2005年1月16日発行
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■■ IT業界の裏話 No.0107
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発刊総数:1972部 http://it-ura.seesaa.net/
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▼INDEX▼
■ ご挨拶
■ 業界裏話 :営業とSEは犬猿の仲?
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■ ご挨拶
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どうも、エンジニアAです。
今年に初めてのまともな?内容をお届けします。
色々と騒がれた楽天はまだ事態は沈静化しそうにありませんが、
こればっかりかまけている事もできないので。
ちなみに私が楽天で買ったのは、「マッキンゼー流図解の技術」という
本ですが、すでに知っている内容ばかりだったので、ちょっと残念。
ただ、考え方が整理されているところはいいなと思いました。折を見て、
このメルマガにコーナーを設けて紹介していきます。
mixiをされている方、マイミク登録してくれると嬉しいです。
まだまだ募集しております。
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=283143
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■ 業界裏話 :営業とSEは犬猿の仲?
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営業部隊が仕事を取ってきて、それを開発部隊が引き継いでシステムを
作り、運用部隊が保守メンテナンスを行う。
1社で全て引き受けることもあれば、各工程でベンダーが異なることもあ
りますが、これがIT業界の基本的なサイクルです。
一見すると問題がなさそうに見えますが、大手のSIerになるほど、この
サイクルの落とし穴にはまっていることをご存知でしょうか?
先に述べたとおり、システム構築等の案件は営業部隊が取って来ます。
営業の経験がある方なら分かると思いますが、案件を獲得するというの
は非常に大変なことで、クライアントとは数ヶ月、場合によっては数年
越しのお付き合いの末、ようやく仕事がもらえるというのもざらに聞く
話です。
ですから、目の前で案件をぶら下げられると、どうしてもクライアント
の要望を聞くがままになりがちなのです。
そうするとどうなるか?
赤字確実な予算に無茶なスケジュールでも、営業担当は受けてしまうの
です。
もちろん、営業担当だって赤字になることはうすうす感づいています。
それでも仕事を取ってきてしまう理由はどこにあるのか?
彼らの主業務はあくまでも案件を獲得してくることであり、人事評価も
獲得した案件の売上で決まります。
そう、売上です、「利益」ではなく「売上」で決まるのです。
例えば、次の2パターンを比較してみましょうか。
・10億円のプロジェクトを取ってきて最終的に1億の黒字
・20億円のプロジェクトを取ってきて最終的に1億の赤字
さて、営業担当としては、どちらの案件を獲得したほうが人事評価が高
くなるでしょうか。
そうです、実は後者の方が評価されるのです。ですから、極端な話だと、
案件を持ってきたら、あとは開発部隊に丸投げして我関せずということ
もあります。
丸投げされたSEはたまったものではありませんよね。何せ、ここで出た
赤字は全て開発の責任にされてしまうのですから。
当然SEは、赤字が出ないような予算を営業に要求するわけですが、ここ
から先は社内政治の世界です。
営業の力が強いSIerなら、残念ながら赤字覚悟で開発に突入せざるを得
ず、数ヵ月後には死屍累々のプロジェクトができあがり。
大手SIerほどこの傾向は強いですね。社員数の多さ、担当業務の明確化、
売上に比重を置いたシステマチックな評価システムなど、さまざまな要
因が絡んだ結果でしょう。
これでは営業と開発の仲は悪くなるばかり。
さて、あなたならどうやって解決します?
これについて、NECや富士通は次のように考えました。
「営業とSEが分かれているからダメなんだ、一緒にしてしまえ」
これに基づき、富士通では2003年、NECは2004年に事業部再編を行って
います。
NECは継続的に組織改編を行っており、2005年の3月には次のようなプレ
スリリースを出していますね。
(以下NECプレスリリース 2005年3月)
http://www.nec.co.jp/press/ja/0503/1502.html
「NESソリューショングループビジネスユニット」と「業種ソリュー
ションビジネスユニット」の設置により、営業とSE(システムエン
ジニア)が連携して市場を開拓するとともに、「SIにおける生産革
新活動」にグループを挙げて取り組んでまいります。
最近では営業とSEの密な連携を重視するユーザ企業が増えています。
なかには、わざわざSIerへ赴き、営業とSEの職場環境をチェックする
企業もいるそうです。
IT業界の構造的欠陥を是正するため、あなたもできることからしていき
ましょう。
posted by 吉澤準特 at 23:31
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業界裏話
以前の会社では営業とシステム部は犬猿の仲でしたね。
理由は当記事の通り、営業が現場に配慮しない案件を度々獲ってきたからです。
そういう会社はダメですね。
今の会社は逆で、技術者がやりたい仕事になるべく近い案件を営業が紹介し、技術者に選ばせるという形です。
技術者も自分で選んだ案件なら責任転嫁はできないしモチベーションも維持しやすいので、いい感じです。
今やっている案件も遠からず、この話をすごく納得して拝見させていただきました。
特に新規の顧客のため、且つ何階層も上からの仕事のため、末端の開発部隊がツライ思いをして赤字を背負っています。
しかし、黙っている訳にもいきませんので、この案件がひと段落したら、反撃に出ようと思います。
要するに、ウチに頼まないと損するよ!!
と言ってやればよいのです。
頑張ります。
レスが遅れ大変失礼しました。
複数の選択肢から技術者自身に選ばせるというのはいいですね。
一つの選択肢しかないのに比べ、技術者自身に自発的な意欲や責任感を芽生えさせることができると思います。そういった状態に持ち込むのが営業のテクニックでもあるのでしょうね。
-なぎばさん-
こちらもレスが遅れまして大変失礼しました。
立場が変われば当然優先する利益も変わってきますよね。お話にある「何階層も上」というのが、苦労を一層増幅させているのだと推察します。