2005年1月20日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■
■■ IT業界の裏話 No.0040
■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発刊総数:901部 http://it-ura.seesaa.net/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼INDEX▼
■ ご挨拶
■ 本日の裏話 :クライアントが納得する答え
● 裏話募集
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ ご挨拶
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
どうも、エンジニアAです。
経営指南書と運用手順書というまったく正反対の本を読みあさっており
ます。一応、頭の中ではバランスが取れているのですが、机の上にそれ
らの本が積み上げられている光景は奇異に見えるらしく、後ろを歩く人
の視線が厳しいです。早く、読み終わらなければ。
記事内容に対する、皆様からのフィードバックを受け付けております。
皆さんの忌憚のないご意見を遠慮なく書き込んで下さい。
コチラからどうぞ → http://it-ura.seesaa.net/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 本日の裏話 :クライアントが納得する答え
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コンサルタントが求められる理由をご存知ですか?
クライアントからは色々ことをお願いされます。顧客分析の方法を考え
てほしい、今後の業界予測を立ててほしい、可用性の高いシステムを構
築してほしい、果ては業務報告書の書き方を教えてなどなど。
一見するとバラバラの要求に思えますが、実はあるひとつの欲求から派
生しているだけなのです。
それは「外部から見た客観的意見」に他なりません。
「自分たちはこのやり方を考えているがこれで正しいのか?」
「他ではどうやっているのか?」
「そもそもやり方が分からない。」
コンサルタントとしてクライアントと会うと、これらのお話を必ず伺い
ます。そして、コンサルタントはそれらに必ず答えなければなりません。
大切なのは、相手が納得する回答を提供することです。
相手を納得させるには、すべてのケースを網羅し、そこから施策を提案
するのが定石ですが、ケースを網羅することが、場合によっては不可能
に近いということをご存知でしょうか?
例えば、ある会社が個人情報保護法案に先立ち、社内のセキュリティ体
制を完全なものにしたいと考えたとしましょう。
このとき、個人情報を流出させないために考えられるすべての方法を挙
げなければならないとします。どうですか、すべて網羅できますか?
ある人はこう考えるでしょう。
過去に発生した流出事例を全て洗い出せばいいのではないか。
→過去に前例のない流出事件が発生する可能性は十分にあります。
こう考える人もいると思います。
セキュリティベンダーや機関が定義している概念を網羅すれば十分では
ないのか。
→従来の定義に当てはまらないセキュリティホールがあるかもしれま
せん。
そんなことを言い出したら、どこまでやってもキリがないではないかと
怒る人もいるでしょう。私だって、こんなことを言われたら嫌です。し
かし、全てのケースを網羅するというやり方では、相手によっては納得
させることは非常に難しいのです。
それではどうすればクライアントに納得してもらえるのか。ここで重要
なのは「安心感」というキーワード。
安心感を与えるということは、リスクを正確に認識させることから始ま
ります。
今、目の前に2つの道があるとしましょう。片方は幅10mでもう一方
は幅3m。どちらも道の両端は断崖絶壁とします。
どちらかを渡らなければならない場合、大半の人が前者の道を選ぶでしょ
う。しかし、10mの道は途中から視界30cmの濃霧に包まれていたら
どうですか?きっと幅3mで見通しのよい道を選びますよね。
どのようなリスクがあるかを把握していれば、それを回避して進むこと
ができるわけです。
もちろん、途中で躓いて転落してしまうようなリスクもあるでしょう。
しかしそれは、濃霧の中を歩くというリスクに比べたら、微々たるもの
です。
最初の例で言えば、個人情報の経路を完全に網羅できないならば、網羅
している範囲を明らかにし、クライアントに安心感を与えれば済むこと
なのです。
過去事例をセキュリティベンダーが定義するフレームワークに当てはめ
て、過去事例をカバーしていることを説明すれば更に良いでしょう。
クライアントも人の子です。ここまで考えているんですよ、というメッ
セージを伝えれば、必ず納得してくれます。それでも納得してくれない
クライアントは・・・・・手を切るってのはダメですか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● 裏話募集
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
当メルマガでは、皆様のIT業界にまつわる裏話を募集しております。
些細な事でも結構ですので、応募してみませんか? 応募いただいた裏
話は、ご本人の許可の上で当メルマガ内でご紹介させてもらいます。
応募先は、こちらのメールアドレスまでお願いします。
宛先: engineer_a3@yahoo.co.jp 件名: 裏話投稿
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【文書名】 IT業界の裏話
【発行日】 2005/1/20(週3日)
【発行者】 エンジニアA
【連絡先】 engineer_a3@yahoo.co.jp
週3回のうち、1回以上「裏話」をお届けします。
その他回は「注目記事」または「徒然コメント」をお届けしています。
配信の解除、メールアドレスの変更は以下のURLからお願いします。
【ブログ(メルマガバックナンバー公開、ほか)】
【メルマガ申込・解除】
http://it-ura.seesaa.net/ (相互紹介も募集しております)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C)2004-2005 エンジニアA 許可無く転載することを禁じます。
posted by 吉澤準特 at 07:42
|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
業界裏話