以前、「プログラマのセリフをジブリっぽく言ってみた」というエントリーで、Twitter上で拡散していた名言(迷言?)をご紹介しました。
「40秒でビルドしなっ!」、「なんでプログラマはすぐに辞めてしまうん?」など、言い得て妙なものがたくさんありましたが、「そういえばIT業界全般という括りではまだ作られていない」と思い当りまして、作ってみたら面白そうだとの思い付きで、ちょっと作ってみました。
○バッチが落ちたのにオンラインだけ生きてるのは滑稽だわ
→ラピュタのシータが発した一言。国が滅びて王が生きているのは滑稽かもしれませんが、オンラインだけでも死守することには意味があるんです。だって、オンラインが落ちたらSLA違反でペナルティが発生しますからね。大丈夫、バッチが落ちてるなんて、まだユーザーは気づいていません。今のうちに復旧させましょう。
○そうやってベンダーがどこかで工夫して利益を確保しているのをユーザーたちが知らないだけよ!ベンダーはそう簡単に赤字になったりしないわ!
→アリエッティから渾身の告発です。「値引きしすぎて大赤字です」なんてベンダー営業の言葉は鵜呑みにしてはいけません。上乗せしすぎた利益が削れただけですし、システム稼働後の保守費用でしっかり取り戻してきますから、ご心配なく。
○我が成果物を引き継ぐ保守SEは更におぞましきものを見るだろう
→ナウシカに登場するクシャナ姫が虫に食われた腕を見せたときの一言。どうやらこのクシャナ姫はバグだらけのソースコードを保守SEへ丸投げする模様です。バグだらけのコードを作ったのはあなたの責任ですからね。お願いだからちゃんとデバッグしてからリリースして下さい。
○一度あったバグは忘れないものさ、再現できないだけで」
→千と千尋の神隠しから、湯婆婆の双子である銭婆の一言。それって再現性のないバグですよね。ユーザーにしてみれば、原因不明のバグを無視することはできません。「再現性が無いのでクローズしましょう」なんて言い訳を許さないモンスターユーザーに遭遇したら、ご愁傷さまでした。
○ベテラン営業の俺ですら、久しく錆び付いてたマクロの腕が疼いてくらぁ
→ナウシカに出てくるクシャナ姫の側近、クワトロの言葉。巨神兵を見て野心を疼かせるのが軍人魂なら、35歳限界説で営業に転身した往年のSEが、あまりにイケてない巨大なExcelシートを見て、思わずマクロを組みたくなるのも自然なことですよね。好きで転身した訳じゃないってことですよ。
○前は何も考えなくても、動いたの
→魔女の宅急便でスランプに陥るキキの一言から。この人はきっとフローチャートとか作らないで、フィーリングでコーディングできちゃうタイプなんでしょうね。でも、それって設計書全否定のスタイルですよ。J-SOXが普及した現在では、IT統制の名のもとに罰せられてしまいます。そういうのは、もう少し個人的なWebサービスとかでお願いします。
あの子を解き放て!あの子は新人だぞ!
→もののけ姫のアシタカの言葉。心優しきあなたにとって、新人をデスマーチに付き合わせるのは心苦しいかもしれませんが、いずれどこかのジョブで労基法グレーゾーンのレベルで働かされるのです。だったら、今のうちからこの炎上ジョブにアサインしてもいいですよね?
保守期限が来たからリプレースするというなら、君らの頭こそリプレースしろ!
→コクリコ坂にて風間俊のカルチェラタン取り壊し反対演説から。オープン系のサーバは5年でリプレースが当たり前だと強いてくるHWベンダーは多いですが、ユーザー側も同じことを考えていると思ったら大間違いです。償却が終わってからどれだけしゃぶりつくせるかがポイントなんですよ。イッツ、ジャパニーズ・ウェイ!
ベンダーならば堂々と自分の見積りを述べよ!
→コクリコ坂から。学生は自分の心情を堂々と述べる自由がありますけど、ベンダーには見積りを堂々と示す自由なんてどこにもないのです。だって、出した見積りに対して、絶対値引き交渉してくるじゃないですか。だから最初にバッファを積んで、ネゴシエーションせざるを得ないんですって。
初めから完璧なんて期待してはいけない
→耳をすませばに登場する聖司君のおじいさんの一言。そうですよね、初めから完璧なシステムなんてある訳がない。だから、バグ密度が予定より多くても、システムテストが終わろうとしているのに一向に収束していなかったり、カットオーバー直後の夜間バッチが異常終了しても、それは許されるべきですよね?
いかがでしょう。私の過去のつらい経験をベースに、思いつくまま書き綴ったら、思いのほかスラスラと書けてしまいましたが、それなりに共感できるフレーズがあったのではないでしょうか。皆さんも思いついた迷言があれば、コメント下さい。
posted by 吉澤準特 at 22:55
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