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『外資系企業に住む住人の視点からIT業界の出来事を伝えます。』

以前好評いただいた『資料作成の基本』から図解作成だけにテーマを絞って抽出した本が2018年6月23日に発売となります。 https://www.amazon.co.jp/dp/4799106511

図解作成の基本
本書は「資料」ではなく「図解」の作成に特化しています。図解は、論理的にわかりやすい内容、感覚的に心地よい見た目が好まれます。図形のカタチ(フォーム)と配置(ポジション)で生み出される「要素のバランス」、色の使い分け(カラー)によって醸し出される「コンテンツの強弱」です。それらを「図解キューブ」というモデルで表し、その実践例をチャートとグラフの「図解パターン」として体系的・網羅的に整理しました。これらを「エグゼクティブ図解術」と私は呼んでいます。本書を図解作成のハンドブックとして、ぜひ使ってみてください。


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2010年06月23日

富山の薬売りのデータベース
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ITベンダーのWebsiteには結構面白いエピソードなどが紹介されているのですが、誰にも気付かれないケースもしばしばあります。そんな不遇なもののひとつが、SAPジャパンの連載コラム「江戸の情報活用〜先達の知恵にBIを学ぶ〜」です。もったいないので紹介します。話のネタにどうぞ。

富山の薬売りのデータベース

『あらかじめ各家庭に薬箱を預けておき、次回訪問時に使った分だけ代金を受け取るという特徴的なビジネスモデルで知られる「富山の薬売り」。
実は彼らは高度な情報活用の使い手でもあったのです。その実態とは?薬商人が全国のお客の家に薬箱をあらかじめ無償で設置する「富山の薬売り」。半年か1年ごとに巡回して減っていた薬の分だけ代金を回収し、
新たな薬を補充していく、という伝統的な薬の設置販売のビジネスモデルです。「先用後利」なんていう言葉も知られていますね。

この富山の薬売り、そもそもは17世紀後半の江戸時代に財政難に苦しんでいた富山藩が、産業奨励のために売薬に力を入れたことから始まったもの。「いつも
必要ではないが、いざというときには直ぐに欲しい」という薬という商品の特性を見事に活かした商法でした。「柳行李(写真)」を担いで遠方まで行商ができ
たのも、商品が軽量で省スペース性に優れていたからです。初期の薬としては胃痛に効用があったとされる反魂丹(はんごんたん)という丸薬が有名です。



彼ら薬商人たちには、情報活用の先駆者といえる面がありました。客先に薬を預けて後で料金を回収する「掛け売り」を行うわけですから、薬商人たちは得意先
の名前や住所、置いていった薬や使われた薬の名前、数量、設置日、回収代金などを綿密に帳簿につけておくことが必要になります。「懸場帳」というその帳簿
を元に、商人たちは次の行商の計画を練りました。顧客一軒一軒の情報を集約したものが、彼ら独自のデータベースとなっていたのです。

江戸時代の富山の薬売りたちはこのデータベースを使って、どの地域ではどの薬がどのくらい必要とされているかといった判断、今でいうマーケティング
リサーチを行っていました。需要量を的確に予測して、品切れを起こさず利益を最大化する、古くなった薬の廃棄ロスを少なくする。こうしたことを実現するの
に、富山の薬商人たちにとって情報活用は不可欠だったのです。まさにその手法はBIの本質そのものです。

ちなみに商人の間では「懸場帳」そのものも高い値段で取引され、商人が引退する際には退職金代わりになったとさえいわれます。いかに富山の薬売りたちが情
報を重要視していたかが分かるエピソードです。

「富山の薬売り」には、BI以外にも、現代のビジネス手法に共通することが多々見受けられます。例えば、薬一式を最初にドンとまとめて販売
するのではなく、顧客が必要な薬を必要なだけ使って、その分だけ料金を払うのは、いわゆる「オンデマンド型」のビジネスモデルと一緒です。また、定期的に
顧客を訪問してきめ細かな対応をすることで長期的な信頼関係を築き上げ、商いを一度きりのものとせずに永続化するという手法は、顧客管理の「CRM」を想
起させます。』


SAP ジャパン - ビジネスインテリジェンスによる成功の鍵がここに。




posted by 吉澤準特 at 12:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 注目記事

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