ひさびさにネットでIT業界の動向を調べてみたら、最近のITproが富士通とNECにとても冷たくなっていることに気付きました。
ソースはこちら。
『NEC、富士通に直言』
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110707/362190/
リンク先には複数の記事が並んでいますけど、どれも辛口。たとえば、2011年2月のNECに関する記事にはこんなことを書いています。
「問題は、NECの「危機感のなさ」にある。「このまま何もしなくても大丈夫」と安心し、世の中の変革に取り残されていることに気づいていないかのようだ。」
「あるNEC役員は「パソコンやPCサーバーの国内シェアはナンバー1だ」と自慢するが、それは世界市場の1%とか2%のシェアでしかない。」
「果たしてNECの役員に、グローバルでばりばり働ける人が何人いるのだろうか。若手の登用も欠かせない。頭が固くなった幹部が「そんなものを開発しても売れない」と一蹴して、若手の開発意欲を奪っていたら、明日の人材や成長の種は育たない。」
すごいですね。躊躇ない切り方です。最後に「がんばれ、NEC」と激励の言葉を添えてはいますが、その前振りでズタズタのボロボロですよ。きつく当たるのは期待している証なのだと信じますが、最後の言葉にたどり着く前に涙が溢れてしまいそう。
それでもNECはまだマシかもしれません、富士通の書きっぷりに比べれば。ためしに富士通の2011年5月の記事を抜粋してみましょう。
「ある業界関係者は「富士通は将来の姿を描けなくなったように思える」と心配する。」
「「当社からテクノロジーをとったら、特徴のない会社になってしまう」と山本社長は技術力低下を否定するが、ある業界関係者は「技術力はあるが、商品化ができない」と経営側に問題があると指摘する。」
「ある富士通出身者は「技術力がないから利益率が低い」と厳しい意見を述べる。」
「富士通はこの10年間で売り上げを1兆円近く減らした。」
もうやめて!富士通さんのライフはもうゼロよ!とフォローしたくなるくらいの痛烈なアタックが繰り広げられています。かわいい子には旅をさせろ、みたいな突き放し方かと思う一方、かわいさ余って憎さ百倍といった感じなのかもしれません。
これだけ見るとNECも富士通も終わコン(終わったコンテンツ:価値が無くなったもの)扱いされているようですが、そう考えるのはちょっと待って下さい。
2011年2月にIDCから発表された国内市場におけるIT市場主要ベンダーの上半期製品総売り上げでは、なんとNECと富士通の二社が唯一プラス成長、他の日立や日本IBMなどは軒並みマイナス成長でした。
IDCの考察は以下の通り。
「総合ベンダー5社の中でプラス成長を示した富士通と NEC については、ハードウェア、ソフトウェア、IT サービスの構成比のバランスが良く、景気停滞時にも比較的抵抗力のある構造だったから」
つまり、総合力では他社に食らいついているどころか、優っている点さえもあるのです。
それにスパコン市場で先日世界最速を叩きだした”京”は富士通、その前に世界最速で名をはせた”地球シミュレーター”はNECが構築しています。
にもかかわらず、やはりインターネット上ではNEC、富士通に対する風当たりは強くなる一方。この理由は一体なぜなのでしょう。
(1)マネジメントが示す成長ビジョンに具体性が無い。
(2)社内で冷遇された人々が不満を噴出させている。
(3)愛情の裏返し。実はみんなNECや富士通が好き。
トップダウンの視点、ボトムアップの視点、外野からの視点でありそうな理由を3つ挙げてみましたが、この中に答えはあるのでしょうか。それとももっと別の理由があるのか。
あなたの意見はどうですか?
posted by 吉澤準特 at 21:08
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