他の産業とくらべて、IT業界の変化の速さは日進月歩というか秒進分歩であり、振り返ってみるとその変化の大きさに驚かされます。
2000年のSDカードは128MBのものがありましたが、2010年には128GB(1000倍)のサイズに進化し、現在は512GBの容量に達しています。通信速度も、2001年にはFOMAの登場で第三世代携帯の384Kbpsでしたが、2011年には2Mbps(50倍以上)にまで高速化し、今ではLTE回線で100Mbpsに達します。17年で250倍以上になりました。
そんなことを思っていた折、ふと見つけたこのページ。
2007年にgoo編集部が制作した「10年後の生活を未来予想」したものです。
『未来を創造 10年後の生活ってこんな感じ?』
http://special.goo.ne.jp/10th/future/
衝撃を受けてしまいました。
10年前って未来をこんなふうに考えていたのか、と。
■娯楽
2007年時点では、裸眼でも見える立体映像投影システムが実現すると予想しています。
2017年時点では、簡単な映像ならホログラムとして空間投影できるレベルになっています。平面ディスプレイに工夫を加えて立体視できる技術も成熟してきました。
https://www.si-po.jp/post/column/25160.html
■仕事
2007年時点では、「ユビキタスネットワーク」でどこでも仕事ができるようになっている上、ウェアラブルコンピューターの進化でメガネタイプの映像デバイスも一般化していると予想します。
2017年時点では、WiFiとLTE/4F/3G回線のシームレスな連携で常時ネットワークにつながっている感覚を得られています。都市圏なら常時動画再生していても気にならないほどです。ヘッドマウントディスプレイも徐々に裾野が広がり、ゲーム領域でプレイステーションVRがこの領域を加速させている感じもします。
http://www.jp.playstation.com/psvr/
ただ、残念ながらサイバーセキュリティリスクの増大に伴い、自由なネットワークアクセスを禁じる動きも出てきています。未来予想に近づいた人と遠ざかった人に二極化するのでしょうね。
■コミュニケーション
2007年時点では、リアルタイムで音声翻訳してくれるサービスが実現すると予想します。
2017年時点では、なんと実現してしまいました。つい先日、マイクロソフトが発表したSkypeリアルタイム翻訳では、日本語、アラビア語、中国語(北京語)、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語の10言語が対象になっています。
アメリカ人相手に日本語でしゃべると、相手の画面下部に英訳された文字と音声読み上げが流れ、それを見聞きして相手にしゃべりかけることができます。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/07/news112.html
なんと、かなりの精度で未来予想が実現してます。goo編集部が作ったこのページ、実は私は当時リアルタイムで見ていましたが、そのときはここまで実現するのにもっと時間がかかるのではないかと思っていたので、この結果は意外でした。
この先にどう進歩するのか、様々なところから未来予想が発表されていますが、国(経済産業省)がまとめている「技術マップ」は全領域にわたって示唆に富んだ予測をしているので、参考になると思います。
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/1507map.pdf
少なくともコミュニケーション分野では、メガネ型のウェアラブルデバイスにリアルタイムで翻訳内容が表示されるらしいですが、この技術の基礎レベルはすでにマイクロソフトが実現してしまったので、技術革新はもっと加速しそうです。
posted by 吉澤準特 at 01:04
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