自分では頑張っているつもりなのに、周りからの評価が低い人がいます。
よくあるケースなのは、当人が「良かれ」と思ってやっていることが、相手にとっては「ピントのずれた」期待と異なる行動であったというもの。この場合の「期待と異なる」という表現は、相手が抱いていた期待を下回っているという意味です。当然ながら、相手からはネガティブな評価をもらってしまいます
こうした残念な行動は、新人社員であるほど傾向が高まりますが、社会人歴10年を超えるベテラン社員であっても少なからずいるものです。たとえば、以下はその典型例です。
新人社員:Xさん
「昨日、先輩に頼まれた資料は・・・よし、このファイルを印刷して一通り揃ったぞ。あとはクリップで束ねて、と」
先輩
「おーい、Xさん。頼んでおいた資料、見つかった?」
新人社員:Xさん
「はい、これでいいんですよね。ファイルサーバ内に点在していたので、集めるのに苦労しましたよ」
先輩
「そうか、それは手間をかけたね。わざわざ全部プリントアウトしてくれたんだ。見やすくて助かるよ。」
新人社員:Xさん
「お役にたてて何よりです」
先輩
「じゃあ、電子ファイルのありかを教えてくれるかな。報告書用に加工したいんだけど、大量にあるから、メールじゃ受け取れないしな」
新人社員:Xさん
「そうです、かなりのファイル量です。だから印刷して渡したんですよ。でも手元に保存してないので・・・」
先輩
「あ、そう・・・仕方ないな、もう一度集めてね」
新人社員のXさんは先輩からの指示を忠実に守り、頼まれた大量の資料を集めました。それに、読みやすいように、電子ファイルの資料を印刷して、クリップで束ねておくという気配りもみせたつもりでした。
ですが、先輩は、報告用に加工するためのインプットとして電子ファイルを受け取りたかったのです。ボリュームが多いなら、ファイルサーバに受け渡し用のフォルダを作成して、そこにファイルを格納しておく、くらいのことはしてほしかったと考えていました。
これでは先輩からXさんへの評価が高くなるわけがありません。Xさんの努力は報われないというわけです。
一方で、社会人歴10年を超えるベテラン社員にもこうした類の話はあります。
ベテラン社員のZさん
「昨日お願いした課題分析の報告書、どんな感じかな」
部下
「ええっと、まだ作業に入って間もないので、課題の分類をしているところです」
ベテラン社員のZさん
「そうか、それで課題はどうやって分類するつもりなの?」
部下
「業務単位で区切った方がわかりやすいと考え、その単位で分類を進めています」
ベテラン社員のZさん
「ふーん、私ならシステム単位に整理するけどな」
部下
「えっ、その方がいいですか?じゃあ、そうします」
ベテラン社員のZさん
「それがいいよ。それから報告書の構成は、業務フローに沿って順番に説明する形の方がいいと思うよ」
部下
「わかりました、そのようにします」
ベテラン社員のZさん
「そうだ、システムの概要説明も用意したほうがいいね。あと、課題の書き方は・・・」
部下
「・・・・・・(任された仕事のはずなのに、細かく指図されたら萎えるよ。だったら最初から自分でやればいいのに!)」
ベテラン社員のZさんは部下の報告書作成状況を早めに確認し、部下のやり方に対する改善点を指摘しました。経験ある自分の立場から見て、やった方が良いと思われることは全てフィードバックしたので、部下の仕事に貢献できたと自信満々です。
しかし、部下にとっては、自分のやり方をことごとく遮ってくる、小うるさい上司に映ります。もう少し自分で考えて作業を進めてから、レビューしてほしかったと思っていますし、細部にまでやり方を指示するのではなく、自身のやり方を尊重したアドバイスがほしかったと不満を抱きます。
こうした「頑張っているけど評価されない、報われない人」の存在を許す懐の広い企業は日本国内にたくさんあります。しかし、組織の本音は、「報われない人材ではなく、成長して人財となってほしい」です。
私の所属する外資系のコンサルティングファームでは、報われない人であり続けることは許されません。だからこそ、報われるための仕事のやり方を、研修・OJTを通して、徹底して教え込まれます。
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