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『外資系企業に住む住人の視点からIT業界の出来事を伝えます。』

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2009年09月20日

朝日新聞が官製ITシステムに厳しい件について
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ここのところasahi.comから検査院の勧告絡みで、官公庁の入札案件で過剰コストに陥っているものが立て続けに取り上げられているのですが、ついに悪名高い電子申請システムもその矛先にあげられました。

(電子申請システム、利用率低迷、検査院が改善要求)
http://www.asahi.com/national/update/0919/TKY200909180383.html

『検査対象となったのは20の中央官庁の49システム。08年度までの4年間に整備や運用にかかった経費は計約1080億円で、平均利用率は05年度に8.1%だったが、08年度には34%まで上昇した。

しかし、12システムは10%以下と低迷。中でも7システムは1%以下、利用件数も大半が70件以下で、総務省の政治資金関係のシステムは利用が2件しかなかった。

総務省の電子申請・届出システムは、平均年齢86.3歳の高齢者が恩給受け取りの際の住所変更などの届け出に利用できるが、申請はほとんどない。「お年寄りにインターネットでの申請を求めるのは難しい」と担当者は漏らす。

財務省には、たばこ業者が小売り販売の許可を申請するが、1業者が申請する機会は1回だけ。内閣府へは、NPO法人の認証の際、活動報告を義務付けているが、報告を提出するのは活動年度に1回だけという。 』

何か特集でも組むつもりなのでしょうかね。

(競争入札なのに1社のみ応募で競争になっていない官公庁の現実)
 → http://it-ura.seesaa.net/article/128394882.html
(特定ベンダー以外をふるい落とすために細かすぎる仕様書を作る)
 → http://it-ura.seesaa.net/article/124143844.html



posted by 吉澤準特 at 12:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然コメント

2009年09月19日

競争入札なのに1社のみ応募で競争になっていない官公庁の現実
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ちょっと目に付いた記事です。

(入札1社だけ、独立行政法人で増加 競争骨抜きに)
http://www.asahi.com/national/update/0919/TKY200909190140.html

事実上の随意契約です。単に形式を競争入札にしただけで、実際には特定事業者以外は入札に参加すらできないような条件を付けて1社応札の形にしているという話。

朝日新聞の記事には以下のような例が挙がっていました。

『大学などを評価する独法の「大学評価・学位授与機構」は06年度と07年度、清掃業務の一般競争入札を行った。同機構の共有スペースは4922平方メートルに過ぎないのに、入札参加条件は8千平方メートル以上の床面積の清掃実績がある業者に限定されていた。結局、1社のみが応札し、630万円の契約を結んだ。』

このケースでは、既存の業者だけが適合する条件を付けて1社応札としたのでしょう。同じことはシステム開発案件でもよく見られます。

担当者の身になってみれば、これまで付き合いのある業者の方が仕事がやりやすいのでしょうけど、そういう仕事のやり方をしたければ民間企業に転職した方が幸せです。現在の官公庁の仕事は公共事業の意味合いもあるのですから、特定の業者にだけうまみを与えるようなやり方は適切ではありません。例え手間がかかろうとも、客観的な競争入札を実現すべきでしょう。そして、結果的にはその方が往々にして安くなるものです。

先の清掃業者の話では、翌年競争入札になるよう入札条件を緩和したところ、2社から応札があって、前年630万円の仕事が546万円に下がっています。

このあたりの話は以前のエントリーをご参考下さい。

(特定ベンダー以外をふるい落とすために細かすぎる仕様書を作る)
http://it-ura.seesaa.net/article/124143844.html


posted by 吉澤準特 at 15:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然コメント

2009年09月15日

ITベンダーの努力を台無しにするIFRSの恐怖
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巷を騒がせているIFRS(国際会計基準対応)ですが、これがSI企業に大打撃を与えかねないという話を耳にしました。ネタ元は、ITproメルマガに掲載されていた日経コンピュータ:木村岳史さんのコラムです。

以下、当該コラムの内容を一部引用します。

『工事進行基準は、システムが完成してから収益を計上する従来の会計基準と異なり、四半期決算のたびに、工事(=システム開発)の進捗度に見合うだけの売り上げや利益を計上する。正しい収益を計上するためには、事前にSI案件の収益総額を確定し、原価総額を正確に見積もったうえで、精緻なプロジェクト管理が必要となるので、適用に向けたITベンダーなどの負担は並大抵のものではなかった。

それもこれも、会計基準をIFRSに合わせていくためである。IFRSが工事進行基準を適用することを求めているため、日本として止むを得ず工事進行基準の適用に踏み切ったのだ。ところが、そのIFRSを策定している国際会計基準審議会(IASB)が「工事進行基準の適用を止めようじゃないか」と言い出したから、大騒ぎとなった。

IASB がそんなことを言い出したのには諸説あるが、やはり昨秋のリーマン・ショックで、投資家が企業の財務諸表が信頼しなくなったことが大きいだろう。考えてみれば当たり前だが、工事進行基準は、プロジェクトの進捗の判断にさじ加減を加えるだけで、簡単に売り上げや利益を操作できる“危ない会計基準”である。IASB が工事進行基準を止めようと考えても不思議ではない。』


前提知識として、IFRSが何であるかはこちらで知ってください。

(新日本有限責任監査法人:IFRSとは)
 → http://www.shinnihon.or.jp/service/ifrs/about/index.html

要は、「国際的な信用を得て投資対象と見なされるために、投資家が評価しやすい形で財務情報を発表しましょう」ということです。そのためにはこれまでの会計方法を変える必要があり、財務システムなどの改修が必要になるので、会計業界だけでなくIT業界も一緒になって盛り上がっているのです。


IFRS対応は不可避の流れになってきてますから、IFRSで工事進行基準が認められないという事態になった場合、これまで頑張って当該基準に対応してきたSI企業は投資損になりますよね。このままでは、多くのSIerは”使われないシステム”を抱えることになります。

この話はITproの東葛人的視点でも取り上げられています。

(IFRSで工事進行基準は廃止? ITベンダーを悩ます話の深層)
 → http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20090821/335629/

まだIFRSで工事進行基準が捨てられるという話が決まったわけではないようですが、今後のSI業界が抱えるリスク・場合によっては案件のチャンスとして知っておいて損ではない情報だと思います。
posted by 吉澤準特 at 13:29 | Comment(1) | TrackBack(0) | 業界裏話

2009年09月14日

YahooCU終了、SNSの歴史がまた1つ終わる
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SNSといえばmixiやGreeが有名ですが、実はYahooもSNSをやっています。YahooCUというサービスで、海外のLinkedInのようなビジネス上のコミュニティ形成を目的としたものです。

https://cu.yahoo.co.jp/?m=pc&a=page_o_login&login_params=&ssl_param=1

1年くらいまえにベータ版という位置づけで始まったと記憶しているのですが、そのサービスもベータ版のまま幕を閉じることになるようです。先刻、Yahooからこのようなメールを受け取りました。

『2009年10月19日(月)18:00をもちまして、CUのサービスを全て終了させていただく運びとなりました。

サービス開始以来、サービスの中身を強化し、たくさんのお客様に使っていただける事を目指し、スタッフ一同尽力して参りましたが、今回サービスの終了決定に至りました。今後、CUが皆様にとってビジネス上の人脈管理・拡大の場となりえる充分な利用者数の確保、使い勝手のよい機能の提供を、社として継続的に行うことが難しくなったことが主な理由です。

これまでCUにご登録いただき、ご利用中の会員の皆様には、ご不便をおかけしますことを心よりお詫び申し上げます。』


SNSで収益を上げるというビジネスモデルは難しかったということです。他の類似SNSとの差別化を図ることができなかったのでしょう。2009年9月時点で6544人しか登録していない模様。これではビジネスを軌道に乗せるのは大変難しいことでしょう。

私自身は結構たくさんの知り合いが登録していることもあり、それなりに有意義だったのですけど、Twitterを始めてからはコミュニケーションの場がCUから遠ざかっており、CUの終了もとくに驚きはありませんでした。

もうすこしYahooのメジャー機能と連携できればよかったのですけどねぇ。

posted by 吉澤準特 at 22:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然コメント

2009年09月03日

Twitterをやっています
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ついったーをとうとう始めました。

私のつぶやきはこちらから見れます。

 

http://twitter.com/juntoku_y

 

ついったー経験者の皆様、

是非ともフォローしてやってください。



posted by 吉澤準特 at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然コメント

2009年09月02日

電子政府構想は無駄遣いの温床: 8754万円の電子申請システムが4年間使われず
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利用者不在のシステム開発の典型例ですね。システム要件定義の際、ユーザーニーズの掘り起こし以前に、e-Japan構想に沿って作ること自体が目的になってしまったように思えます。

『会計検査院は2日、独立行政法人「産業技術総合研究所」が、微生物の特許出願に関連する電子申請システムを導入したものの、4年間全く使われていなかったと発表した。同研究所はシステムの開発や保守に8754万円をかけていた。

(中略)

 しかし電子申請には電子証明書の取得とカードリーダーの購入が必要で、サンプルそのものを提出する手間は同じだった。4年間に申請は約4万件あったが、電子システムによる申請は1件もなかった。』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090902-00000038-mai-soci


近々廃止されるそうです。たぶん、5年間の減価償却期間に沿って廃止されるだけなのでしょう。

そういえば、3年前にはパスポート電子申請システムも利用者が皆無に近くて廃止されました。保坂氏のブログに詳しい話が載っているので一部を紹介します。

『旅券(パスポート)を電子申請するシステムは04年から始まったが、その利用者は05年末までに133人しかいない。一方で、投下した費用は05年末までに21億3300万円と巨額で、ひとりあたりで割るとなんとパスポート一冊発行に1600万円かかるというから驚きだ。

(中略)

システムを受注・開発したのはNTTコミュニケーションズで、2001年〜04年まででシステム開発・実証実験などで、約20億円が投じられていることが判明した。運用が始まってからは、04年12億4500万円、05年8億8800万円、06年8億6200万円と合計で29億9500万円のランニングコストがかかっている。

読売新聞の記事にある「1600万円」は、04年〜05年の2年間の運用経費(12億 4500万円+8億8800万円=21億3300万円)をパスポート発行人数で割った数値なので、さらに開発経費約20億円を加算すると、20億円+21 億3300万円で41億3300万円と、05年末までのひとりあたりのコストは3000万円に倍増する可能性もある。』
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/0899dbaf9289b0603b7cfd1fa70b8d21


これ、電子政府化、すなわちe-Japan構想による開発ありきの姿勢が生んだ結果です。ITリーダーズのサイトでは、他にも次のような廃止システムがあったと紹介しています。

・「ワーストワン」となったのは、防衛省の「申請届出等システム」だ。開発費3億8626万円、年間運営費3692万円に対し、2007年度の利用件数はわずか4件。開発費を含めると、1件当りのコストは1億円に達する。

・文部科学省の「オンライン申請システム」は、開発費が11億7886万円、年間運営費1億900万円に対して年間利用件数は115件。2年間で250件の利用があったとして、開発費と運営費を合算した1件当りのコストは515万円だ。

・沖縄県駐留軍用地の返還にともなう給付金支給申請システム(初期費用:3.9億円、ランニング費用:0.4億円/年、利用件数:4件/年)

・政治資金・政党助成申請・届出オンラインシステム(初期費用:5.7億円、ランニング費用:2.9億円/年、利用件数:0件/年)

・公益法人の事業計画書及び収支報告書の届出システム(初期費用:5.2億円、ランニング費用:0.4億円/年、利用件数:29件/年)

・高校卒業程度認定試験の合格証の交付手続きシステム(初期費用:11.8億円、ランニング費用:1.1億円/年、利用件数:115件/年)

・製造タバコの小売販売業の許可等239手続きシステム(初期費用:0.5億円、ランニング費用:0.1億円/年、利用件数:55件/年)

・恩給申請手続きシステム(初期費用:1.9億円、ランニング費用:0.6億円/年、利用件数:476件/年)

http://it.impressbm.co.jp/e/2009/08/28/1128


公共事業の色合いが強い政府のSI案件ですが、これは無駄遣いと断じても良いレベルです。平均利用率が1%以下と言われるe-Japan構想の産物について、IT業界の皆さんは反面教師として参考にしてみて下さい。
posted by 吉澤準特 at 18:32 | Comment(1) | TrackBack(0) | 業界裏話





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