2005年2月23日発行
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■■ IT業界の裏話 No.0041
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発刊総数:901部 http://it-ura.seesaa.net/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼INDEX▼
■ ご挨拶
■ 本日の裏話 :外資系パッケージベンダー
● 裏話募集
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■ ご挨拶
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どうも、エンジニアAです。
1ヶ月ぶりの発行になります。本当に申し訳ないです。
何人かの方からは安否を気遣うメールも頂きました。この場を借りてお
礼を申し上げます。後ほど個別にお返事致します。
生活のペースも整ってきましたので、またメルマガを発行できるように
なりました。これからも宜しくお願い致します。
記事内容に対する、皆様からのフィードバックを受け付けております。
皆さんの忌憚のないご意見を遠慮なく書き込んで下さい。
コチラからどうぞ → http://it-ura.seesaa.net/
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■ 本日の裏話 :外資系パッケージベンダー
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皆さんの職場ではどんなパッケージを利用していますか?
物流系の会社ならSAPやi2、コールセンターだとSIEBELが有名なところで
すよね。他にもTIBCOやVitriaのようなBPMを扱うところもありますし、
Oracleだってパッケージベンダーと言う事もできます。今回は、そのな
かでも、本国の開発部隊が力を持つベンダーについてお話しましょう。
SIプロジェクトでシステムを構築するとき、まず大きく2つの選択肢が
あります。カスタムメイドで作りこむか、パッケージベンダーから出来
合いのアプリケーションを購入するのか。
このとき、後者を選択すれば、あなたはパッケージベンダーとお付き合
いすることができます。
次に、どのパッケージにするかを考えなければなりません。ここで海外
に本拠地を持つベンダーを選べれば、あなたの不幸は始まったも同然。
SAPやORACLEなど、日本支社も力を持っているところはダメですよ。
開発が始まると、そのパッケージを取り囲むAdd-on機能の作りこみをす
ることが多いですよね。帳票周りなどは貧弱な製品が多いですから、日
本人好みの請求書や領収書を発行するためにもガリガリ作ります。
もちろん、勝手に改造したらパッケージベンダーに怒られますから、当
然API(アプリケーションの外部仕様)を教えてもらって、それを利用し
て作成していくのですが、コーラを飲んだらゲップが出るのと同じ確率
でトラブルに遭遇するんですよね。
例えば、A端末で帳票出力しているときに特定動作を行うと、B端末の帳
票出力結果が乱れてしまうとか。
現場で懸命に解析した結果、パッケージがおかしいという結論に辿り着
くことは往々にしてあることですが、大変なのはここからです。
まず、日本支社のサポート部隊に問い合わせます。できるだけ詳細な情
報を受け渡すのがコツです。情報は一気に出しましょう。そして、調べ
ることは全て調べた、あとはお宅のソースコードだけしか残ってないよ
と伝えてあげるのです。
しかし、これですんなり折れてくれる相手ではありません。全部調べた
というにも関わらず、色々と確認を取ってきます。いや、彼らのやり方
ももっともな対応だと思いますよ。だって、クライアントのエラー報告
が正しいとは限らないわけですから。ですから、最初にこちらの持つ情
報を全て伝え、後は相手が確認するだけにするのです。
※間違ってもリバースエンジニアリング(*)の結果などを伝えてはダメ
ですよ。契約違反で逆に訴えられてしまいます。
ここでパッケージ自体のバグの可能性が出てくると、ベンダーも日本の
サポート部隊の手には負えません。何せ、彼らはソースコードを改変す
る権利を有していないのですから。
したがって、ここにきてようやくグローバル(本国)の開発部隊に問い
合わせをすることができるのです。しかししかし、ここからがさらに長
いのです。
まず、サポートセンターの対応で間に合わなかったということは、未知
のバグである可能性が非常に高いです。つまり、世界初のバグというこ
とです。もちろん相手はパッケージを作った張本人ですから、バグ自体
の特定は(大抵)苦労しないでしょう。ですが、問題は、それをどのよ
うにして修正するのかという点です。
通常はパッチ(追加プログラム)のリリースという形で対応することに
なりますが、パッチというのはリリース時期が決まっていることが多く、
そんなに頻繁に作成してはくれないのです。
しかし、こちらはカットオーバー寸前で今さら延期なんてできないよ、
というシチュエーションであることも間々ありますよね。そんなとき、
いったいどうすればいいのか!
どうにもなりません。海の向こうで起きていることは、所詮対岸の火事
なんですよ。こちらが燃えても火の粉は届きません。
しかも、これが12月に起きた場合はもっと悲惨です。本拠地が北米に
ある場合、彼らは12月下旬からクリスマス休暇に入ってしまうんです
ね。これで年末年始は何も出来ません。うちは1月1日リリースなのに
どうしてくれるんだ!って怒号も届かないくらい、海の向こうは遠いの
ですよ。
これは実際にあった話で、かつクライアントは日本を代表する会社でし
た。日本支社のコンサルタントがかんばってくれたから何とかなったも
のの、これじゃクライアントの信用はガタ落ちです。
それでもこのパッケージベンダーと手を切るのは難しいのです。すでに
彼らのシステムは業務の根幹に関わっている上、これまでに投資した金
額がバカにならないものだからです。それに、今のシステムがダメとの
評価が下がると、担当役員の株も下がるので、なおさら後に退けません。
皆さんの職場やプロジェクトで海外ベンダーのパッケージ製品を導入す
る際には、サポート体制について十分な契約を結んでおくことをオスス
メします。ここがしっかりしてないとベンダーとのやりとりで苦労する
こと必至ですよ。
逆に言えば、契約さえしっかりしていれば、特別対応してもらうことも
できるのですから、契約書は穴が開くほど眺めて確認して下さい。
(*)リバースエンジニアリング:
ソフトウェアやハードウェアなどを分解、あるいは解析し、その仕組み
や仕様、目的、構成部品、要素技術などを明らかにすること。プログラ
ムの分野では、モジュール間の関係の解明やシステムの基本仕様の分析
といっ た行為を含む。(http://e-words.jpより)
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posted by 吉澤準特 at 12:32
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業界裏話
まあ、おかげでオイラの在職する会社のパッケージも売れてくれるようなんですが。
グローバルな企業で、全世界的にSAPを使うことになり、請求書なんかを希望どおりに出力できないから困ってたってこともありました。
SAPも導入に失敗してる企業多いですね。その代表格はココですよw
http://it-ura.seesaa.net/article/574500.html