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『外資系企業に住む住人の視点からIT業界の出来事を伝えます。』

以前好評いただいた『資料作成の基本』から図解作成だけにテーマを絞って抽出した本が2018年6月23日に発売となります。 https://www.amazon.co.jp/dp/4799106511

図解作成の基本
本書は「資料」ではなく「図解」の作成に特化しています。図解は、論理的にわかりやすい内容、感覚的に心地よい見た目が好まれます。図形のカタチ(フォーム)と配置(ポジション)で生み出される「要素のバランス」、色の使い分け(カラー)によって醸し出される「コンテンツの強弱」です。それらを「図解キューブ」というモデルで表し、その実践例をチャートとグラフの「図解パターン」として体系的・網羅的に整理しました。これらを「エグゼクティブ図解術」と私は呼んでいます。本書を図解作成のハンドブックとして、ぜひ使ってみてください。


【吉澤準特の本:累計10万部以上】
外資系コンサルのビジネス文書作成術』はロングセラーで重版多数
外資系コンサルが実践する資料作成の基本』はロングセラーで重版多数
外資系コンサルの仕事を片づける技術』はロングセラーで重版多数
フレームワーク使いこなしブック』はロングセラーで重版多数
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【吉澤準特の過去配布レポート】
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2010年07月30日

あなたのフレームワークを「わかる」レベルから「使える」レベルへ!
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重版が決定しました!購入くださった皆様、ありがとうございます!

 
拙著「フレームワーク使いこなしブック」がAmazonに登場しました!
 http://www.amazon.co.jp/dp/4820746626/



フレームワークといっても、アーキテクチャ的な話ではなくて、図解思考とかマーケティングとかワークハック的な方のやつです。「むぎ夫」というキャラクターを中心に、見開きガイドブックのような形でフレームワークを取り上げてます。

今回、素晴らしいイラストレーターの方と出会うことができ、とても親しみの持てる絵でいっぱいの本に仕上がっています。むぎ夫をはじめとするこれらの絵によって、誰でも抵抗なく読めると思います。

今回、書籍出版記念として次のドキュメントを期間限定でプレゼントします。

・オトナの事情で泣く泣く削ったマボロシのフレームワーク
・ミーティングをうまく攻略するための対人フレームワーク

詳しくは、以下のリンクをクリックしてください!
 http://www.canter.jp/it-ura/framework/mailform_framework-011.php
posted by 吉澤準特 at 04:14 | Comment(5) | TrackBack(0) | リンク紹介

2010年07月26日

フレームワーク思考で行き詰まったら
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・開発で頻繁に必要とされる汎用的な機能をまとめて提供し、アプリケーションの土台として機能するソフトウェア

これはe-wordsで定義されている内容ですが、もう少し噛み砕いて説明するなら、「先人たちの試行錯誤の末に積み上げられた、誰でも一定レベルのものを作りあげることができるように工夫された仕組み」と表現することができるでしょう。

この仕組みによって、ひとりの天才が作るシステムには及ばないものの、ひとりの秀才が作るシステムなら、凡人3人が集まって作ることができます。しかし、これにはひとつ大きな欠点があり、ある決まったやり方なら問題ないものの、それ以外の仕組みを盛り込むことはできません。

以前、硬直化した方法論を振りかざすコンサルタントの話を書きましたが、この話の方法論(メソドロジー)をフレームワークに置き換えて読むとお分かりになると思います。

「世界最大のコンサル会社が最低な仕事をする理由」
 http://it-ura.seesaa.net/article/114822601.html

先人が作り上げたフレームワークはある場面で有効であっても、別の場面では役に立たないということがほとんどなのです。だからこそ、ひとつのフレームワークに固執せず、常に新しい発想を持ち続けることが重要になります。


しかし、それは誰もができるやり方ではありません。そんなことができるなら、最初からフレームワークに頼るようなマネはせず、ゼロから設計するでしょう。これは地頭の良い一部の人だけに許されたやり方です。

では、そうではない私たちの大半は一体どうしたらよいでしょうか?

実はそんなに難しくありません。素直に2つ目、3つ目、4つ目のフレームワークを覚えるだけです。ある機能・場面でしか通用しないフレームワークしか知らないなら、それとは違う機能・場面で通用するフレームワークを改めて習得すればよいという話です。

システム実装であれば、Jakartaプロジェクトなどに素晴らしフレームワークがたくさん転がっています。目的に合わせて探し出して見てください。※詳細はまた別の機会に。

ビジネス・コミュニケーション面であれば、巷のビジネスフレームワーク本で必要最低限のものを知ることができます。ただし、知識として「わかる」レベルではなく、実践で「使える」レベルを目指せる本はそれほど多くありません。

ひとつ私が勧めたいのは、やさしいJavaぐらい噛み砕いた説明で、図を多く用いた目で見て理解が促されるぐらいの書籍です。いくつもの良書はありますが、是非、拙著「フレームワーク使いこなしブック」を読んでみてください。

期間限定でキャンペーンをやっています。
 http://www.canter.jp/it-ura/framework/mailform_framework-011.php

他にも、世界一やさしい問題解決の授業、もオススメです。自分にあった本を探してみましょう。


posted by 吉澤準特 at 03:18 | Comment(2) | TrackBack(0) | 業界裏話

2010年07月20日

Web大変化がもたらすIT業界のDIY(Do It Yourself)
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少し前ですが、楽天技術研究所から「Web大変化」という本が出ました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4765010589

この本が何を扱っているかは目次を見てもらえばわかります。

 第一章「多様化する世界」
 第二章「雲の彼方」
 第三章「知と我々自身の変化」
 第四章「パワーシフト」

端的に言えば、現在のネット上で起きているクラウドコンピューティングを中心とした大きな時代のうねりを扱った本なのですが、現在の大変革の主役となっているテクノロジーの解説がとても充実していて素晴らしいため、ちょっとここで紹介したいと思います。

現在のネット技術のキモは、

・巨大な情報を驚くほど簡単に手に入れられること
・それらを加工する手段がとても容易に提供されていること

これに尽きるでしょう。

Web大変化を通じて、著者の森さんは、「大組織→小組織→個人」へのパワーシフトが今起ころうとしていると述べています。たとえば、Google AppsやマイクロソフトのBPOSは、ブラウザとインターネット接続さえあれば、大企業でも個人でまったく同じサービスが受けられるため、情報処理能力では差がつかなくなっています。

このパワーシフトはIT業界にも影響を与えています。分かりやすいところでは、かつては数百万円の費用請求が可能であったWebサイト作成事業は、今ではその数分の一にまで費用が落ち込みました。ユーザのITリテラシがパワーシフトを通じて大きく向上した結果です。Webページ1枚追加で10万円なんてバカげた形ではなく、純粋に工数ベースの費用請求に変化しています。

大規模な事例では、IP電話網を自前で構築した結果、SIer支払う費用を1億円以上節約できた秋田県大館市の話が顕著ですね。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20090209/324420/

ベンダの見積もりには長期のWAN費用が含まれている一方、市の費用には6人の時間外労働代1年間分が未計上という見積り前提の差異はあるものの、それでも外部に支払う費用を大幅に減らせているのは事実です。SIerとユーザとの間で得られる情報の差が商売のタネになっていたのに、それがなくなりつつあるという典型例でしょう。

クラウド化が促進されることによって、ユーザ自身ができること、端的に言えばITのDIY(Do It Yourself)はもっと進むことになります。これまでもEUC(End User Computing)という形で複雑なExcel関数シートやAccessで作ったデータベースなどを業務に組み込んでいるユーザ部門はありましたが、それがさらに拡大するイメージです。

特に、データ加工を手軽に行えるツール類がクラウド上で提供されるようになっていくと、今までIT部門が介在して提供していたサービスがユーザ自身の手で行えるようになります。例えば、Yahoo Pipesというオンラインサービスが発展すると、今までBI(ビジネスインテリジェンス)のシステムを使って実現していたデータ加工機能を代替するものになるでしょう。

サードリアリティを標榜する楽天技術研究所は、これまでに蓄積し続けてきたオンライン購買に関するデータを研究機関に公開しています。

http://rit.rakuten.co.jp/rdr/index.html

(公開データ)
 −楽天市場の全商品データ(5000万商品)
 −楽天トラベルの施設データ(11,468施設)
 −レビューデータ(35万レビュー、34万評価)
 −楽天ゴルフの施設データ(1,669施設)
 −レビューデータ(32万レビュー)

こういった動きは、楽天自身がパワーシフトを加速させているということなのだと思います。今年は12月18日に第3回楽天研究開発シンポジウムが開催され、そこで上記データを利用した成果なども発表されるとのこと。

http://rit.rakuten.co.jp/conf/rrds3/

書籍「Web大変化」を読み込んだ上で参加すると、時代の大きなうねりを感じ取れると思います。

「Web大変化」森正弥(著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4765010589
posted by 吉澤準特 at 09:10 | Comment(3) | TrackBack(0) | 業界裏話

2010年07月13日

ゆうちょ銀行でシステム障害発生、原因はストレージ障害
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ゆうちょ銀行で7/12の15時過ぎにシステムトラブルが生じ、ATMから提携先金融機関への振込ができなくなりました。その後、21時までに一部機能を復旧させています。

原因はストレージ障害によるものだと報道されています。Web上の情報では、全銀接続部分のサブシステムが停止している模様で、この部分はNTTデータがメンテナンスをしている旧大和銀行系の勘定系システムに該当すると思われます。

『ゆうちょ銀は日本IBM製メインフレームで動作する旧大和銀行の勘定系システム「NEWTON」を使い、全銀接続用システムを構築中だ。開発はNTTデータが担当している。』
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080206/293193/

単なるストレージ障害であれば、冗長構成のために自動切り替えで業務継続が可能なはずですが、今回、周辺系サブシステムが止まっているところをみると、SANストレージ本体の接続部がまとめて死んでしまっているのかもしれません。

今夜はNTTデータの方、日立の方、IBMの方の一部は徹夜でしょうか。ご愁傷さまです。続報があり次第、情報をアップデートします。

(7/13追記)
7/13 朝8時50分に完全復旧した旨がゆうちょ銀行のウェブサイトでプレスリリースされました。システム障害のニュースでおなじみのITproでは今回のトラブルを以下のように報道しています。

『トラブルがあったのは、この全銀システムとゆうちょ銀の勘定系をつなぐ、全銀接続用システムだ。同システムは、旧大和銀行の勘定系システム
「NEWTON」をベースにNTTデータが構築したもので、日本IBM製のメインフレーム上で動作する。


 ゆうちょ銀はトラブルの原因を「ハードウエアの障害であることは分かったが、詳しい原因は調査中」(ゆうちょ銀広報)としており、障害があったハードウエアが何であるかは公表していない。


 システムトラブルは7月12日午後3時22分ごろに発生し、「ゆうちょ銀から他行への送金」、「他行からゆうちょ銀への送金」、「ゆうちょ銀キャッシュ
カードの他行ATMでの利用」、「他行キャッシュカードのゆうちょ銀ATMでの利用」ができなくなった。


 障害発生後、システムは段階的に復旧した。まず12日午後20時38分に、ゆうちょ銀のキャッシュカードの他行ATMでの利用、他行のキャッシュカード
のゆうちょ銀ATMでの利用が可能になった。13日午前8時30分には、他行からゆうちょ銀への送金が可能になった。同日午前8時50分にゆうちょ銀から
他行への送金ができるようになったことで、システムは完全に復旧した。』
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100713/350216/




今回の原因がストレージのどこにあるかは明確になっていませんが、ストレージ部分が単一障害点になっているシステムは世の中に山のようにあることは想像に難くありません。なにせ、数年前のシステムならストレージの可用性向上に間違いなくスケールアップ型のSANストレージが採用されているからです。DBの並列処理によるストレージのスケールアウト型の冗長構成を採用しているシステムは全体のほんの一握りです。

あなたの関わっているシステムは、ストレージが単一障害点(SPOF)に陥っていませんか?
posted by 吉澤準特 at 04:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 注目記事

2010年07月11日

富士通とマイクロソフトのクラウドコンピューティングに関する業務提携
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富士通とマイクロソフトのクラウドコンピューティングに関する業務提携が結構話題になっています。

『両社はまず、マイクロソフトが開発した企業向けのクラウド専用サービスを、群馬県館林市にある富士通のデータセンターを使って、国内の企業向けに
提供する考えだ。さらに、富士通が今年度中に英国やシンガポールなどに展開するデータセンターなどを使って、海外進出した日本企業などに同様のサービスを
提供することを検討している。両社は今後、ソフトやサービスなどの共同開発も検討する方針だ。

富士通は、マイクロソフトのサービスによってクラウド事業の品ぞろえを増やす狙いがある。一方、マイクロソフトは、富士通の顧客となってきた国内
の大企業に対してサービスを拡大することができる。』
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100710-OYT1T00673.htm


かなり大きな取り組みになるようなので、しばらくは動向を注目していきたいです。




posted by 吉澤準特 at 01:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 注目記事

2010年07月06日

ゆうパック(日本郵便)とペリカン便(日本通運)にみるシステム統合の難しさ
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日本郵便のゆうパックと日本通運のペリカン便が一緒になって7月1日から新しいゆうパックがスタートしました。これによって取り扱い店舗数は13万5千店、宅配荷物量も倍増したのですが、統合した業務を職員がうまく回せなかったようで、2日〜3日の遅配が多数発生しているとのことです。

『郵便事業会社(JP日本郵便)の宅配便事業「ゆうパック」で、首都圏などで集配作業に遅れが出ていることが3日、分かった。ゆうパックは1日に、日
本通運の「ペリカン便」を事実上吸収して再出発したばかりだが、取り扱う荷物量が増え、混乱が起きているとみられる。


 日本郵便によると、新東京支店(東京都江東区)などの集配拠点で荷物が滞るなどの混乱が起きているという。このため、首都圏を中心に配達の遅れが出てお
り、指定された期日に荷物が届かないトラブルが発生。日本郵便は新東京支店などに応援職員を出して対応しているものの、遅れはまだ解消していない。


 ペリカン便を吸収したことで1日以降、日本郵便が取り扱う宅配便の荷物量は約2倍に増えた。取り扱い店舗数も約13万5千店へとほぼ倍増し、作業に遅れ
が出たとみられる。また、日本郵便は、これまでペリカン便を扱っていた職員がゆうパックのシステム端末に不慣れなことも混乱の原因になっている、としている。


 7月は、お中元の集配など1年でも作業の量が多い繁忙期にあたる。11日の参院選投開票を前に選挙関連の郵便物の取り扱いも多い。この時期に統合に踏み
切ったことが裏目に出たようだ。』
http://www.asahi.com/business/update/0703/TKY201007030170.html





遅配の原因は、これまでペリカン便を扱っていた職員がゆうパックのシステムに不慣れだったため、オペレーションがうまく回らなかったと話ですが、これって事前に業務シミュレーションや訓練の実施が不足していたからに違いないでしょう。おそらく、ゆうパックシステムの統合はIT部門主導で行われていたのではないかと推測しています。

IT側の人間には、業務側の習熟度向上や訓練などをシステム統合のおまけ程度としか考えない人もいます。ですが、本当に重要なのは、そういった習熟度の向上や訓練を重ねることで、現場のメンバーが新環境でも滞りなく業務を推進できるようになっている状態にまでもっていくことです。決してIT部内の自己満足で終わらぬように、新システムの定着スケジュールと具体的な定着方法をしっかり考える必要がありますね。




posted by 吉澤準特 at 02:39 | Comment(1) | TrackBack(0) | 注目記事





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