プラシーボ効果という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
薬理作用のないものを投与する際、十分な効用があることを相手に信じ込ませた上で行うと、薬理効果が発揮されるというものです。普段はあまり意識しませんが、システム開発に携わっているとこのプラシーボ効果を思い出すことがあります。
それは、プロジェクトが佳境を迎えたときのこと。この時期は精神的にも肉体的にも参っている人が続出する頃で、9時-5時(翌朝)の20時間勤務をする人も散見されます。このような時期、プロジェクトルームに必ずあるのが「栄養ドリンク」。メンバーの机の上に置いてあることもあれば、冷蔵庫にケースごと突っ込まれていたりと、もはや日常必需品としての地位を確立しており、水の代わりに飲む者もいるくらい、この時期は栄養ドリンクに依存した生活が送られています。
栄養ドリンクに詳しい人はご存知だと思いますが、一口に栄養ドリンクと言っても、下は数百円から上は数千円を越えるものまで、多種多様なラインナップがあり、ユンケルなどは32種類も揃っているので、それぞれの違いを理解できないくらいです。
そこで多くの人は、一つの指標を使って栄養ドリンクの効能を評価しているのが現状です。その指標とは何か?
言うまでも無く、金額です。
確かに製薬会社のホームページにはそれぞれの効用や使い分け方が説明されているのですが、いざ栄養ドリンクを買おうというとき、そんな情報を確認する人は稀でしょう。ほとんどの人は、ぶらっと薬局やコンビニに出向き、その場で判断して購入に至っていると思います。(推測ベースで恐縮です)
しかも、栄養ドリンクを必要としているときというのは、大抵、頭の活動が鈍っているときですから、あまり複雑な判断はしたくありません。そこで端的な比較手段として使われるのが金額です。
栄養ドリンクは2000億円以上の市場がありますから、商品の数も非常に多く、ある効能を持つ栄養ドリンクを求めると、店員から複数紹介されます。
ですが、例えばレジ前で5種類提示されたとして、その効用をいちいち確認するというのはとても時間がかかります。後ろに並んでいるお客さんも気になるし、とりあえず即断するために商品の金額で決めよう、という人は多いです。そこで、高価なドリンクほど効能に優れているはずだ、という思い込みのもとで、財布と相談しながら購入を決断する訳です。
実際に、薬局でしばらく観察してみると、栄養ドリンクを求めるお客さんの多くは、同じ効能の栄養ドリンクを金額だけで判断していました。なかには、一番高いヤツをくれ、というストレートなお客さんも。
(ユンケルスターが4000円/50mlで最も高価です)
https://www.yunker.jp/lineup/p16/
さて、話を戻しますが、佳境を迎えるプロジェクトルームでは栄養ドリンクの差し入れがあります。このとき、栄養ドリンクの種類によって、メンバーのモチベーションにも違いが生まれるんですね。
例えば、最初は「ユンケル黄帝液」が差し入れられたとしましょう。2回目の差し入れで、今度は「ユンケルスーパー黄帝液」が差し入れられたとき、あなたならどのように感じるでしょうか。
「スーパー」という肩書きが追加されているのですから、さぞ1回目のノーマルな黄帝液より効果があるのだろうし、金額も高いに違いないと思いますよね。このプロジェクトのメンバーも同じように思い、1回目の差し入れのときよりも元気が出た気がすると述べていました。
しかし、実は、黄帝液もスーパー黄帝液も値段は同じなんです。効能もあまり変わりません。ですから、このときメンバーが感じていた効果は、プラシーボだったというわけです。もし栄養ドリンクを差し入れる機会があれば、今回と同じように2回に分けて試してみて下さい。きっと面白い反応を見ることができますよ。
ちなみにユンケルは40種類近いバリエーションを誇ります。以前TBSの番組で特集されたときには、以下の35種類が紹介されていました。
・ユンケル黄帝液 30mL(840円)
・ユンケル黄帝 L 30mL(840円)
・ユンケル黄帝-L 30mL(840円)
・ユンケル黄帝液40 40mL(1,020円)
・ユンケル黄帝D 50mL(1,575円)
・ユンケル黄帝液DCF 30mL(1,020円)
・ユンケル黄帝 L40 DCF 40mL(1,050円)
・ユンケル黄帝ゴールド 30mL(1,224円)
・ユンケル黄帝ロイヤル 50mL(2,039円)
・ユンケル黄帝ロイヤル2 50mL(2,100円)
・ユンケルロイヤル黄帝 50mL(2,100円)
・ユンケルスーパー黄帝液II 30mL(840円)
・スパークユンケル 50mL(286円)
・ヒューゴユンケル 50mL(387円)
・ユンケル1・6・12液 60mL(609円)
・ユンケルD 50mL(1,530円)
・ファンテユンケル 100mL(189円)
・ファンテユンケルゴールド 100mL(263円)
・ファンテユンケル3Bドリンク 100mL(158円)
・ファンテユンケルロイヤル 100mL(420円)
・ユンケルファンティ 50mL(3,150円)
・ユンケルファンティー 50mL(3,059円)
・ユンケルグランド 50mL(2,549円)
・ユンケルジュニア 50mL(307円)
・ユンケルローヤルA 100ml(315円)
・ユンケルローヤル・C2 30ml(510円)
・ユンケルローヤルD2 50ml(1,001円)
・ユンケルローヤルF 50ml(1,500円)
・ユンケルローヤルゴールド 50ml(800円)
・ユンケルローヤルV 30ml(630円)
・ユンケルローヤル100 100ml(200円)
・ユンケルローヤルチャージ 100mL(367円)
・ユンケルローヤルS 100mL(262円)
・ユンケル滋養液ゴールド 50ml(800円)
・ユンケルスター 50mL(4,078円)
【全35種類】
(転載:http://www.bh-sato.co.jp/campaign/biken/)
posted by 吉澤準特 at 12:20
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