この2ヶ月あまり、mixiのSEコミュニティであるトピックが賑わっていました。すでに2000以上のコメントが寄せられており、近年稀に見る炎上に陥っているのが、「SEは要らない子?」というトピックです。
その1
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=62523671&comm_id=8128
その2
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=63436046&comm_id=8128
その3
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=63872589&comm_id=8128
この過激なタイトルのトピックを投稿したのは外資系コンサルファーム所属のコンサルタントであり、いわゆる上から目線が何人かのコミュニティメンバーの逆鱗に触れ、大炎上していました。
トピック内容を要約すると以下のようになります。
「SEは減っている。上流工程からはコンサル、下流工程からはプログラマが職域を広げており、SEの領分は侵食されつつある。これについてSEが生き残るための意見を聞かせて欲しい」
最初はコメント投稿者の個別意見に対して真摯に回答していたトピック主でしたが、投稿数が数百を数えるところからだんだん直接的な表現を用いるようになり、的外れなコメントには容赦無い否定を示すに至ります。
例えば、
・SEは顧客の要望と実装をつなげる橋渡しだから、なくなる訳がない。
・SEが減っているというソースを示せ。
・SEは時代に応じて役割を変えていく。今と同じ形のSEは減るだろうが、別の形に変わってさらに守備範囲を広げるはず。
・むしろコンサルの職域を侵食するSEもいるわけで、コンサルこそ消えゆく存在。
といった意見についてのトピック主の回答は、
「思考停止のSEは相手にしない」
「今のSEの携帯からどう変化すべきかを考えてほしい」
「今の職域のままサラリーが下がったら、生き残っているとは言い難い」
という具合であり、反論する形で議論に参加したどこぞのCTOに対しても、「大したことないな」とバッサリ切り捨てていました。
SEという職種に多くみられるクローズドな性格、「自分の意見は基本的に正しい」というキャラクター性を分かった上で、敢えて挑発的な問い掛けをしているトピック主は、自分のロジックには絶対の自信を持っているようですが、実はSEの性格に近いように思えます。
トピック主の主張の一つにあった「単価が下がったら生き残ったと言えない」という主張についても、自身が所属するコンサル業界全般で単価ダウンの傾向が進行している現状を知っての挑発であれば少々悪質ですし、知らなかったというなら、無知ゆえの愚かしい争いにしか思えません。
すでにトピックは3つめに達し、投稿数も2600を超えるくらいになって、ようやく落ち着きを取り戻したように見えますが、実際には、トピック主を無視して独自の議論を続けるグループと、自分の意にそぐわないコメントには無視か茶々入れをするトピック主のコメントに大きく別れており、「なんだかなぁ」という気持ちにさせました。
私自身が全てのコメントに目を通して持った考えは、結局みんな似たようなことを思っているようだけど、相手の言葉の定義や発言の前提を自分勝手に補足してしてしまうから、諍いが起きている、というところですね。バベルの塔みたいな話。
誤解を恐れずに要約すると、
『(ユーザー)→(コンサル)→(SE)
→(プログラマ)→(ツールによる自動実装)→(システム)
という流れのなかで、それぞれの境界が曖昧になりつつあるため、SEに限らず、コンサルもプログラマも業務領域が変化しつつある。
この変化を感じ取り、自己成長を怠らない人間を目指そう』
というところでしょうか。細かい話は前述したリンク先を読み込んでみて下さい。瑣末な議論も多いですが、トピックの流れを感じ取るのは面白いかと思います。
最後に、私からはこの言葉をトピックの皆さんに送りたいと思います。
竜馬は議論しない。
議論などは、よほど重大なときでないかぎり
してはならぬといいきかせている。
もし議論に勝ったとせよ、
相手の名誉をうばうだけのことである。
通常、人間は議論に負けても
自分の所論や生き方は変えぬ生きものだし、
負けたあと持つのは負けた恨みだけである
異論のある方もいると思いますが、
そういう人に対しても私はこの考え方で臨みたいです。
posted by 吉澤準特 at 11:31
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