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『外資系企業に住む住人の視点からIT業界の出来事を伝えます。』

以前好評いただいた『資料作成の基本』から図解作成だけにテーマを絞って抽出した本が2018年6月23日に発売となります。 https://www.amazon.co.jp/dp/4799106511

図解作成の基本
本書は「資料」ではなく「図解」の作成に特化しています。図解は、論理的にわかりやすい内容、感覚的に心地よい見た目が好まれます。図形のカタチ(フォーム)と配置(ポジション)で生み出される「要素のバランス」、色の使い分け(カラー)によって醸し出される「コンテンツの強弱」です。それらを「図解キューブ」というモデルで表し、その実践例をチャートとグラフの「図解パターン」として体系的・網羅的に整理しました。これらを「エグゼクティブ図解術」と私は呼んでいます。本書を図解作成のハンドブックとして、ぜひ使ってみてください。


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2011年02月27日

インドの断念によってIT情報開示義務の流れは変わるか?
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ソースコードと言えば、ソフトウェアの根幹をなすものであり、知的財産(特許)のカタマリを指します。この「知的財産」を強制的に開示させる法律があることを知っていますか?

以前、2009年4月に、中国がITに関するソースコード強制開示制度を発表したことで、中国が輸入する全てのIT製品はソースコード(つまり知的財産・特許)を中国政府に提示しなければならない事態に直面しました。


『中国政府がデジタル家電などの中核情報をメーカーに強制開示させる制度を5月に発足させることが23日、明らかになった。

(中略)

制度は、中国で生産・販売する外国製の情報技術(IT)製品について製品を制御するソフトウエアの設計図である「ソースコード」の開示をメーカーに強制するものだ。中国当局の職員が日本を訪れ製品をチェックする手続きも含まれる。拒否すれば、その製品の現地生産・販売や対中輸出ができなくなる。

どの先進国も採用していない異例の制度で、非接触ICカードやデジタル複写機、金融機関向けの現金自動預け払い機(ATM)システムなど日本企業が得意な製品も幅広く開示対象になる可能性がある。』
http://it-ura.seesaa.net/article/117995133.html


このニュースが世界中に与えた影響は甚大で、すぐさま日米欧からの強烈な反対意見が出され、それから1年後の2010年3月20日、「中国政府が調達する製品に限る」というラインで妥結したのです。

しかし、他国の政府にソースコードを強制開示しなければならないという最悪の前例が出来上がってしまい、これを受けて、IT大国のインドやその他新興国がどのような反応を示すのか注目を集めていたのですが、ついに2011年2月25日、中国の前例には倣わないという英断が下されました。


『携帯電話向けを中心とする通信関連設備の外国メーカーに対し、ソフトウエアの設計図にあたる「ソースコード」の提出義務づけを検討していたインド政府は、この規制を実施しない方針を決めた。「安全保障上の理由」を掲げていたが、日米欧の関連業界や政府は「先端技術の流出につながる」と反対していた。複数の地元メディアが伝えた。

(中略)

インド政府は昨年7月、国内の通信事業者に対し、導入する外国製の通信関連設備のコード提出を求める方針を発表した。「ソフトの設計図が不明なままでは、機密情報が外国に流れるおそれがある」というのが理由だった。コード提出に代わる「安全保障上の措置」の検討は続けており、内容によっては日米欧の通信関連設備メーカーの経営戦略に影響を与える可能性は残る。』
(asahi.com)
http://www.asahi.com/international/update/0224/TKY201102240509.html


ただし、ニュースが伝えている通り、通信業界にとってはまだ悩みが解決されたわけではありません。『ブラックベリーも陥落、国外サーバの存在を許さない国』のエントリーで触れたように、テロ防止を主目的とした通信内容の傍受は多くの政府が頭を悩ませている問題であり、その解消に向けて、具体的なアクションを起こす可能性はかなり高いと思います。

http://it-ura.seesaa.net/article/159261910.html


当面のところ、インドはIT情報の全面的な強制開示というアプローチを断念したとはいえ、中国のように政府調達に限定してソースコードの提出を求める可能性はまだ残されています。世界で最も人口の多い国No1とNo2が揃って同じアプローチを取るならば、第三世界の各国政府もこの流れに同調し、自国政府が調達する製品はソースコード開示が当たり前になる時代がくるかもしれません。

こうなると、官公庁系の仕事では、ソースコードが最初から開示されているオープンソースを利用というスタイルが基本になることも考えられますよね。日本政府もこの流れに同調したとするなら、これまで自社製品で囲い込んでいたメインフレーマーたちが退場に追い込まれるという時代もやってくるのでしょうか。

この流れの行方、グローバルで政府系を相手にする仕事をしている人は要注目ですよ。インドの動向、中国の政府系調達に対する欧米ベンダーの取り組み方、ロシアやブラジル政府のIT戦略。ここ数年は刮目した方がいいと思います。

posted by 吉澤準特 at 22:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話

2011年02月21日

飲酒に伴うPC紛失であなたが失う大切なモノ
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日本人は比較的酒に弱い民族だと言われていますが、それでも年に数回、人によっては月に数回〜週に数回の頻度で飲酒をしています。適度な酒は心理的なリラックス効果をもたらしますが、度を超えると意識が朦朧とし、自分が何をやったのかを思い出せない状態に陥ることでしょう。今回のエントリーは、そんな飲酒に伴うトラブルの話です。

セキュリティだのコンプライアンスだのが叫ばれるようになって久しく、情報に対する過剰な保護意識は既に世の中に蔓延しています。システム構築やコンサルティングの仕事はあらゆる業種を相手にして仕事をやっているため、金融業や官公庁を相手にした仕事では、特に厳重な情報保護ポリシーの遵守が求められます。

基本的に情報をプロジェクトルーム外に持ち出すことは禁止されているため、プロジェクトメンバーは仕事の持ち帰りが許されていません。

ですが、システムリリースやプロジェクト報告会といった絶対的な期日が定められたなかで、どうしてもプロジェクトルームだけでは仕事を終わらせることができない状況に迫られることもあることでしょう。

そんなときはどうするかというと、多くのプロジェクトでは上長やスーパーバイザーの許可をもらうことで、PCを外に持ち出せるようになります。これによって、週末の自宅でも仕事ができるようになります。

金曜にPCを持ち帰って、土日に作業し、月曜に持ってくるという流れはごく自然な成り行きで生じるわけですが、この流れに「金曜夜の飲み会」というイベントが加わると雲行きが怪しくなってくるのです。

たとえば、金曜夜に同僚と飲み会があるとしましょう。今は夕方18時。月曜までにやらなければならない仕事はまだ終わっていないけれども、あと5時間くらい作業すれば完了できそうだという状況なら、「仕事を持ち帰ろう」という気持ちにきっとなるのではないでしょうか。

当然、PCやプロジェクトの資料はカバンに入れて飲み会の場所へ向かいますよね。そしてほろ酔い気分でゴキゲンになるわけですが、ここで飲みすぎてしまった人は、イベントフラグが立ってしまうのです。

ベロンベロンに酩酊して飲み屋を離れ、意識が朦朧としつつも電車やタクシーで家になんとか辿り着き、ベッドに倒れこんだ後、土曜朝になってあなたはふと気付くことでしょう。

「PCを入れたカバンが無いっ!」

さて、ここで問題です。この後、あなたは一体何をするべきでしょうか?

#1. ただちに上司に電話で連絡し、PCを紛失したことを伝える。
#2. 今日一杯は自力でPCを捜し歩き、見つからなかったら上司に相談。
#3. 疲れているので週末は体を休め、月曜になったら上司に相談。


○#1を選んだ方
あなたの選択は正しいです。いつであろうと、無くなったことに気付いた時点で直ちに上司に連絡しなければいけません。その後、上司は社内の担当部署に非常連絡をするとともに、クライアントの担当者にも緊急の情報連絡をすることになります。酩酊でのPC紛失に情状酌量の余地はありませんが、初動が迅速であったことはマイナスにはなりません。

○#2を選んだ方
もしかしたら自分の記憶違いかもしれない。どこかに届けられていてすぐに見つかるかもしれない。そんな甘い期待をしたくなる気持ちもわかりますが、万一見つからなかった場合、クライアントからは「なぜすぐに報告しなかったのか!」と言われるでしょう。仮に見つかったとしても、タクシー会社や鉄道会社がカバンの中からクライアント名の記された資料を見つけて、直接クライアント先へ電話連絡してしまっていたら、「紛失したという事実を隠ぺいしようとした」とさらなる非難を受けます。

○#3を選んだ方
残念ながら、プロジェクトにおけるあなたの役割は終わりを迎えることになる可能性があります。#2の対応でさえ、クライアントからは「隠ぺい」との誹りを受ける可能性があるのに、週明けまで何の報告もしなかったのであれば、「注意力も無く誠実さにも欠ける人物はプロジェクトにいらない」とリリースされることになりかねません。もちろん、あなたの信用力はこれ以上ないくらいに暴落します。


事の顛末はPCを紛失した本人だけに限りません。プロジェクトリーダーとともに始末書を書く、原因分析と再発防止策を行う、防止策の実施に伴ってプロジェクト全体に余計な対応コスト(工数・費用)が発生する、など少し考えただけで大変な事後対応工数が予想できます。

「初犯なら情状酌量があるかも・・・」という考えも捨てた方がいいですね。自分にとっては初犯でも、他の人が以前に同様のことをやっていたら、会社としては2回目になりますし、もし初犯だったとしても、今後このクライアントに関わる人々に多大な迷惑をかけることになるのは疑いようもありません。

「仏の顔も3度まで」「スリーストライク」という言葉のとおり、クライアントによっては、こういった酩酊に伴うプロジェクト情報の紛失を3回繰り返したベンダーは出入り禁止(取引停止)に処することもあります。SIプロジェクトやコンサルティング業務など、出入り業者としてクライアント先で働くスタイルが一般化しているIT業界では、情報持ち出しに伴うリスクは近年本当に深刻になっているのです。

まさに「注意一秒、怪我一生」の言葉通り。仕事の資料を万一持ち歩くときには、「飲むなら持つな、持つなら飲むな」のスローガンを頭に思い浮かべて行動するべきですね。

posted by 吉澤準特 at 01:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話

2011年02月15日

就活に役立つ地頭力を身につける3つのビジネスフレームワーク
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就活には学歴が重要になっていることは前回エントリーで述べましたが、コミュニケーション力と地頭が重要であることに変わりはありません。

当たり前のことですが、企業の採用担当者や面接官にとって、個々の就職活動者と何度もあって為人(ひととなり)を詳しく知ることは物理的な時間を考えると難しく、どうしてもワンチャンスで相手の適性を判断せざるを得ません。

多くの企業では、採用活動に当たって次の点を重視します。

「この応募者は自社の社風に合っているか?」
「応募者の能力は自社の業務に向いているか?」

これを短時間でアピールできる人こそ、コミュニケーション力があって地頭の優れる人に他なりません。地頭に優れるというのは、「相手の言っていることを正確に捉える」+「自分の言いたいことを正確に伝える」スキルを有していることだと私は認識しています。もう少し詳しく述べると、ロジカルシンキングの基本を押さえ、情報を網羅的に捉える術を身につけているということです。

以下、就活の履歴書や面接等に直接効果のありそうな3つのビジネスフレームワークを紹介します。この3つを理解し、自由に使いこなすことができれば、瞬発的な情報整理が容易に行えるようになり、就職活動での大きな武器になることでしょう。


#1. MECE
・MECEは漏れなくダブりない状態を意味する。
・2つの要素ならタテ×ヨコ、3つ以上の要素はアイコンなどを使って整理するとよい。
・新しい要素が加わったときにMECEであるかどうかを都度チェックする。
・何でも分ければよいというものでもない。意味のある視点で整理する。

MECEとは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略称であり、ダブリがなく(Mutually Exclusive)、モレがない(Collectively Exhaustive)状態を表す言葉。忠実に訳せば、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を指す。

モレやダブリが一部分でもあると、全体の正確性や信頼性が損なわれ、他にも間違いがあるのではないかと疑われてしまう。必ず図に書き出してモレとダブリがあるか確認すること。


#2. ロジックツリー
・ロジックツリーはコンテンツを簡単に見える化できる。
・「なぜそうなるのか(Why)」でブレイクダウンする。
・「だからどうなるのか(So What)」でサマライズする。
・ロジックツリーの各階層がMECEになっているかをチェックする。

ロジックツリーは、別名ピラミッドストラクチャとも呼ばれており、樹形図の形で物事を整理していく手法である。課題解決に使うことも多いため、イシューツリーとも呼ばれる。

相手に何かを提案する際にロジックツリーの形で主張を整理してあれば、シンプルかつ分かりやすく説明することができるため、意見を取り入れてもらいやすくなる。たとえばトヨタでは、Why×5という具合に最低5回はブレイクダウンを行うことで、より本質的な理由やアクションを導き出している。

ロジックに一貫性が欠けていたり、十分に整理されていない状況で相手に説明を行うと、相手の誤解を招いて自分自身の信頼を失う(本当に正しいことを言っているのか疑われる)こともある。また、説明する相手が期待する結論に応じて、ブレイクダウンの方向性を調整する必要がある。


#3. IPO
・すべての物事はインプット、プロセス、アウトプットに整理することができる。
・プロセスによって主担当者が異なる場合、同時並行度を高めて進めることができる。
・主担当者が被る場合は順次着手になってしまうこともあり得る。

IPOとは、プロセスの根幹となる概念であり、インプット/プロセス/アウトプットの三要素からなるフレームワークを指す。

→インプット:
プロセスを開始するために前提となる完了済プロセスや作成済成果物を定義する
→プロセス:
業務活動内の5W1H(When:時期、Where:場所、Who:担当、What:実施対象、Why:作業目的、How:具体的な作業内容)を定義する。
→アウトプット:
プロセスが終了した時点における対象の状況、もしくは作成される成果物を定義する。

プロセスが曖昧なままではインプットとアウトプットを明確に定義することができない。少なくともWho:担当毎にプロセスを区分できなければ、そのプロセスの実施に責任を持ってあたる人間が不在となる可能性が高く、放置される可能性が高まる。Who:担当の数が増すほどその傾向は顕著になるため、できるだけ1名ずつ担当者を割り当てるべき。


もっと詳しく知りたい方は、ビジネスフレームワークを本格的に勉強してみましょう。
「フレームワーク使いこなしブック」(JMAM)
http://www.amazon.co.jp/dp/4820746626/

posted by 吉澤準特 at 02:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然コメント

2011年02月11日

地頭が良くても学歴がなければ今の就活はうまくいかない
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この時期になると就活について書かれた記事を多く目にしますが、多くの記事で「学歴の重要さ」を取り上げる傾向が増えています。

「コミュニケーション力を磨け!」
「地頭を鍛えろ!」

という声も良く聞きますし、それは間違ってはいない努力だと思いますが、それだけで就活が上手く入ったのはリーマンショック前の好景気だった頃の話であって、就職超氷河期(大企業限定)の2011年については正しい認識とは言えません。


かつては、採用活動情報が掲載された馬鹿でかい冊子を学生に送りつける手法を取り入れており、リーチする学生の数を増やしすぎると費用対効果の面で問題が生じていたので、採用案内を送付する大学を限定するという行為は当たり前に行われていました。いわゆる、「学歴フィルター」です。

それがインターネットの普及に伴って、リクナビ等の就活サイトの活用で企業から学生へのリーチがとてもしやすくなりました。これによって、企業側の採用活動コストが割安になり、コンタクトを受け付けていなかった偏差値の低い大学からの応募も受け取るように状況は一気に変化してきました。

この頃から、多くの大企業は学歴に変わる採用基準を持つようになります。先に挙げたコミュニケーション力」と「地頭力」を評価して採用可否を判断していたのは、もともとコンサルティング業界がやっていたことですが、これが次第に他業界にも広まり、2005年頃の好景気では「コミュニケーション力」と「地頭力」を扱った就活指南本が一気に増えます。

しかし、残念ながら、2011年現在、就活の現状は15年以上前の冊子版リクナビで就職活動を行っていた時代に逆戻りしています。皮肉にもその最たる理由は、インターネットの就活サイトなのです。

先に述べた通り、就活サイトによって企業は全ての学生に採用活動の門戸を開くようになってきましたが、これによって何が起きたかといえば、「とりあえず人気企業にエントリーしておくか」という安易な発想による応募者数の激増だったのです。


私もコンサルファームの採用活動に関与しているので肌身に感じていることですが、10名の応募者を1日で精査することはなんとかできますが、100名を精査することは物理的に不可能です。だから、最初にフィルターを掛けて書類選考の数をなんとか絞りたいと考えるのです。

企業が一番最初に取った方法は、SPI試験を使った基礎能力値による足切りでした。

最初は会場を借りた筆記試験を開催しましたが、コストが掛かるので、応募者が自宅から受験できるインターネットWeb試験に切り替える企業が続出しました。その結果、何が起きたかというと、替え玉や複数に協力による不正受験です。

SPIフィルタリングの有効性が揺らいでしまったので、これを補完するフィルター基準を探さなければなりません。そこで注目されているのが、再び「学歴」なのです。

そもそもWeb版のSPI試験だって受験者数が多ければ費用が多くかかりますし、セミナー説明会も、学生の数が多くなるほど大きくて使用料の高い会場を確保しなければなりません。だったら、優良な学生が比較的多いと思われる層だけに絞り込んでから臨んだ方が効率が良いですよね。

学歴とはこれを判断するのに「最もマシ」な指標なので使われているのです。具体的には、学歴が一定以下の学生がセミナーに参加することや試験応募を断るのです。(常に満席表示にする、など)


グダグダ書いても時間のムダなので、単刀直入に述べます。私が学生の皆さんに伝える就活基本アプローチは以下のとおり。

▼コミュ力&地頭:劣、学歴:劣の学生
→目標とする業界、やりたい仕事を見極めるためにセミナー参加し、最初の就職は中小企業を本命として活動すべき。そこでコミュ力&地頭を鍛えて業務スキルを高めたら、転職でステップアップ。少なくとも、コミュ力を向上させることができていれば、上を目指せます。

▼コミュ力&地頭:優、学歴:劣の学生
→自分の力に自信はあるでしょうが、大企業だけではなく中小企業も受けます。新卒のアドバンテージがまだまだ大きいので、できるだけ就職浪人は避けるべき。能力本位で評価する外資系を中心に活動した方がいいです。英語力があればかなり有利。

▼コミュ力&地頭:劣、学歴:優の学生
→替え玉や共闘で書類選考や一次試験を突破することはできるでしょうが、ケーススタディや面接で落とされる可能性が高いです。中小企業から準本命を決めて、そちらに進む覚悟も持つべき。そこでコミュ力&地頭を鍛えて業務スキルを高めたら、転職でステップアップです。

▼コミュ力&地頭:優、学歴:優の学生
→好きなように活動して下さい。多分、多くの企業から内定を獲得できます。

基本的に、学歴が相対的に劣る学生がまず脱落します。そこの認識を誤ると地獄を見るのが今の大企業の就活なのです。高望みも結構ですが、現実を見据えたアプローチも忘れずに。

なお、相変わらず、コミュ力&地頭を鍛える必要性はありますから、自分に自信を持てない人は鍛錬を続けるべきだと思います。手前味噌ですが、こういう資料で意識を高めることもアリだと思いますよ。

『一流コンサルティングファームからあなたが内定をもらう極意』
http://www.canter.jp/it-ura/infotop/it-ura-a01_prod_it-cons.php

posted by 吉澤準特 at 15:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話

2011年02月08日

いつのまにかに弾けて消えたJapan Blog Award(ジャパンブログアワード)というバブル
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今から3年前、2008年の新年早々、CNETブログアワードで準グランプリという栄誉を頂いてから間もない時期ですが、ジャパンブログアワード(Japan Blog Award)という次のアルファブロガーを発掘しようというイベントがネット上で開催されまして、私もそれに参加したことがありました。

当時は運よくIT系ブログの最終審査まで残り、数千分の49ブログに入ることができまして、渋谷の表彰会場まで出向いた記憶が懐かしいです。お土産にもらったアジエンス一式(スポンサーに花王が含まれていた)は、しばらくうちのメインシャンプーとして活躍してました。

先日、当時主催者の一人だったアルファブロガ―の徳力さんから新年の挨拶メールをもらったので、ふと、「ジャパンブログアワードは今どうなっているのだろう?」と思ってサイトに訪問してみたら、なんと消えていたのです。

何がどうなっているのか、私も一瞬分からなくなりました。せっかくお金をかけて作り上げた年次ベースのお祭りです。イベントの継続が難しくなったのなら、サイトの更新をやめるくらいで留めて、過去のエントリーは閲覧できるようにしておくのが普通だと思うのですが、サイトドメインそのものが消えている状態です。

http://www.japanblogaward.com/

2009年まで開催していたことはさまざまなサイトから読み取れるのですが、それ以降の情報がありません。もともと実験的な取り組みでしたし、「次のアルファブロガ―を探せ」というイベント主旨だった割には、選ばれたサイトの盛り上がりを後押しするような動きも見えず、とても中途半端なイベントではありましたから、停止になったことを不思議には思いません。

ですが、過去のイベントで蓄積したコンテンツを消すというのは残念です。まるで、黒歴史として無かったことにしたかったように感じ取れます。これでは、過去の2008年・2009年アワードに関わった各ブログが浮かばれませんよ。

思い返せば、リーマンショックでインターネット広告マーケットが冷え込んだ後、さまざまなネット上のアワードや大賞系のイベントが中止に追い込まれています。メールマガジン最大手のまぐまぐでさえ、10年近く続いていた「まぐまぐ大賞」を中止しており、今後も再開される見込みはありません。CNETのブログアワードも2009年以降は開催されておりませんし、ジャパンブログアワードも同じということなのでしょう。

ただ、リーマンショックから2年以上が経過し、第五のメディアと言われるインターネットには、これまでTV業界や新聞業界に流れていた巨大な広告資金が再び還流しようとしています。この流れに乗り、再びさまざまなネット上のアワードが復活すると、賑やかになってくると面白いですね。

posted by 吉澤準特 at 08:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然コメント

2011年02月07日

映画「ウォール・ストリート」で感じた次世代コミュニケーションツールのあり方
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映画「ウォールストリート」を観ました。
http://movies.foxjapan.com/wallstreet/

image

「この2時間はあなたの資産になる」というキャッチコピーにまんまと乗せられて行ったのですが、残念ながら私の資産にはなりそうにないですが。ただ、私が映画を観て興味をひかれたのは、いくつかのシーンで登場する、オンライン端末上のチャットツール?のようなやつです。

たとえば、主人公の彼女がニュースサイトに記事をアップした後、複数の人間(1200人以上)にその記事を通知するシーンが描かれていますが、このとき使っていたツールが何なのか気になってます。この映画はRIM社のブラックベリー(BlackBerry)とタイアップしているので、おそらくBlackBerry Messengerという機能を利用しているのかなと思うのですが、ちょっと確信が持てません。

私は証券業界のITシステム構築に関わった経験がありますが、この業界では以前からブラックベリーの利用率がかなり高く、特にグローバルに出張する役職級の社員はかなりの人々が所有して”いました”。なぜ過去形で表現しているかというと、iPhoneが登場してから、この業界もかなりの人々がiPhoneに乗り換えているからです。

おまけに、ブラックベリーの売りのひとつであった秘匿性についても、以下のエントリーで触れたとおり、近年の各国政府からのプレッシャーによって失われつつあり、もはや通常のスマートフォンと比較した優位性は感じられなくなっています。

『ブラックベリーも陥落、国外サーバの存在を許さない国』
http://it-ura.seesaa.net/article/159261910.html

話を冒頭のウォールストリートに戻しますが、ウォールストリートで生き抜く要諦は、いかにして他の証券マンから情報を引き出し、また情報を与えて影響力を行使するか、という点に尽きると感じました。これをITの視点で捉えるなら、そういったコネクティビティを提供するツールの存在が重要だと言うことができます。留意すべきなのは、不特定多数に開かれたオープンパスだけではなく、特別な情報を特定の人に提供するクローズドパスも提供できるツールが求められるということです。

2011年は映画『ソーシャルネットワーク』が公開され、世界中で実名SNSのフェイスブックが知名度をさらに上げています。Twitterもますますユーザー数を増やしており、つぶやきレベルの情報共有も当たり前になりつつあります。次のムーブメントは、もっと人と人のコミュニケーションを活性化させるツールの浸透でしょう。たとえば、自分に興味のあるニュースやトピックを自動的にリコメンドしてくれる機能がTwitterクライアントにあったら便利ですよね。

仕事上でもこんな機能があったらいいと思いませんか? たぶんコレ、作ったら絶対に流行りますよ? 少なくとも私は使いたいです。どなたか、頑張って作ってみてください。

posted by 吉澤準特 at 08:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話





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