫社長は、
「このプランは業界3位で利用者が少ないからできるんですよ」
と述べていました。言い換えると、ドコモやauのように利用者が多い状況ではホワイトプランは成り立たない(すぐに帯域が逼迫する)ということです。
もうちょっと言い方を変えると、大量のトラフィック(パケット)が流れるようになったら、ホワイトプランは破綻するということです。
翻って、ニコニコ動画というサービスの特性を考えてみてください。
動画を閲覧するために、大量のパケットがネットワークを流れ、しかもその量は過去最大級(ニコニコ動画モバイルの利用者増はPC版以上)に達しようかという勢いです。
こんなサービスを許可してしまったら、ネットワーク通信増による収益増加は期待できるかもしれませんが、あっという間に帯域はパンク状態になり、顧客満足度はガタ落ちです。そうなったら、ソフトバンクモバイルは本当に終わってしまいます。
ここまでは私の勝手な推論ですが、あながち外れていないないのではないかと思っています。
というのも、実は今年の11月、ソフトバンクモバイルの公式メニューに動画視聴ができるjigブラウザが追加されたのですけど、その使用条件には次のような文章が書かれているのです。
『現状では、公式サイトであることとトラフィックの多い動画対応のフルブラウザということもあり、料金やユーザーの便宜を考えて帯域や使用時間の制限がかけられているが、jig側は、運用しながら適宜制限を緩和させていきたいとしている。』
(ソフトバンクモバイル公式メニューに「jigブラウザ」提供開始)
→ http://it-ura.seesaa.net/article/73540945.html
ソフトバンクモバイルが動画によるトラフィック増を気にしていることがよく分かる記述だと思いませんか?
ニコニコ動画の開発ニュースでは、ソフトバンクの大人の事情によって公式にサービスを提供することはできないと言われていますが、その事情とは、まさしくこれまでに語った内容に相違ないでしょう。
正式サービスには大人の事情をクリアしなければならないと書かれていますが、jigブラウザのように帯域や使用時間の制限をかけるなら、暫定運用が認められるかもしれませんね。
ドワンゴの皆様。まずはそのラインを落しどころに、ソフトバンクモバイルと交渉してみては如何でしょうか?