日本でSIerを手掛ける企業のうち、いわゆる国内メインフレーマーと呼ばれる富士通、NEC、日立はグループ企業数が多いことでも有名です。
基本的にはグループ内で連携しながら顧客にサービス提供をするのですが、これだけプレーヤーが増えてくると、様々な場面でグループ会社同士のかち合いが見られるようになります。
顧客側にとって一番問題になるのは、同じグループ会社にもかかわらず、まったく連携が取れていない提案がなされることでしょう。
グループ企業がアプリ領域とインフラ領域に別れて別の提案していたとしても、アプリの制約に引きずられてミドルウェアの仕様が決まってしまうこともありますし、インフラ側でサーバ集約などを提案していくなら、上に乗っているアプリをどのように統合するかがポイントになるわけです。
こういった場面なら、通常はアカウント担当を顧客にアサインし、その人がグループ内企業のメンバーと連携して提案するのが一般的かと思いますが、たとえば富士通はそういった体制が整っていないため、顧客は各グループ会社の営業担当と個別に話をつけなければなりません。同じことを何度も話すことになり、顧客にとっては工数のムダになります。
また、富士通グループが力を入れ始めているクラウドセンターの中核をなす館林データセンターはビジネスレスポンスが遅いことで有名であり、せっかくフロントの営業がクラウド関連の案件を持ってきても、クラウド化の適合性チェックでリードタイムが半年も掛かるといったことも起きており、顧客の苛立を助長させていたりします。
同じような話は日立でもありますね。
日立はグループ企業のフットワークは軽くて良いのですが、肝心の日立製作所本体の動きが鈍く、富士通の館林データセンターのように、ビジネスレスポンスが遅くて他の足をひっぱることがよくあります。
ですから、フロント企業、たとえば日立コンサルティング(旧エクサージュ)などはできるだけ日立製作所本体の支援を受けないやり方、例えばハードウェアやソフトウェアソリューションには他社製を用いる、などの方法で問題を回避しようとしたりします。
参考までに、富士通、日立、NECだけでどれくらいのIT系グループ会社があるかを列挙しておきます。なお偏差値表記のソースは2ちゃんねるです。
65 富士通総研(経済研究所)
64 富士通研究所 富士通総研(コンサル)
62 富士通(SE)
57 富士通FIP
56 富士通システムソリューションズ(Fsol)
55 富士通エフサス(Fsas) 富士通テン PFU
54 富士通VLSI 富士通デバイス 富士通鹿児島インフォネット
53 富士通フロンテック 富士通アドバンストソリューションズ(Fasol)
52 富士通ゼネラル 富士通ビジネスシステム(FJB) 富士通ネットワークソリューションズ
51 富士通ビー・エス・シー 富士通ネットワークテクノロジーズ 富士通トラベランス
65 日立製作所
63 日立コンサルティング
61 日立ソフト
60 日立情報システムズ
59 日立SAS
58 日立電子サービス
65 NEC
63 NECエレクトロニク
60 NECソフト
59 NECネクサソリューションズ NEC情報システムズ
58 NECフィールディング NECインフロンティア NECモバイリング
57 NECネッツエスアイ NEC通信システム NECシステムテクノロジー
56 NECエンジニアリング
54 NEC東芝情報システム NECセミコンパッケージソリューションズ
53 NECファシリティーズ NECロジスティクス
51 NECメディアプロダクツ NECビューテクノロジー
49 NECリース NECライベックス 地域NECソフトウェア
posted by 吉澤準特 at 02:26
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業界裏話
連携は商談が決まってから行われるので当たり前ですよ。
顧客より組織内ルール(=コンプライアンス)遵守が大事です。