TOP業界裏話注目ニュース徒然コメントリンク紹介
『外資系企業に住む住人の視点からIT業界の出来事を伝えます。』

以前好評いただいた『資料作成の基本』から図解作成だけにテーマを絞って抽出した本が2018年6月23日に発売となります。 https://www.amazon.co.jp/dp/4799106511

図解作成の基本
本書は「資料」ではなく「図解」の作成に特化しています。図解は、論理的にわかりやすい内容、感覚的に心地よい見た目が好まれます。図形のカタチ(フォーム)と配置(ポジション)で生み出される「要素のバランス」、色の使い分け(カラー)によって醸し出される「コンテンツの強弱」です。それらを「図解キューブ」というモデルで表し、その実践例をチャートとグラフの「図解パターン」として体系的・網羅的に整理しました。これらを「エグゼクティブ図解術」と私は呼んでいます。本書を図解作成のハンドブックとして、ぜひ使ってみてください。


【吉澤準特の本:累計10万部以上】
外資系コンサルのビジネス文書作成術』はロングセラーで重版多数
外資系コンサルが実践する資料作成の基本』はロングセラーで重版多数
外資系コンサルの仕事を片づける技術』はロングセラーで重版多数
フレームワーク使いこなしブック』はロングセラーで重版多数
兄弟本の『ビジネス思考法使いこなしブック』はロングセラーで重版多数

【吉澤準特の過去配布レポート】
「外資系コンサルの仕事を片づける技術」特別抜粋版のダウンロード
「最新会議運営の基本と実践がよ〜くわかる小冊子」のダウンロード
できる人の9つの法則
コンサルタント直伝!コミュニケーションのプロになれる!


IT業界の裏話(まぐまぐ殿堂入りメルマガ)へ
メルマガ登録ならコチラ メルマガ解除ならコチラ
メールアドレス:
メールアドレス:



2009年06月28日

もっと重要なポイントがあるはず:パワーポイントで作る企画書のデザインを美しくみせるための7つのポイントへの示唆
このエントリーを含むはてなブックマーク

何気なくはてなブックマークを眺めていたら、「パワーポイントで作る企画書のデザインを美しくみせるための7つのポイント」 というエントリーを見つけました。

http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20090626/1245981276

挙げられていたのは次の7つです。

その1「テーマカラーを決める」
その2「四隅を押さえる」
その3「文字のジャンプ率を心持ち高めに(見出しは大きく本文は小さく)する」
その4「用紙に透かし文字を入れたように見せる」
その5「ガイドを使って配置を規則正しくする」
その6「ページ番号の字体を変える」
その7「読ませたい文言をキャプション化する」

なるほど、その4については少し疑問がありますが、それ以外は概ね同意できるポイントです。これらを踏まえてスライドを作れば、 きっと見栄えの良い資料を作ることができるでしょう。

うなずきながら、その結果出来上がった資料を見てビックリ。

f:id:aureliano:20090626113658j:image

f:id:aureliano:20090626113656j:image

これは・・・・・ちょっとムリです。このような企画書をクライアントに見せたら、なんてムダの多い資料なんだと怒られてしまいます。

私が企画書を見せる相手は、企業の経営層、事業部門の実務管理層、IT部門の全層のいずれかになることがほとんどですけど、 彼らに上の企画書を見せたら私の見識が疑われてしまうでしょう。

なぜダメなのか?

それは必要以上にレイアウトを重視していることで、1枚あたりのコンテンツ量の不足を招いていることです。 いまやタイムイズマネーが一般的になった日本のビジネスの現場では、「要するに何なのだ」 と言われないような効率的な企画書作成が求められているのが現状です。

上記のテクニックが許されるのはどういった業界なのでしょうね。広告業界に近いところなのでしょうか? 素朴な疑問です。

 

posted by 吉澤準特 at 10:16 | Comment(3) | TrackBack(0) | 徒然コメント

2009年06月27日

中国政府の検閲ソフトウェアが引き起こす、ボットネット王国という最悪のシナリオ
このエントリーを含むはてなブックマーク

少し前のエントリーで、中国で販売するパソコンに当局指定の“検閲ソフト”について紹介しましたが、グリーン・ダム・ユース・ エスコート(「Green Dam」)と呼ばれるこのセキュリティプログラムにセキュリティホールが存在することが明らかになっています。

グリーンダムに関する以前のエントリー:
http://it-ura.seesaa.net/article/121862697.html

ZDnetの記事によれば、外部からPCを制御できてしまうようで、すでにゼロデイ攻撃コードが出回っています。

※ゼロデイ攻撃コードとは、セキュリティホールの対策ができていないうちに公開されてしまった攻撃プログラムのことです。

ミシガン大学の専門家は、「Green Damをインストールしてしまうと、ユーザーの訪問先となるウェブサイトは、 これらの脆弱性を突いて、コンピュータを乗っ取れるようになる」と述べています。

以下、一部文章を引用します。

Green Damの公式ウェブページによれば、 依然として脆弱性を持っている最新のバージョン3.17は、すでに42万6138回ダウンロードされており、 それ以前の脆弱性のあるバージョンのダウンロード回数が717万2500回であることと併せて考えると、現在の状況では、 ウェブマルウェア悪用キットにこの脆弱性を利用する手段が組み込まれると、「ボットネット王国中国」のシナリオを、 理論上のものから現実になってしまう可能性がある。』

ミシガン大学の研究チームはミシガン大学の研究チームは、たった1日のテストでこの脆弱性を発見しましたが、 中国政府はこの問題点に気付かないまま製品の出荷を進めてしまったようです。

ミシガン大学の研究チームはGreen Damを実行している人に対して即時アンインストールを勧めていますが、「はい、そうですね」 と素直に応じる中国政府とは思えません。どのような対応を取るのか注目ですね。

 

posted by 吉澤準特 at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(1) | 注目記事

2009年06月24日

欧米人なら爆笑するレベルと言われる日本企業のIT投資
このエントリーを含むはてなブックマーク

日経情報ストラテジーのメールマガジンで、イーイーティ社長の熊澤さんが興味深いことを書いていました。 日米のIT投資に関する取り組み方の違いなのですが、どうやらネット上には出ていない文章のようなので、 誤解が起きないように要所を引用します


『日米の認識格差については、こんな話もあります。日本企業はITに投資して減価償却の法定耐用年数(サーバーは5年)を経過した段階で、 「やっと償却が終わった、ようやくこれから利益を享受できる」と考える傾向があります。よって、10年、20年と古いシステムを使い続け、 時代の流れに対応できなくなった機能だけを追加していく方法を非常に好みます。ただ、 後付けの機能追加の繰り返しはシステム全体としてのバランスを欠き、 結果的には抜本的なシステム開発と比して開発期間もコストも割高になってしまうケースがあります。

一方、米国では5年を経過し、 償却が終了すれば当り前のようにバージョンアップやシステムのリプレースを行います。システム構築に1〜2年を要するために、 彼らは新システムを導入してからわずか3〜4年で、さらに利益性の高い有効なITソリューションを模索し続けているのです。 私の知る国内企業で“次世代ITシステム検討プロジェクト”を5年以上にわたって続けておられる企業があります。 10年以上使用したシステムを刷新するのに、検討するだけでさらに5年もかけるという話を米国企業のIT部門の責任者や役員にすれば、 彼らは爆笑するでしょう。

(中略)

一言で総括すれば、「必要最低限のIT投資」の認識が日米の企業で、 まるで異なるのです。日本企業は、「忙しくなった」「新しい法律ができた」「会計制度が変わった」「買収を行った」 「子会社を統廃合することにった」「ハードウエアが老朽化した」「システムサポートが無くなった」などなどと、 困った問題が表面化してからITに投資する「泥縄式スタイル」に陥っています。

15年前に海外とのビジネスなど皆無だった企業が現在は進出しているケースは多いと思います。15年前に戦略的IT投資として多言語・ 多通貨・コンソリデーション(統合)・コンプライアンス(法令順守) 対策に対応できるERP(統合基幹業務)などのシステムの導入を進めていた企業がどれくらいあるのでしょうか?

自分たちの会社は将来どの方向に向かって行くのか?という大方針があり、 そのためにどのようなITシステムを構築すべきかを考える――。このような習慣を持たない限り、日米の10年のIT格差は埋まりません。 IT戦略はそのまま企業の経営戦略です。』


製造業などモノを作っている企業では、サポート対象期間が終わってもサーバを使い続けているところが比較的多いと私も感じます。 けっして問題が発生していないわけではないのですが、現場の担当者がちょっとした工夫で凌いでしまっているのです。

でも、これって実は凄いことなんです。通常、6年目以降の保守は割増費用が掛かるのですが、 なぜ欧米企業の多くがその時点で新たな投資に動くかといえば、その方が人件費を含めたトータルコストが安くなるからです。 古い機能を使い続けていても競争力が劣っていくだけだから、新規投資をせざるを得ない。

逆に、割増保守費用を支払ってでも使い続けた方がトータルコストに優れるというのは、 古い機能を創意工夫でうまく活用しているからに他なりません。これって現場レベルのスタッフが優秀でなければできないことですよ。

後手後手のIT投資に回っているという状況も、見方を変えれば、 ギリギリまで追加投資をしなくても済むような資源効率の高い運用を実現していると言うことだってできます。 資源効率性が悪化するから新規投資を行う、それが典型的な日本企業の発想です。

この話、もう少し大きな視点で捉えると、父性社会と母性社会における考え方の違いであると言えるのですが、それはまた別の機会に。

ともあれ、ITというのはあくまでも企業戦略の一手段に過ぎないわけで、 手段を新しくしなければ目標を達成できないというのは視点が違うように思えます。目的を達成する上で、 まずは既存のリソースの有効活用を検討し、それでは不十分だと分かったときに新規投資を行うというのが正道でしょう。

欧米と日本のIT投資に対する姿勢の違いというのは、既存リソースの有効活用余地の違いだと私は認識しています。

 

【追記6/26】 ガートナーが各国のICT投資マインドを調査した結果があります。経団連のサイトの以下のレポートに引用されているので紹介しておきます。 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/018/honbun.pdf 該当箇所を抜粋するとつぎのとおり。 順位国総合得点 1 インド100 2 シンガポール82 3 スペイン・ポルトガル74 4 マレーシア71 5 オーストラリア68 6 中国67 7 フランス64 8 韓国60 8 米国60 10 北欧4カ国(デンマーク・フィンランド・スウェーデン・ノルウェー) 58 11 ドイツ51 12 英国49 13 カナダ47 14 オランダ・ベルギー45 15 イタリア43 16 日本13 1位のインドに比べると米国や北欧勢は6割程度ですが、日本はそれら国々の2割強に過ぎません。※詳細はリンク先へ
posted by 吉澤準特 at 00:54 | Comment(9) | TrackBack(1) | 業界裏話

2009年06月22日

「地球温暖化に産業活動は無関係」というNASAのレポートがIT業界に与える影響は?
このエントリーを含むはてなブックマーク

NASAの公式見解として、地球温暖化or寒冷化はすべて太陽の活動に左右されており、 人類が産業革命以降に排出した温室効果をもつガス(二酸化炭素など)の影響はほとんどないそうです。

NASAは数年前から地球温暖化の原因が産業活動にあるという仮説に疑問を提示してきましたが、 ここにきて確証を持ったという感じを受けます。

以下、レポート内容の翻訳(by Google)です。

一部の研究者たちは、太陽周期、地球の気候変動の影響と考えています。彼らは、 最近の周期的変化に温暖化の傾向属性。懐疑派は、太陽が少し手の確かな証拠に、最近の気候変動の主張している。

今では、意外なソースからの新しい調査報告書へのこの懐疑的な見方をするに役立つことがあります。 NASAのゴダード宇宙飛行センターのグリーンベルトは、メリーランド州からの研究では、過去1世紀以上の気候のデータを見ては太陽、 地球の気候変動に大きく影響していると結論づけています。レポートの先頭にまでさかのぼることができるの気候変動に基づいて、 太陽放射の産業革命は、証拠と結論づけている。

過去の研究では、太陽の11年サイクルを通過しています。サイクルのピークでは、太陽の活動、特に強烈な太陽の黒点の近くには、 太陽の暑さの中で発生する地球日なたぼっこ。ロバートCahalan 、ゴダード宇宙飛行センターの気象学者は、 "今のところによると、 我々にある大きな氷の年代は、完新世と呼ばれている期間の間。 "

トーマスウッズは、コロラド大学ボールダーでは、太陽の科学者は、 "摂氏約0.1度で、 太陽の中の太陽の最大値と最小涼しい時に少し熱い太陽周期に与える影響は、地球の世界的な温度の変動を終えます。太陽は現在、最低でも、 して、次の太陽活動極大期は2012年に期待されています。 "

この調査には、静かな太陽太陽エネルギーの1平方メートル当たり1361ワットに達し、地球の外側の雰囲気の期間中によると。 さらに強烈な活動の時代平方メートル( 0.1 % )より多くのエネルギー当たり1.4ワットをもたらした。

一方、 NASAの研究温暖化やパターンの冷却には太陽の影響力を認め、それを悪いトラックが鳴った。独自の証拠を無視すると、 男は一引数は、現在の温暖化の原因としては、太陽を置き換えていたパターンに戻った。多くの研究と同様に、この結論を以下になり、 問題の相関関係や不正確なデータモデリング手法の詳細に基づいている。

は、不換実際、ここでも、 NASAの自身の研究では、過去には、太陽の変化、気候変動を起こしていることを認めている。 さらにこの調査のメンバーは、 AGW理論のほとんどが熱心なサポートには、 太陽の将来の気候変動に大きな役割を果たすことができることを認めます。

---------------------------------------
ソース:DailyTech NASA Study Acknowledges Solar Cycle

地球温暖化を阻止するためにIT業界も色々な取り組みをしています。チームマイナス6%やグリーン調達、グリーンITなど。しかし、 そもそも人類の産業革命以降の活動と地球温暖化が無関係だったとしたら、こういった活動は不要になるのでしょうか?

posted by 吉澤準特 at 02:58 | Comment(1) | TrackBack(1) | 注目記事

2009年06月20日

やはり中国当局によるプログラム盗用は起きる: 中国PC、来月から「検閲ソフト」義務化で分かったこと
このエントリーを含むはてなブックマーク

中国といえば、プログラムコードの全公開を企業に強制しようとしていることで騒がれていますが、 今回、コンシューマー向けにも恐ろしい仕掛けを用意していたことが明らかになりました。

以下、Yahooニュース一部引用です。

『中国で販売するパソコンに当局指定の“検閲ソフト” 搭載が7月1日から義務づけられる問題で、国内外のパソコンメーカーや販売店、ネットユーザーに混乱が広がっている。 ポルノなど有害サイトへの接続を遮断するとされるソフトだが、「搭載後のパソコン全体の品質を保証できない」と日系メーカーは困惑している。 ユーザーが組み立てるキット型パソコンの場合は搭載を免れるなど、問題も数多く残された中での“見切り発車”に、 国内のネット上では批判が渦巻いている。

 検閲ソフト搭載の義務化は、工業・情報化省が5月19日付で関係部門に通達した。「グリーン・ダム・ユース・エスコート」と名付け、 青少年保護をうたってはいるが、有害サイトの定義はあいまいで、“フィルター” には政府や共産党を批判するサイトや発言も引っかかる可能性が高い。

 同省が4170万元(約5億9200万円)で国内企業に発注したとされるソフトには、米ソフト開発会社のソリッド・オーク・ ソフトウエアが13日、「ソフトの開発コードが盗用された」と主張し、差し止めを請求する考えを表明した。』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090620-00000131-san-int


つまり、中国でPCを購入すると、もれなく当局による検閲が行われるということです。 民主主義国家でこれをやると人権侵害になりますが、中国は他の国とは違うということを再認識させられるニュースですね。

今のところ自作PCは適用外ということなのですが、大多数の中国国民は共産党仕様のPCを購入せざるをえない状況だと思います。

まあしかし、「上に政策あれば、下に対策あり」という言葉がある中国です、きっと抜け道は多数用意されることでしょう。

ところで、実は私がこの記事で一番気にしているのは、引用箇所の最後の文。

ソリッド・オーク・ソフトウェアの開発コードを盗用した可能性があるとのことで、 このエントリーの冒頭で触れた中国当局へのソースコード強制開示が実現すると、こういった盗用が多発することが容易に考えられます。

(中国がジャイアニズム全開で理不尽な情報公開制度を実施)
 → http://it-ura.seesaa.net/article/117995133.html

中国との取引があるIT企業は、2010年までに真剣になってチャイナリスクを考えるべきだと思いますよ。

posted by 吉澤準特 at 13:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話

2009年06月17日

ブログタイムズへのお誘い
このエントリーを含むはてなブックマーク

ブログをベースにしたマーケティングが最近増えています。グーグルをはじめとする検索エンジンから嫌われると言われていますが、本当に人に紹介したいと思って書いたエントリーは立派なコンテンツになるものです。

私が紹介するブログタイムズは、興味深い広告ネタがあったときだけ紹介すればよいので、自分が気に入らないものを紹介する必要がありません。明確に広告エントリーで分かるような書き方を求められるため、隠れたバイラルマーケティングと避難されることもないです。


http://blogtimes.jp/

映画の試写会に参加して感想を書いたり、試供品を入手して使い勝手をレポートしたりといった広告協力が多いので、純粋に楽しみながらできるのが何よりも良いです。

ある程度の規模でなければ審査で落とされてしまうのですけど、普段から頻繁にブログを書いている方、いちどチャレンジしてみてはどうでしょうか。面白いですよ。

http://blogtimes.jp/

[PR by ブログタイムズ]
posted by 吉澤準特 at 21:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然コメント

2009年06月07日

「幣社」という表現は相手を見下していますよ
このエントリーを含むはてなブックマーク

IT業界の特色の一つとして、あらゆる業界の様々な会社に入り込んで仕事できる可能性がある、という点を挙げることができます。 今の時代、ありとあらゆるところでIT技術は活用されており、最早、IT技術者が入り込んでいない業界は無いと言えるでしょう。

このため、色々な会社や組織に提案する機会があるのですが、 その組織の方たちが自分達を呼ぶ際に使う表現が業界や会社によって結構違うのです。なかなか新鮮な表現もあり面白いので、 自分が所属する組織を表現するとき、どのような呼称があるのか調べてみました。


(会社、店、団体など)
・弊社/小社/本社/当社
 ※店も同じ

(官公庁、団体など)
・弊省/本省/当省
 ※庁、局も同じ
 ※団体も同じ

(金融機関など)
・弊行/本行/当行
 ※金庫、信用組合も同じ

(出版社/新聞社など)
・弊紙/小紙/本紙/当紙
 ※誌も同じ

(学校法人など)
・弊校/本校/当校

(他団体など)
・弊会/本会/当会
 ※当協会も同じ


とても基本的なことですが、改めて考えてみると新たな発見があります。

まず、「弊〜」という表現は全ての組織で用いられています。「弊」というのは、自分を貶めたマイナスの意味を持った漢字であり、 謙譲表現です。外部の相手に対して話しかけるような状況や、それに類した状況で使われる文書の中で使うことが一般的です。

「本〜」「当〜」も自分達を示すのに使います。こちらはへりくだった表現ではなく、単純に自分達を示しているだけです。

ビジネスマナーの先生に聞くと、口頭でのやりとりは「弊社」、文面では「当社」で使い分けるのが正しいとのことですが、 電子メールのような口頭と文面の双方の性質を持ったコミュニケーションでは積極的に「弊社」という表現を使う人が増えています。また、 提案書を外部の人にプレゼンする場合、口頭で伝えることを意識して「弊社」という表現を使うのが当たり前になっていますね。

これは「御社」と「貴社」にも当てはまる状況です。

参考までに、「幣社」という誤字表現が散見されますが、「幣」は神様への貢物という意味がある尊敬表現です。「弊」と「幣」 はまったく逆の意味を持った漢字ですから、この誤字はとても恥ずかしい表現になるのでご注意あれ。 以下のサイトで詳しく説明しているのでご確認下さい。

(誤字等の館)
 → http://www.tt.rim.or.jp/~rudyard/jiji022.html


少し特殊なのが「小〜」という表現。私の知る限り、会社・店・新聞社・雑誌社でしか聞いたことがありません。私の個人的な感想としては、 この表現は「弊社」よりもさらに卑下した呼び方に思えます。だから、官公庁や金融機関では使われていないのでしょうか。 理由をご存知の方がいたらご連絡下さい。

社外の人に対する自組織の呼び方をご存知の方がいらっしゃいましたらコメント下さい。

posted by 吉澤準特 at 23:49 | Comment(3) | TrackBack(0) | 業界裏話

2009年06月03日

「内製率を高めたい」のに「世界3拠点分業」をしたがるNTTデータ社長の矛盾
このエントリーを含むはてなブックマーク

NTTデータ社長の山下氏をITproの名物編集長、谷島氏がインタビューした記事が、良い意味でも悪い意味でも、 とても興味深いものになっています。

『若い時にプログラムを書こう、必ず人生の豊かさにつながる』
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20090527/330760/

前半ではプログラミングの重要性を説いて内製率を高めたいと述べているあたり、 NTTデータの社長にしてはずいぶんと思い切った話をする方だと感心していたのですが、話が「24時間開発」 に移ってきたところから同社らしい考え方が垣間見えました。

『倍速、できるものなら3倍速でやりたい、というお客様に応えるために、 開発プロセスの抜本改善と、ソフト生成の自動化に取り組んでいます。色々やった結果、開発工数の3割はほぼ削減できることが見えてきた。 もう少し頑張って開発工数を5割削減したい。

(中略)

 画面はほとんど自動生成が可能で、ロジックのところができないけれども、 ある程度チューニングしておけばロジックも自動生成できる。手で作っていたから試験が必要だった訳で自動化すると試験も劇的に下がります。  

(中略)

 要件定義と設計の方も今、色々なツールを作っています。結局、 いくら自動生成しても、要件に問題があって手戻りが起きてしまうと倍速どころではなくなる。なるべく手戻りを起こさないような仕組みで、 要件定義での見やすさ、モックアップをぱぱっと紙芝居のように見せるとか、そういうツールがそろってきました。

 これがうまくいくと、要件定義の精度が上がり、 それにかける時間も今よりは少し短くなる。ただし、要件定義まで短くしようとすると、問題を起こしやすいから、 3なら3でしっかり時間をとり製造工程で減らせばいい。

 今お話したようなことをなんとか後1〜2年で実現させたい。 さらに開発プロセスの実態を自動モニタリングする仕組みを一緒に盛り込んだりするので、ざっと40億円ぐらいかけようか、ということです。』

つまり、ソースコード自動生成のフレームワークをベースにして、ウォーターフォール型の開発を世界3極(インド、ブラジル、日本) で回していきたいという話です。

いわゆる、内製率を下げる典型的なケースじゃないですか。

このことは、以下の発言からも分かります。

『例えば、日本で8時間設計したら、インドかヨーロッパで8時間製造し、 それを南米に持っていって8時間試験をする。日本から見ると、朝来ると、自分が設計したソフトが製造され、 一通りの試験が終わって手元に来ている。 』

冒頭でプログラミングが重要だと述べながら、結局日本の社員には設計書を作るところまでしかやらせない、 と理解してよいのでしょうかね。

純粋に、話に一貫性が無くてとても気になりました。

結局、内製率を高めるのであれば、自社内に工数単価の割安な開発グループ会社を設けて、 若いうちは出向させてプログラミングの経験をさせるというやり方しか残されていないのではないかと個人的には思っています。残念ながら、 NTTデータはコストが高くなりすぎて、末端の仕事を社員にやらせると採算割れを起こしてしまうのです。

最後に、はてぶにとても興味を引いたコメントがありました。

プログラミングは製造業でいう設計。本当の製造はmakeだけ。 / 製造業に 『設計を世界3拠点輪番で24時間行う。CADファイルはネットワークで共有。』 なんてアホなことを言ってる会社はない。 大部屋ワイガヤこそ大事。

確かにその通り。そして、システム開発で経験を積んできた人が行き着く答えであると思います。

それに、3拠点で時間差開発を行うくらいなら、同じ人員を東京と大連とマニラに配置して、 3拠点並行開発をやった方がリアルタイムコミュニケーションがスムーズになる(時差があまりない)ので効率的だと思いますよ。

最初からインドとブラジルに社員を抱えて余っているならともかく、新設するならオススメしません。 これは外資系のSIerやコンサルティング会社がすでに辿っている道だったりします。

日本屈指のSIerであるNTTデータだからこそ、これら企業を反面教師にして、 世界に名だたるグローバルカンパニーになってほしいです。

 

posted by 吉澤準特 at 01:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 注目記事





【IT業界の裏話】過去コラム(No.1-337)
[ TOP ]IT業界の裏話

▼ IT業界の人々
「内製率を高めたい」のに「世界...
人の話を聞かないIT技術者の...
コンサルを目指す学生との対話...
IT業界、悪魔の辞典『ヒト編』
改善は「自分が楽をすること...
近くて遠きもの、プログラ...
IT企業が求めるプログラマ...
ITプロの3割が機密情報に...
10年働くソルジャーが欲しい...
PGとSEの仕事の面白みは何...
メールをすぐ返信する人、しな...
├ ITコンサルタントになる方法
我がコードは我流。我流は無...
欧米人がグリーンITに積極的...
実は変化など望んでいないエ...
├ 実はコミュニケーション能力に...
IT業界人は自分のドッグフード...
IT業界を不人気にした重鎮...
IT業界の変わった人々
電子メール禁止!ゼロメール...
名言集−運用フェーズ−
システム開発における名言集
失敗から学ぶ人、学ばない人...
SEに多いコーチングタイプは...
あなたのコーチングタイプは...
ITエンジニアの年収公開サ...
CTCは何の略?
会議は踊る、されど進まず...
繰り返し使われるメールアド...
遅刻しそうなので面接受け...
社内SEが人気を集めている...
サポートセンターの悪夢
IT業界に向いていない人
日本の夏、熱暴走の夏
客前で後ろから刺される
システム障害でクビが飛ぶ人
病欠って何ですか?
昼休みって何ですか?
Windowsに弱いIT技術者2
Windowsに弱いIT技術者
エンジニアは音を伸ばさない
話しにくい人
転職する人しない人
サイコロ一振りで給料を決め...
コンサルがお絵描き好きなの...
コンサルの報酬額って?
ITコンサルとSEの違い
SEのITリテラシ
公私のケジメ

▼ 仕事のやり方
客先で自分のPCが差し押さえられ...
「闇リリース」は善意でやっても...
新人のための7つのワークハック...
仕事の質を落とさないメソドロ...
組織が150人を超えると仕事の質...
世界最大のコンサル会社が最低...
IT業界、悪魔の辞典『SI編』
パワーポイントを紙芝居に貶め...
日本と米国の違い:ベンダーサ...
定時退社日に罪悪感を感じるIT...
ストレス厳しい職場を生き抜く...
おまえが呼ぶな、俺が呼ぶ「ハ...
ITプロレタリアートは多機能工...
図表をリッチにする5つのシン...
セクシーパワーポイント道
エンジニア御用達のIT誌
メールコミュニケーションを200.
├ ニッポン・エンジニア・レボリュ...
ITのプロって何ですか?
クールビズにも限界、冷房28...
真夏に長袖!なのに裸より涼...
測定しにくいものを測定する方...
山田さんの使いやすいシス...
SEの品格
コンサルの品格
ダメシステムはひとまず葬れ
眠気対策アイテムを考える
長篠メソッド
ITサポートがユーザーに教え...
資格の価値
出張先のホテルでインターネ...
お口の恋人
絶対に潰れない会社の悩み
エアエッジが必要になる理由
ハイプ曲線+キャズム理論
ユンケル黄帝液とスーパー黄...
一貫性が信用を生む
デビルズ・アドボケイト
落とし所を見定める
クライアントの良き友人たれ
キャンペーンでたたみかける
比較で暴利をごまかす
権威を活用する
ヒヤリハットの考え方
密談のタバコ部屋
「えいや」で決まる、魔法の言葉
海外テレカンの心得
IT業界でうまく生きていくコツ
ポンチ絵
仕事と作業の違い
上司に背を向けると怒られる?
ロケットスタートのススメ
人の考えを利用すべし
「見える」化
仕事の範囲
ワークシートのススメ
フローチャートの基本
仕事のやり方、片付け方
もんたメソッド
高橋メソッド
作業時間の見積り方
仁義を切る
アクションプラン
ミーティングと議事録
ベンダー選定の基準
ITと数学
レスポンシビリティとアカウンタ..
仕事の密度
リクルーティング
ドキュメントプロパティ
クライアントが納得する答え

▼ 仕事の環境
こんなのITのプロらしい仕事...
デスマーチに陥るお決まりパ...
外資が休暇を大切にする”真”...
HTMLメールとテキストメール...
ペーパーレス化が紙の無駄...
携帯電話のSDカードも禁止す...
人々は安定性と安全性の両方...
カタカナ会社はあやしい会社?
サービスリリースの落とし穴
IT業界の職場環境
IT業界の労働環境悪化は...
英語の必要性
正月出勤
年末年始の過ごし方
止められないコンピュータ
動かないコンピュータ
リリース直前の危機

▼ IT業界の動向
クラウドプレイヤーの名言集...
ネット史上最大の惨事、マイクロ...
ベンダー努力を台無しにするIFRS...
電子政府構想は無駄遣いの温床...
NASAのレポートがIT業界に与える...
中国当局によるプログラム盗用は...
コンサルもSIerもいらない内製...
中国のソースコード強制開示制度...
IBMは当て馬、Oracleが演出する...
PWCCが復活、ベリングポイントを...
IBMに喰われたSun、IT業界に訪れ...
ヤフー、自社データセンター所有...
自分が決めたルールに違反するGo...
SOAは死んだ
データセンターを巡るIT業界三...
├ リーマン破綻にみる米国証券業界...
IT史に輝く「すべったテクノロジ...
冷却を必要としない常温データ...
過去のIT業界10大予測を振り...
├ エンジニアよ、大志を抱け!
├ 黒箱襲来!コンテナがDC...
IT業界進化論: SIer 2.0を目...
IT業界がダメな理由を学生の...
IT業界温室効果の1/4はDC...
新生ニコニコ動画、ニコンド...
システム前線異常アリ!ゆう...
ニコニコ動画は文化の架け橋
Web2.0の向こう側〜サードリ...
セカンドライフだけで宣伝の...
国家戦争にも利用されるDDo...
DoCoMo2.0に見る情報格差...
DoCoMo2.0とWeb2.0
ITIL準拠という幻想
システム障害訓練の日を制...
WAONとnanacoが提携したい...
NTT東西の野望〜光回線編...
mixi招待制の綻び
Vistaが売れない理由
独自仕様に走り過ぎて泣き...
米国事情から見る日本のIT...
MVCからAjaxへ
外字ってなんですか?
Sunがx86サーバにIntel採用...
やりたい放題バッドウェア!
アウトソーシングという名の幻...
ソフトバンクモバイル、MNP停...
やっぱり止まったソフトバンク...
あらゆる意味でやり過ぎの...
経営者不在の日本版SOX法...
働いてみたいIT企業ランキン...
サーバの進化がデータセン...
_システム運用にRSSを活用
電力線通信が認可される日...
携帯メールはSSL通信よりも...
経営者不在の日本版SOX法...
Microsoftがサイトリニューア...
停電に脆弱なシステム
システムは誰のためにある...
ITILで運用が楽になる?
進化するコールセンター
Vacademy
IT業界にロングテールはある...
時間をお金で買う
あなたの猫はコンピュータウ...
個人情報保護法の範囲
あなたvsプロジェクト構成管理
ドラマ24にみるシステム最前...
次世代トレンドと枯れた...
日本版SOX法の施行に向け...
新しいWindowsはWeb決済...
地震に強いシステムをお持...
IT Doesn't Matter
SOAと分散コンピューティン...
各社で定義が異なるESB
おサイフケータイに見...(2/2)
おサイフケータイに見...(1/2)
子会社のシマを荒らす親会社
アインシュタインに学ぶソフ...
公職選挙法とインターネット
マイレージ負債
インターネットの舞台裏:海底...
ゼロ・クライアント
サーバのトレンド
外資系パッケージベンダー

▼ 業界の構造
対極にあるIT業界とコンビニ業...
IT業界は成果報酬型のサービス...
特定ベンダー以外をふるい落と...
欧米人なら爆笑するレベルと...
IT業界が詐欺師集団と言われる...
IT業界の格差社会、年収200...
├ 新基準導入でデスマーチがな...
公式では言えないニコニコ動...
├ コンサルとアプリ開発者、格差...
システム運用はIT業界の最下...
テストフェーズの呼び方は千...
2000年問題再来!?サマー..
減り続ける正社員の割合
労働局が偽装請負の抜け道...
会社貸与のPCは何年償却?
ITIL Foundationを2万円で買..
IT製品もイメージ重視?
お試しできない製品は売れない
IT業界は無免許制
どんぶり勘定
標準価格と提供価格
ソフトウェアライセンス
社外秘の秘密度合
偽装請負 
システム開発の流れ7 テス...
システム開発の流れ6 開発...
├ システム開発の流れ5 開発...
システム開発の流れ4
システム開発の流れ3
システム開発の流れ2
システム開発の流れ1
IT業界の構造

▼ 業界ランキング
SIerランキング2005
コンサルランキング2005

▼ その他
「幣社」という表現は相手を見下...
コミュニケーション力の不足は...
聞く耳を持たないYahooニュース...
黒デスクトップ事件に見る中国...
ITコンサルから見たブラッディ...
違法ダウンロードでネット追放...
就職難民=不出来な学生とい...
モンスターペアレント、会社襲来
あえて言おう、Yahooの掲示...
プログラマ向きなカフェをオー..
├ Japan Brog Award 2008を..
日立さん、IT大喜利をもう一度
インターネット上の信頼できる...
IT業界でありそうな迷惑勧誘...
倒産してもカネを要求する悪2...
倒産してもカネを要求する悪1...
├ 枯れた技術の水平思考で
├ ずさん極まりない環境保護ラ...
世界の奇妙な法律を集めた...
50万円のキーボード
洋楽を1曲10円で購入できる...
CNETとZDNetは同じ会社
情報の価値(情報商材)
コンパイル1回12時間の世界
楽天ポイント事件
楽天ポイント事件〜利用者...
楽天300ポイント付与で謝罪
ライブドア強制捜査
└ ネットワークベンダー