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2012年08月02日

MS「新しいSQL Serverはライセンス料が1.5倍になります」客「えっ!」
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2012年4月、ソフトウェアライセンスに関する衝撃のニュースがIT業界に流れたことを知っていますか?

ずばり、マイクロソフト社のデータベース、SQL Serverの最新版(SQL Server 2012)のライセンスモデルに関する体系変更の話です。

ソフトウェアラインセンスの値段といえば、システム導入費用の中でも相当の比率を占めます。サーバ機器に支払う費用よりも、その上で動作するソフトウェアの方が高額になるケースはよくあることであり、ライセンス費用をどうやって抑えるかは、発注の稟議書を書く人にはとても重要なテーマです。

よくあるのは以下のケースです。

・サーバ課金 :サーバ1台につきXX万円
※大抵、接続ユーザ数課金(CAL)とセット
・プロセッサ課金 :CPU1個につきXX万円
・コア課金 :CPU内の1コアにつきXX万円

商用データベースにはOracleやDB2(IBM)が有名ですが、これらの大規模処理向け(Enterprise Edition)はほぼすべてコア課金です。

大量処理を前提としたシステムでは1CPUあたりのコア(仮想的なCPU)がどんどん集積しており、今や10コア(デカコア)以上のCPUも珍しくありません。昔はCPU10個で動かしていたものを今では1CPUで動かしているのですから、プロセッサ単位ではソフトウェアベンダーの収益がどんどん減ってしまいます。ですから、コア課金というのは当然の流れではあります。

これに対し、マイクロソフトのSQL Serverは近年稀にみる良心的なライセンス体系でした。大規模処理向けのEnterprise版でもかたくなにサーバ課金+CAL課金を貫いていたので、「利用者数が絞られているけど高性能サーバでデータベースを動かしたい」というニーズでは最もリーズナブルな選択肢だったのです。

しかし、2012年になって、ついにその流れも途絶えてしまいます。それが最初に話した「SQL Server 2012」のライセンスモデルです。そうです、Enterprise Editionはコア課金オンリーになってしまったのです。
※Business Intelligence Editionという新設版はサーバ課金体系が使えます

(例)1CPU(12コア)を2個搭載したサーバにSQL Serverを載せる

■SQL Server 2008 Enterprise版
:512万円(1CPU分)×2=1024万円

■SQL Server 2012 Enterprise版
:256万円(2コア分)×6=1536万円

→ライセンス費用が1.5倍

皆さんの関わっているシステム開発プロジェクトでは影響は出ていませんか? もし旧版のSQL Server 2008で見積りをしているところがあって、SQL Server 2012を入れることになる場合は、ライセンス費用が増えてしまうケースがたくさん出てくると思われます。

詳しくはマイクロソフト社のSQL Server価格体系ページで確認できますよ。
http://www.microsoft.com/ja-jp/sqlserver/2012/howtobuy/default.aspx

posted by 吉澤準特 at 08:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話

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