企業は自社の未来を背負って立つ有益な人材を探し求め、世の就活生は自分を採用してくれる企業を探し続けるのがこの冬の季節です。一部の人材に内定が集中している昨今の就職活動では、企業側と言えども決して優位にあるわけではなく、買い手市場とも売り手市場とも評することが難しくなっているのがこの数年間の特徴でしょう。
社会人1年目として会社勤めの方々においては、就職活動のときには見えていなかった、「実際に働いてみて分かる会社の一面」が分かってきた頃でしょう。そうなんですよね、内側に入り込んでみなければ分からないことはたくさんあります。
(面接時)
「うちの会社はサービス残業なんてないよ」
【入社後】
「定時後の作業は自己勉強だから、残業代なんて必要ないだろ?」
(面接時)
「アットホームな雰囲気でプライベートも仲が良いよ」
【入社後】
「会社の飲み会は絶対参加、社員運動会やボランティア活動も必須だ!」
(面接時)
「年功序列なんて古い制度は無い、実力主義の会社さ」
【入社後】
「入社1年目から完全歩合、売れなければ給料無しだぞ!」
ここまで極端な豹変ぶりをみせるところは稀でしょうが、世の中の過半数以上の企業は多かれ少なかれ、採用面接時には美辞麗句で自社の業務スタイルを着飾っているもの。だからこそ、客観的な視点で労働環境の良い/悪いを評価してくれる組織があったら、つい参考にしてしまうのがヒトの性。ランキングサイトや評価機関、格付け会社が何を言うのか、結構気にしているものです。
しかし、第三者の評価結果も、それが門外漢のトンチンカンで的外れなモノだったら何の参考にもなりません。もしかすると、特定の結論に不当誘導しているのではないか、とも疑ってしまうこともあるでしょう。
インターネットの「信頼できるサイト」というのも、ベリサインのように国際的に信頼されている企業が発行する証明書があるからこそ。各国の国債だって、ムーディースやS&Pのような世界的に信頼されている組織がトリプルAなどの評価を下すことで、調達金利も変わってくるのです。私が勝手な意見を表明したところで、日本の国債調達の金利が変わることはありません。
ところが、私が就職活動について調べていたところ、聞いたことが無い評価サイトを見つけました。
(就活アワード)
http://shukatsu-award.com/
就活アワードの目的とは以下の通りだそうです。
『就職活動において、「いい企業」の定義とは何でしょうか?一言で「いい企業」と言っても、人によってその定義は異なります。そこで就活アワードでは「成長性の高い企業」「働きがいのある企業」「働きやすい企業」「社員満足度の高い企業」の4部門を設け、就活生一人ひとりが求めている「いい企業」を探せる場所をウェブ上で提供することを目指します。企業情報と経営陣・社員の面談をもとに企業を審査し、合格企業を就活アワード受賞企業として就活アワードウェブサイトに公開します。就活アワードを通じて、各受賞企業独自の強みや良さを発信し、就職活動における大きな判断基準となれるように活動しています。』
就活アワードの大まかな流れは下記URLに書いてありました。
http://shukatsu-award.com/about_us/index.html
(申し込み)→(書類審査)&(社員面談/経営陣面談)
→(評価・選考)→(結果発表)
どうやら企業側の申し込みからスタートするようで、社員面談/経営陣面談もするそうです。その結果、選ばれたのが下記の企業たちとのこと。
(受賞企業一覧)
http://shukatsu-award.com/enterprise/index.php
中小企業がラインアップされています。大手企業は含まれていないのは、このアワードの仕組みを利用しようと考える会社に大企業は含まれず、社長や採用担当の裁量が大きい中小企業だからこそ、こういったサービスを利用しようと考えるのでしょう。
ちなみに、このアワードは2年前からやっているようです。
http://2012.shukatsu-award.com/
http://2012.shukatsu-award.com/2011/
過去2年の方は勝手に大企業を表彰&ちゃっかり運営会社自身の本業も表彰しちゃっているだけの「誰得」評価でした。本当にどうしようもないアワードだなぁと思っていたのですが、2013年版は世の中に埋もれている中小企業の発掘という点で意味があるかもしれません。
posted by 吉澤準特 at 00:03
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