就活には学歴が重要になっていることは前回エントリーで述べましたが、コミュニケーション力と地頭が重要であることに変わりはありません。
当たり前のことですが、企業の採用担当者や面接官にとって、個々の就職活動者と何度もあって為人(ひととなり)を詳しく知ることは物理的な時間を考えると難しく、どうしてもワンチャンスで相手の適性を判断せざるを得ません。
多くの企業では、採用活動に当たって次の点を重視します。
「この応募者は自社の社風に合っているか?」
「応募者の能力は自社の業務に向いているか?」
これを短時間でアピールできる人こそ、コミュニケーション力があって地頭の優れる人に他なりません。地頭に優れるというのは、「相手の言っていることを正確に捉える」+「自分の言いたいことを正確に伝える」スキルを有していることだと私は認識しています。もう少し詳しく述べると、ロジカルシンキングの基本を押さえ、情報を網羅的に捉える術を身につけているということです。
以下、就活の履歴書や面接等に直接効果のありそうな3つのビジネスフレームワークを紹介します。この3つを理解し、自由に使いこなすことができれば、瞬発的な情報整理が容易に行えるようになり、就職活動での大きな武器になることでしょう。
#1. MECE
・MECEは漏れなくダブりない状態を意味する。
・2つの要素ならタテ×ヨコ、3つ以上の要素はアイコンなどを使って整理するとよい。
・新しい要素が加わったときにMECEであるかどうかを都度チェックする。
・何でも分ければよいというものでもない。意味のある視点で整理する。
MECEとは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略称であり、ダブリがなく(Mutually Exclusive)、モレがない(Collectively Exhaustive)状態を表す言葉。忠実に訳せば、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を指す。
モレやダブリが一部分でもあると、全体の正確性や信頼性が損なわれ、他にも間違いがあるのではないかと疑われてしまう。必ず図に書き出してモレとダブリがあるか確認すること。
#2. ロジックツリー
・ロジックツリーはコンテンツを簡単に見える化できる。
・「なぜそうなるのか(Why)」でブレイクダウンする。
・「だからどうなるのか(So What)」でサマライズする。
・ロジックツリーの各階層がMECEになっているかをチェックする。
ロジックツリーは、別名ピラミッドストラクチャとも呼ばれており、樹形図の形で物事を整理していく手法である。課題解決に使うことも多いため、イシューツリーとも呼ばれる。
相手に何かを提案する際にロジックツリーの形で主張を整理してあれば、シンプルかつ分かりやすく説明することができるため、意見を取り入れてもらいやすくなる。たとえばトヨタでは、Why×5という具合に最低5回はブレイクダウンを行うことで、より本質的な理由やアクションを導き出している。
ロジックに一貫性が欠けていたり、十分に整理されていない状況で相手に説明を行うと、相手の誤解を招いて自分自身の信頼を失う(本当に正しいことを言っているのか疑われる)こともある。また、説明する相手が期待する結論に応じて、ブレイクダウンの方向性を調整する必要がある。
#3. IPO
・すべての物事はインプット、プロセス、アウトプットに整理することができる。
・プロセスによって主担当者が異なる場合、同時並行度を高めて進めることができる。
・主担当者が被る場合は順次着手になってしまうこともあり得る。
IPOとは、プロセスの根幹となる概念であり、インプット/プロセス/アウトプットの三要素からなるフレームワークを指す。
→インプット:
プロセスを開始するために前提となる完了済プロセスや作成済成果物を定義する
→プロセス:
業務活動内の5W1H(When:時期、Where:場所、Who:担当、What:実施対象、Why:作業目的、How:具体的な作業内容)を定義する。
→アウトプット:
プロセスが終了した時点における対象の状況、もしくは作成される成果物を定義する。
プロセスが曖昧なままではインプットとアウトプットを明確に定義することができない。少なくともWho:担当毎にプロセスを区分できなければ、そのプロセスの実施に責任を持ってあたる人間が不在となる可能性が高く、放置される可能性が高まる。Who:担当の数が増すほどその傾向は顕著になるため、できるだけ1名ずつ担当者を割り当てるべき。
もっと詳しく知りたい方は、ビジネスフレームワークを本格的に勉強してみましょう。
「フレームワーク使いこなしブック」(JMAM)
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posted by 吉澤準特 at 02:08
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