2016年が始まってから1か月が過ぎ、あと2ヶ月もすれば新入社員がみなさんの会社にも入ってくることでしょう。
学生生活を終えて初めて社会人となる人は数十万人を数えます。転職者であっても、前職がIT業界とは異なる人だってたくさんいます。そうした人たちにはIT業界の常識はまだ通じません。
多くのフレッシュマンがIT業界特有のカルチャーに戸惑い、悩むことでしょう。そんな彼らに向けた応援メッセージをTwitterで見つけてしまったので、いくつか紹介しておこうと思います。
ハッシュタグは「#IT業界の新人君に毎年アドバイスすること」というド直球なネーミングです。※タグ名が長すぎて言いたいことが入り切らないものも・・・
https://twitter.com/search?q=%23IT%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%96%B0%E4%BA%BA%E5%90%9B%E3%81%AB%E6%AF%8E%E5%B9%B4%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8&src=tyah
『ググッて一番上にヒットしたからといって決して「ナントカ知恵袋」「教えてナントカ」は信じるな!!』
『先輩の助言は疑うべし。もちろんこの助言も』
→困ったことを調べて最初に出てくるのが知恵袋系のサイトってよくあります。多くの教えて系サイトは投稿データが共有されているので、同じ質問がいろんなところのサイトから引っかかるのが分かりづらいですね。そして、並んでいる回答も「オレはちょっとだけお前よりも知っている」くらいの人によるものが多く、その助言に従った結果、「生兵法は大怪我の基」という格言を思い知る経験を存分に味わえると思います。今なら「Teratail」が絶賛好評中ですが、ITに特化している分、まだ回答の質は高め。
ちなみに、会社の先輩の助言であっても、あなたよりたかだか1年しか経験を積んでいない人程度なら、知識に漏れがたくさんあるから、鵜呑みにはしない方がいいですよ。
『とりあえず英語の読解はできるようになっとけ…』
『TOEICスコアも割とどうでもいい』
→文献は基本的に英語で書かれているものがオリジナルですし、英語ベースのQAやFAQが多いので、高校卒業レベルの英語読解力と単語力が必要です。でも、テクニカルサポートの人とメールでやりとりするくらいなら、中学英語とIT用語だけで十分。だって、電話の先はフィリピンかインド。ブロークンイングリッシュでも全然平気です。
『月に休み1日しかとれないとこはとっとと辞めていいよ』
→初めて入った会社がこういう組織だと、それが世の中の常識なんだと思ってしまう人もいます。まさに生まれた直後のヒヨコ。しかし、ひよっこであっても、月1の休みしか取れないことが異常であることは感じ取ってもらいたい。
ちなみに、週休2日を謳っているIT企業の中には、年末年始やお盆も同じ条件(土日以外は出社)だとしているところもありますし、年末年始は必ず出社というインフラ系プロジェクトもあります。これ、マメな。
『要望に対して「できないこと・難しいこと・時間のかかること」は早めに言おう』
『どれくらいで出来るか聞かれたら、予想より1.5倍ぐらい多めに言っておけ』
『残業、休出前提で仕事しないこと。定時で帰ること』
『CCにも「無関係ではない誰か」を入れて証拠保全は万全にしておけ!』
→なんでも安請け合いされて、納期直前で「間に合いません」が一番最悪なパターンですね。システムは個々の機能が組み合わさって成り立っていますから、一部機能が間に合わないだけで影響甚大。予定通りに進まないことが分かった時点で先輩や上司に相談してください。そもそも、残業前提で予定は組まない方が身のためです。ときどき新人の工数をベテラン級でカウントするあくどいプロジェクトがありますが、そのときはみんなでデスマーチを満喫しましょう。
それから、報告・連絡・相談する時には証拠を残すために、メールのCCに誰かを必ず入れておきましょう。さもないと、相談自体をもみ消されることがあります。
『何で教えられて無えのに勝手に作業するんだよ!!』
『常駐先で起こしたミスで、翌日に常駐先から全員消えて自社滅亡へのカウントダウンが始まる可能性がある』
→良かれと思ってやったことが、実は大間違いだったということがITの世界ではよくあります。それがセキュリティホールやバグの温床となってしまったら、取り返しがつきません。公共系や金融系のシステム開発では、これが発覚したら社会的ペナルティを課されることもあります。
でも、それ以外の業界だと、「そんなことも聞かないとわかんないの?」と言ってくる人もいるんですよね。特にWeb業界ね。
『客先で起きた不具合はだいたい開発環境では再現しない』
→クライアントの環境が特異過ぎて、自社の開発環境では再現できないことがよくあります。なにせ、クライアント内のネットワークであっても、開発環境と本番環境で構成が異なるケースは当たり前なのですから、そりゃ仕方ないです。頑張ってログから再現条件を見つけるしかありません。
バグが再現するまで調査を繰り返し要求してくる几帳面なクライアントもいますが、どうしても再現しない&それでも納得してくれない場合には、適当に理由をでっちあげてしまう人もいます。まあ1年以上も継続調査してるのに再現しないんだから、そうしたくなる気持ちも分かりますけどね。
『トイレは寝てるかスマホ見てるやつがいて空いてない事が多い。これやってからトイレ行こうじゃなくて、早めに行け』
『お昼休みは昼寝の時間なので起こさないでください』
→システム開発の現場に行くと、トイレの個室が埋まっている率に驚くと思います。みんなそれだけ余裕のない生活をしているんですよね。えっ、単に夜更かしで録画した海外ドラマや深夜アニメを見ているから寝不足になっているだけですか?それともネトゲ?そんなに眠いなら昼寝をすればいいのに…ということで、健全なベンダーでは昼休みに寝ています。
『青い銀行の案件には関わるな』
→これが何のことを指しているのか分かるくらいなったら、あなたもIT業界の一員ですよ。
大学卒業を控えた若きIT業界人の皆さん、先人の教えを是非参考にし、彼らの屍を越えて新しい歴史を築き上げてください。
posted by 吉澤準特 at 23:42
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