ビジネス思考法の根幹となっている3つの思考法、ロジカルシンキング(垂直思考)、ラテラルシンキング(水平思考)、クリティカルシンキング(探求思考)について、頻出のフレームワークを整理してみました。
ロジカルシンキングは演繹法/帰納法という発想アプローチに基いて、「広がり」、「深さ」、「並び」、「つながり」の切り口で9つのフレームワークがよく使われます。
- MECE
- ベン図
- ロジックツリー
- ピラミッドストラクチャー
- IPO
- TOC
- ストーリー法
- 因果関係・相関関係
- 親和図法
ラテラルシンキングは類推思考/仮説思考という発想アプローチに基いて、「ひらめき」、「ムリヤリ」、「マネ」の切り口で5つのフレームワークがよく使われます。
- ブレインストーミング
- 欠点希望点列挙法
- SCAMPER
- ミメーシス・ミミック
- シネクテクス法
クリティカルシンキングは弁証法/背理法という発想アプローチに基いて、「見える化」、「対比」、「思い込み」の切り口で8つのフレームワークがよく使われます。
- ヒストグラム
- BATNA/ZOPA
- プロコン
- フィットギャップ分析
- ジレンマ
- PAC思考
- オッカムの剃刀
- 認知バイアス
それぞれの思考法ごとにもう少し詳しくフレームワークモデルを説明すると、次の通りになります。3つの思考法で10種22個のフレームワークがよく使われているため、これらのビジネスフレームワークをよく知ることで、仕事に対してもっと効率良く取り組めるようになると思います。
■ ロジカルシンキングでよく使うフレームワーク
“広がり”では、「MECE」(ミーシー)と「ベン図」がよく使われます。前者は要素を漏れなくダブりなく分類する方法、後者はMECEを図であらわすための表現方法です。
”深さ“では、「ロジックツリー」と「ピラミッドストラクチャ−」が頻出です。前者はトップダウンで対象を検討可能な粒にまで単純化し、後者はそれをボトムアップから積み上げて頂点にあたる結論を確かめます。
”並び“では、「Input Process Output」(アイピーオー)と「Theory Of Constrains」(ティーオーシー)と「ストーリー法」が有名です。1つ目は開始条件と終了条件の確認、2つ目は作業上のボトルネック発見、3つ目は順序立てによる出来事の整合性チェックを目的とします。
”つながり“では、「因果関係・相関関係」と「親和図法」(しんわずほう)が重要になります。前者は各要素の相互影響やその理由を見つけ出し、後者は問題のグループ化による根本原因の発見に役立てます。
■ ラテラルシンキングでよく使うフレームワーク
“ひらめき”では、「ブレインストーミング」がよく使われます。批判を伴わず、自由にのびのびと発想を引き出す方法です。
”ムリヤリ“では、「欠点希望点列挙法」と 「SCAMPER」(スキャンパー)が頻出です。前者は改善点や追加点を意識的に掘り起こし、後者は代用や入れ替えなどを強制的に発想させるパターンに沿って新しい発見につなげます。
”マネ“では、「ミメーシス・ミミック」と「シネクテクス法」が有名です。前者は成功事例を分析して自分に当てはめるアプローチであり、ミメーシスは感動を再現、ミミックは機能や性質面を再現できるようアレンジします。
他の思考法と比較して”よく使われるフレームワーク“の数が少ないですが、そもそも新発想というものは型通りにはめ込んで得ることが難しいものであり、その中でもここに挙げられているフレームワークは、多くの人がこれまで使い続けてきた有用性の高いものだと言えます。
■ クリティカルシンキングでよく使うフレームワーク
“見える化”では、「ヒストグラム」と「BATNA/ZOPA(Best Alternative To Negotiated Agreement / Zone of Possible Agreement)」(バトナ/ゾーパ)がよく使われます。 前者は要素のバラつき具合を知る方法、後者はお互いの言い分を見極めて交渉を有利に進める方法になります。
”対比“では、「プロコン」と「Fit & Gap分析」(フィットギャップ分析)と「ジレンマ(両刀論法)」が有名です。1つ目は選択肢の比較による最適なものの洗い出しに用い、 2つ目はやりたいことと出来ることを重ね合わせて差異を捉える方法、3つ目は最悪の選択を避ける新しい選択肢を見つけるために活用されるものです。
”思いこみ“では、「PAC思考(Premise Assumption Conclusion)」(パック思考)と「オッカムの剃刀」と「認知バイアス」が有名です。1つ目は前提・仮説・結論の論理構造の検証、2つ目は複雑さを取り除いたシンプルイズベストなアプローチの発見、3つ目は偏見や偏向といった一方的な解釈の排除を目的としています。
上記の各フレームワークの解説を詳しく知りたい場合は、「ビジネス思考法使いこなしブック」の中身を確認してもらえると嬉しく思います。
posted by 吉澤準特 at 22:41
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