2006年2月16日発行
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■■ IT業界の裏話 No.0117
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発刊総数:2183部 http://it-ura.seesaa.net/
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▼INDEX▼
■ ご挨拶
■ 業界裏話 :サービスリリースの落とし穴
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■ ご挨拶
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どうも、エンジニアAです。
昨日は全国的に暖かい一日でしたね。
一方で、今日は冷え込む一日になりそうです。
寒暖の差が大きくなると風邪を引きやすくなるので、
体調管理には気をつけましょう。
そういえば、そろそろ花粉症対策を考えないと・・・・・
mixiをされている方、マイミク登録してくれると嬉しいです。
まだまだ募集しております。
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■ 業界裏話 :サービスリリースの落とし穴
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業務プロセスの改善検討をしていると、
「こんな機能があったらさらに仕事がやり易くなる」
という案がいくつも出てくるものです。ちょっとした検索情報の追加な
らすぐにでも実装できるだろう、そう考える業務担当者は多いです。
しかし、そう単純にいかないのがシステムの現場なのです。
ここに本番稼動しているシステムがあるとしましょう。
今度、新しい検索機能をリリースすることになりました。さて、どうい
う手順を踏んで、新機能を本番システムにリリースしますか?
おそらく、多くの人が「開発・検証環境でバグ対応やパフォーマンスの
向上を行ってから本番環境でリリースする」と答えるでしょう。
仰るとおり、それが正解だと思います。
それではさらに条件を追加してみましょう。
その新機能というのが、顧客の取引情報を検索するシステムで、取引情
報の総数が1億件を超えるとしたら、どうします?
この規模になると、データパターン、データボリューム共に膨大となり、
テストデータを自前で作るのは相当な時間を要します。
ですから、本番データを抜き出し、それを検証環境にインポートしてテ
ストを行うのが一番現実的でしょう。
ですが、データサイズが膨大なだけに、データを抽出するだけでも数時
間を要しますし、それを検証環境に展開すると、その数倍の時間が必要
になることもよくあるのです。
例えば、Oracleに取引情報が1億件あるとします。これをExportという
処理で外部にデータファイルとして書き出すには、数時間かかります。
ですが、これを別のOracleにImport(データを読み込ませる)すると、
なんと数十時間かかるのです!
これに加えて、顧客情報保護の観点を考えるなら、顧客データのいくつ
か(氏名、住所など)はマスキングする必要があるでしょう。
そうすると、
本番からデータ抽出 → データ加工 → 検証環境にデータ読込
という手順を踏まなければならず、さらに数時間の処理が発生します。
なんと、テストデータの準備だけで数日必要になるんですよ。
さらに、重要な点があります。
もしデータに追加する項目があるのなら、サービスリリースのタイミン
グでオリジナルのデータをバックアップしなければならないでしょう。
万一の場合、データを元に戻す必要がありますからね。
そうなると、バックアップを取得するだけで数時間が必要になり、さら
に、もしデータの復元作業が発生するなら、前述の通り、数十時間が必
要になるのです。
ということは、最悪の場合、業務が数日停止してしまうのです!
ほんのわずかな検索項目を追加しようとしたばかりに!!
誇張して書いていると思います?
いえいえ、これが現場の真実です。
まさに事件は現場で起こっているのです。
だから、システムリリースの担当者は胃をキリキリさせながら、ひたす
ら頑張っているんです。
企業システムが肥大化するにつれ、このような問題点は顕著になってき
たので、今では各社とも、処理の高速化/並列化を進め、リリース時の
作業時間短縮を実現しています。
ですが、そういった製品は高額であることをお忘れなく。
posted by 吉澤準特 at 03:03
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業界裏話