日本は世界と比べてベンチャー気質やクリエイティビティを発揮する土壌が弱いと言われています。国民性がそうさせている部分はあると思いますが、そもそもクリエイティブな活動がどのようなマインドセットから生まれるか、学ぶ機会が与えられていないというのは大きいと感じています。
海外ではどのようなマインドセットが教育されているのか、それを「クリエイティブになる31の方法」として図解しました。あなた自身や周囲の方がクリエイターになる/あり続けるために必要となる、実践的な心構えをメニューマトリクスで整理しています。
「クリエイティブになる31の方法」の基本理念は、『考え続けて行動しないよりも、少しの考えだけですぐ実践してみる』ことです。IT業界でも「DevOps」「アジャイル」というコンセプトはこの理念が取り込まれています。
全体サマリーとそれぞれの方法を1枚ずつスライドにまとめた『クリエイティブになる31の方法<保存版>』をアップロードしてあるので、必要に応じて参照ください。
この図解はアンナ・ヴィタル氏のマトリクスを意訳したものです。オリジナルソースはこちらを参照ください。
以下、サマリー1枚の図解と31の方法の考え方を列挙します。

- 熟練していないことをやる
要領よくこなしている人は今に退屈している。
新しいことをはじめよううまくいかないとしてもそれであなたは成長できる。
アイザックアシモフは化学で博士号を取ったが、物理学にチャレンジしてフィクション作家で大成した。 - 新しいことをバカにしない
バカで非常識的だとはじめは思うかもしれません。クリエイティブなアイデアは最初にそう捉えられます。慣れましょう。バカにするようなアイデアこそクリエイティブの本質が秘められています。 - 図解する
もっともカンタンにクリエイティブを実現するなら、あなたのしていることを図解しましょう。対象を見えるようにすると、残りのやるべきことがわかります。あとはやり抜くだけ。 - 疑う前にやり始める
どんなにやる気になっても「これでいいのか?」どこかで疑念がつきまとう。でもグッドニュースもある。あなたはそれをすぐ始める機会があるんだ。だからすぐ始めよう。 - 好きなことを2つ混ぜる
好きなことを2つ思い浮かべよう。接点のなかった2つの好きをとりあえず混ぜてみる。それだけで何か気づきがある。P.P.A.Pもとりあえず混ぜたらできた。 - 思いつきを大事にする
思いつきはふわふわ浮かんでは消える。それをメモに書き留めたらどうなるだろう。最初はガラクタだと思って、でも後から、「いいかも」と気づくものが見つかる。思いつきは創造のタネ。 - 深く潜る
1つの考えから別の考えが導かれ、新たな気づきが次々に浮かんでくる。一見無関係に思えても、あとで紐づきに気づく。思索にはまとまった時間が必要。 - シンプルに考える
ワンセンテンスで表現しよう。それだけでいい。できないのであれば、対象の理解が足りていないと考えた方がいい。余計なものを削ぎ落すと本質がハッキリする。 - アイデアを借りる
じつはこの世の中に新しいアイデアなんて、もうほとんど存在しないんだ。そのかわり、新しい組み合わせならいくらでもある。すでにあるアイデアを借りてオリジナルの組み合わせを見つけよう。 - どんどんつなげる
脳神経はつながるほどあたまの働きが活発になり、たくさんのことを覚えられる。 物理的に脳神経をくっつけることはできないけど、モノゴトを紐づけて捉えると脳神経のつながりもどんどん増えていく。 - 恐怖に向かい合う
恐怖はあなたを助けない。怖がる理由があるのならそれに向き合おう。そのときの葛藤・感情をクリエイティブに結びつけ、前に進むエネルギーにしよう。 - どん欲であれ
スティーブジョブズは言った。どん欲さを持つ人に失うものはない。失うことを気にするな。クリエイティブになる以上により良い生き方があろうか。Stay Hungry. - 勇敢であれ
クリエイティブなものは一部の人の気持ちをいつだって苛立たせる。真に新しいことは賛否を巻き起こすもの。批判を恐れるな立ち向かう勇気を持て。 - 使えるものは使え
何かを始めるとき、講義や本の勉強から入る。そんな必要はない。今の知識と環境でまずやる。ダメなものができあがったら、それを改善していけばよい 上達したらやろう、ではいつまでも始まらない。 - 完璧よりも早くやること
すぐやろう。完璧主義ではいつまでたっても始まらない。100%は目指さない。80%でなくてもいい。すぐやって40%、そこから反復して60%。スピードに価値がある。 - 創造的に破壊する
なにかを加えることだけが創造ではない。その逆もまた創造といえる。今のルールに従い続ける必要はない。あなたを縛る枠を取っ払おう。制約や規制を壊したら、そこから新しいことが始まる。 - 間違えてよい
アインシュタインだって大きな間違いを堂々と発表していた。 誰だって間違える。間違えることを恐れるな。あなたの行動を感謝している誰かが必ずいる。 - 時間が過ぎても何も起きない
よいタイミングが来るまで待っていようか? いいや、そんなタイミングはいつまでたっても来ない。時間はコントロールできない。コントロールできるのはいつ始めるか、それだけだから今はじめよう。 - ×なぜやるの?○なぜやらないの?
やらないことが当たり前そうではなく、やることが当たり前。やるのに躊躇しているなら「やらない理由なんてある?」と自分に問いかけよう。気持ちを後押ししてくれる。 - 一緒にやる
「こんなことをやりたい」今、この時点で、同じことを考えている人がどこかにきっといる。今やろうとしていることをもう誰かが始めているかも。一緒にやれば時間も短縮、効果も倍増。仲間と一緒にやってみよう。 - アイデアをぐっと伸ばす
そのアイデア、ほかの方向に伸びない? 考えてもみなかった方向へ歩み続けるのは大変だけど、新しい可能性に近づける。家電メーカーが家を作る時代、アイデアをストレッチしよう。 - 誰かのためにやる
あなたの作るものはだれかに使ってもらうため。 彼らのために図解しよう。 - 使わなければ役に立たない
どんなに知識を抱えていても使わなければ意味がない。実は役に立たないということもある。 どんどん試して、役に立たない知識を捨てていこう。 - 遅いよりも早い方がいい
「考える前に動け」 子どものころに習ったことと正反対ではあるけれど、考えてもクリエイティブは生まれない。 クリエイティブとは行動することだ。 - 誰かのゴミはあなたの宝
クリエイティブはささいなことから着想する。 他の人にとっては取るに足らないことでも、あなたの発想力を鍛えるよい材料になるだろう。 - やる気をなくす前にやり切れ
アイデアをあきらめる前になんでもいいからモノを作って公開しよう。 ゴッホの作品は彼の死後に評価されたが、作品がなければ評価されることはなかった。 - ヒントは目の前にある
クリエイティブのタネはまわりの人から見るとあたりまえのものに思える。 だけど、対象に近すぎるとそれが見えなくなる。 落ち着いて見回してみよう。ヒントはすでにある。 - なんでもできると考えよう
今できないことも将来はできるようになるかも。「できない」と自分の思考を止めてはダメ。 修造のように、「できる、できる、できる」と想うことで物事は好転する。 - 試すのではなくすぐやる
「やってみる、ではない」「やるのだ」「試しなどいらない」 マスターヨーダはそう言った。 まず行動してみよう。 - やりつづけよ
クリエイターにやめるという選択肢はない。 あなた以外の誰があなたのためにそれをやるか。クリエイティブを人に委ねるな。 Keep Going! - 最悪でも死なない
周囲からの批判にさらされることもある。そこで屈してはいけない。 いくら批判されてもあなたが死ぬわけではない。 恐れることはない。クリエイティブであれ。 
クリエイターの数が増えて豊かなアイデアがあふれるだけでなく、それを受け入れる土壌が周囲の人々にも培われることで、価値創造が適切に評価される社会に近づきます。このエントリーがその一助になれば幸いです。
posted by 吉澤準特 at 00:03
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