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『外資系企業に住む住人の視点からIT業界の出来事を伝えます。』

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図解作成の基本
本書は「資料」ではなく「図解」の作成に特化しています。図解は、論理的にわかりやすい内容、感覚的に心地よい見た目が好まれます。図形のカタチ(フォーム)と配置(ポジション)で生み出される「要素のバランス」、色の使い分け(カラー)によって醸し出される「コンテンツの強弱」です。それらを「図解キューブ」というモデルで表し、その実践例をチャートとグラフの「図解パターン」として体系的・網羅的に整理しました。これらを「エグゼクティブ図解術」と私は呼んでいます。本書を図解作成のハンドブックとして、ぜひ使ってみてください。


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2014年01月13日

自己満足でカタカナ語を振りかざす人々が多いIT業界
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先日、gooランキングで「日本語で言ってくれればわかるのに・・・と思うカタカナ語ランキング」というものが公開されました。1位から45位までのランクインした用語を見ると、その殆どがIT業界で日常的に使われていることに気付くことでしょう。

※以下リンクに全ランキングの抜粋と参照元を示しています。
http://it-ura.seesaa.net/article/385058437.html


たとえば、1位から10位までは次の通りです。

1位 アジェンダ :実施すべき計画、協議事項、議事日程
2位 オーソライズ :公認
3位 オルタナティブ :代替、二者択一
4位 エビデンス :証拠
5位 バジェット :予算
6位 パラダイム :考え方、規範
7位 マイルストーン :各作業工程の節目、里程標、画期的な出来事
8位 スキーム :枠組みを伴った計画
9位 バッファ :余裕、緩衝材
10位 コンテクスト :文脈

このうち、私がこの1年間でITベンダーやユーザー企業のIT部門の人とやりとりで見聞きした用語は、なんと10/10の100%!でも、これは一般的なビジネスパーソンにとっては、「日本語で言ってくれた方が分かりやすい」というレベルだと考えられます。

横文字が気になる人にとっては、「本日のアジェンダは・・・」ではなく「本日の議題は・・・」と口にした方が当り障りのない言い方でしょう。「予算が認められた」ではなく「バジェットがオーソライズされた」と言われたら、何を気取った言い方をしているんだ、と顔をしかめられてしまいます。

エビデンスという言葉は法律用語でも使われますが、ITの世界では検証結果という意味で使われることが多いですね「テストのエビデンスを出してください」と初めて言われてときには、私も「日本語で言えよ!」と心の中で思わずつぶやきました。

パラダイムという言葉は、一般社会ではパラダイムシフト(価値観の変化)という表現以外で見たことがありませんが、IT業界では、外資系ベンダーの英語資料直訳資料でときどき目にします。文字数がもったいないので日本語で書いてほしいです。

マイルストーン、スキーム、バッファのあたりは、システム開発におけるプロジェクト管理でよく使われていますね。「現在の進捗はマイルストーンに対してオンスケですが、今からスキームを変えるとバッファが足りません」みたいな言いっぷりをPMOの人たちがしゃべったりします。

コンテクストという表現もIT業界の人は大好きですが、スーツ系(営業・管理側)が「文脈」という意味で使うのに対して、ギーク系(エンジニア側)はITシステムの設定値という意味で使う機会が多いですね。


このように、IT業界は横文字が多い世界です。

最新技術の多くは英語圏からもたらされるため、接する情報は他業界の人よりも英語表現のものが多くなります。外資系ベンダーならば、日本支社のメンバーはグローバルオフィスのメンバーとの情報連携で、英語のカタカナ直訳表現の方が資料作成の手間が軽減されるという事情もあります。

こうしたことが技術情報の範疇を超えて、一般的なビジネス用語にも影響を及ぼしているのでしょう。前述の全45位ランキングの中で、じつに40以上のカタカナ語が私の周囲でも日常的に飛び交っています。


とはいえ、こうしたカタカナ語漬けの環境に麻痺した結果、わけのわからない文章を作ってしまうのもIT業界の特徴のように思えます。たとえば、次の文章を読んでみてください。

『データ統合のニーズが単発のプロジェクトから組織の成功を左右するビジネスイニシアチブに成長するときには、信頼できるエンタープライズクラスのプラットフォームが必要になります。業界をリードする世界中の企業は、PowerCenter Enterpriseを活用して生データを実用的な情報に変換し、ミッションクリティカルなデータ処理を日常のビジネス活動に統合しています。』

(Informatica エンタープライズデータ統合製品の説明より抜粋)
http://www.informatica.com/jp/products/enterprise-data-integration/powercenter/

いかがでしょう。意味、分かりますか?
100人が読んだら99人は「???」と首を傾げるのではないでしょうか。

この文章の中で登場するカタカナ語の多くはカタカナ表記にする意味がありませんし、むしろ理解を難しくしています。むしろ、次のように表現を置き換えた方が自然に理解できます。

・ニーズ
→必要性
・ビジネスイニシアチブ
→全社的な取り組み
・エンタープライズクラス
→企業向け
・プラットフォーム
→業務基盤
・ミッションクリティカルな
→基幹業務相当の
・ビジネス活動
→業務

※元の文章が不自然なので、
残念ながらこれでもかなり分かりにくいままですね。


ということで話を最初に戻しますと、ITベンダーやIT部門の人たちは、自分たち以外の人と話をするときに、カタカナ語にしなくても意味が通じる言葉は日本語に置き換えましょう、という結論になります。

相手が嫌がる言葉づかいを避けるのは人として当たり前。単なる自己満足でカタカナ語を振りかざさないようにしましょう。

posted by 吉澤準特 at 15:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 業界裏話

日本語で言ってくれればわかるのに・・・と思うカタカナ語ランキング
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先週、gooランキングで「日本語で言ってくれればわかるのに・・・と思うカタカナ語ランキング」というものが公開されました。有効回答数はおよそ1000名。本家サイトからサマリ(これもカタカナですね、17位にランクイン)しておきます。

1位 アジェンダ :実施すべき計画、協議事項、議事日程
2位 オーソライズ :公認
3位 オルタナティブ :代替、二者択一
4位 エビデンス :証拠
5位 バジェット :予算
6位 パラダイム :考え方、規範
7位 マイルストーン :各作業工程の節目、里程標、画期的な出来事
8位 スキーム :枠組みを伴った計画
9位 バッファ :余裕、緩衝材
10位 コンテクスト :文脈
11位 ガバナンス :統治
12位 インセンティブ :〔人の行動を〕駆り立てるもの、やる気を起こさせるもの
13位 コンセンサス :合意
14位 ペンディング :保留、未解決の
15位 イニシアチブ :主導権
16位 ドラスティック :過激、徹底的
17位 サマリー :要約
18位 ギミック :仕掛け、特殊効果
19位 アグリー :同意、賛同
20位 コミット/コミットメント :約束する、関与、委任、公約
21位 ベネフィット :利益、便益
22位 カンファレンス :会議
23位 プライオリティー :優先度、優先順位
24位 マジョリティー :多数派
25位 ブラッシュアップ :磨き上げる
26位 ファクト :事実
26位 フィーチャー :特集、特徴づける
28位 クリティカル :重大な、危機的/批判的
29位 リソース :資源、財源、供給源
30位 セクター :部門
30位 レジュメ :要旨、要約資料/履歴書
32位 コンプライアンス :法令遵守
33位 ウォレット :財布
34位 デフォルト :債務不履行、初期設定
35位 アラート :警告、警告する、警報
36位 ロジック :論理
37位 ルーチン/ルーチンワーク :日常業務、決まりきった手順
38位 マイノリティー :少数派
39位 ネグレクト :無視、育児放棄
40位 レスポンス :反応
41位 アグレッシブ :積極的、攻撃的
42位 コンスタント :一定
43位 バイタリティー :活力
44位 ポテンシャル :潜在能力
45位 マニフェスト :公約、政策宣言

日本語で言ってくれれば意味がわかるのに・・・と思うカタカナ語ランキング抜粋
(http://ranking.goo.ne.jp/ranking/014/qruwAN7dYrde/)

posted by 吉澤準特 at 14:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 注目記事





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