以前から大企業に務めるビジネスパーソンの働き方には疑問を感じていましたが、仕事術の本を執筆していたこの半年ばかり、色々な人に仕事に対する臨み方を聞いてきた中で、「これはおかしい」と感じるエピソードがいくつもありました。
私自身、外資系企業で働いていますが、クライアントや協力会社にあたる国内大手企業の方と一緒に仕事をしていると、仕事のスタイルにギャップがあって驚かされることがあります。以下、是非とも直しておきたい、大企業の悪い仕事術を反面教師として紹介します。
【議事録を取りたがらない】
会議に出たら自分で議事録(メモ)を書く。これはビジネスパーソンの基本です。なぜなら、議論の要点をメモすることで、議論の整理もできるし、会議後に読み返して速やかに作戦を練ることもできるから。
「私が書かなくても部下やベンダーが書いてくれる」という人もいるでしょうが、自分に求められる行動だけを意識するのではなく、周囲はどんなアクションを取るのか、俯瞰して把握するためには、自分で書くのが一番理解が早いですよ。これができていないと、「会議に参加したけど内容はよく分からなかった」なんてことにいずれなります。
【すぐにパワーポイントを開いて資料を作りたがる】
打ち合わせの結果、新しい資料を作ることになったとします。最初にしなければならないのは、「誰」に対して「何」を訴えかけるのかを決め、資料の骨子を作ることです。これらを決めるのにPCをいじる必要はありません。もし使うとしても、メモ帳を使って資料の構成と各パートのコンテンツを箇条書きで整理するくらいです。
なのに、いきなりパワーポイントを開いて1ページ目から資料を作り始める人が多いですね。そんなことをしているから、半日経っても中身が固まらず、図形の色塗りしかできていない状態になるのです。たくさんの情報を整理したいなら、ワークシートとしてエクセルで表を使えばよいですし、それより前に紙とペンで資料の構成とラフなデザインを決める方が効率的です。
【いつでも理由や経緯を説明したがる】
何かを決める場では、意思決定をする人が必要だと考えている情報がそろっていれば、それ以上の説明は不要です。むしろ、余計な話を聞く時間があるくらいなら、別の議論をしたいと考えます。
日本の大企業はミドル層の力が強いので、トップダウンで物事を決めるよりも、周囲に相談しながらボトムアップで固めていく傾向にあります。このため、相手の顔色を伺いながら、少しずつ意見を述べていくスタイルの人が多いのですが、話を聞かされる相手からすると、「結論を早くいってほしい」と不満に感じるものです。意思決定者が判断するに足る最低限の情報がなんであるかを特定し、それ以上のことはいったん伝えるべきではありません。
ほかにもいろいろ気になることはありますが、総じて感じるのは仕事のやり方がうまくないということです。もちろん、素晴らしい仕事をして下さるビジネスパーソンもいるのですが、大企業という組織上、効率的でない仕事のやり方で本来期待されるべきパフォーマンスを発揮できていない人が多すぎるというのが私の見解です。
長らく外資系コンサルという仕事を続けてきたため、国内のみならず、海外のトップビジネスパーソンが実践している仕事のやり方も取り入れて、ひとつの仕事術の体系を整理することができました。
それは、「外資系コンサルの仕事を片づける技術」(ダイヤモンド社:全256ページ)でまとめています。さらに詳しい内容は、特別抜粋版レポート(全30ページ)として、下記リンク先にて無料配布中です。
▽「外資系コンサルの仕事を片づける技術」特別抜粋版
https://it-ura.up.seesaa.net/item/report_request_it-ura-011.htm
単なる仕事術の本ではなく、過去に出版された類書に対して、私が不満に感じていたことはすべて解消するようにしています。上記レポートを読んで、中身に興味をお持ち頂けた方は、本書をお手に取って頂けますと嬉しく思います。
posted by 吉澤準特 at 17:20
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