2007年3月7日発行
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■■ IT業界の裏話 No.0216
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発刊総数:4450部 http://it-ura.seesaa.net/
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▼INDEX▼
■ ご挨拶
■ 業界裏話 :独自仕様に走り過ぎて泣きを見た企業
● ホットトピック :ビジネスに活かす!IPセントレックス
● レポート提供
※■メルマガ/ブログで提供 ●メルマガ読者のみ提供
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■ ご挨拶
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どうも、吉澤準特です。
前々号、前号の編集後記にて、
拙著「最新会議運営の基本と実践がよ〜くわかる本」
(http://tinyurl.com/3boldw)のプレゼントをお知らせしましたが、
お陰さまで、多くの方から応募頂きました。
本当にありがとうございます。
今回の追加プレゼントも多くの方にご応募頂きました。
応募された方には当選状況をお伝えしましたので、
もしまだ連絡を受けていない方がいらっしゃれば
できるだけ早くお申し付け下さい。
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■ 業界裏話 :独自仕様に走り過ぎて泣きを見た企業
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かつて、国内PC市場を席巻したNECのPC-98シリーズ。90年代前半には、
「速さはチカラ」のフレーズとともに、FellowやMateといったオフィス
向け廉価PCが全盛を迎えていました。
特にFellowはPCM音源も搭載していない無骨なヤツでしたが、ビジネス
向けに無駄を一切排除したそのスタイルは、コストパフォーマンスに優
れた良品でしたね。
話は逸れましたが、当時のPC-98は対応アプリケーションはダントツ、
IBMや富士通のPCなどの追随を許さない牙城を築き上げていたと言っても
過言ではない状況でした。
例えるなら、ケータイ業界におけるDoCoMoとその他2社のマーケットシェ
アを思い浮かべてもらえると分かりやすいと思います。
それほどの圧倒的なシェアを誇ったPC98シリーズですが、Windows95の
登場により、全てのPCのプラットフォームが統一されてしまい、アプリ
ケーション数によるメリットが出せない状況に陥ったがために、独自仕
様(パーツの汎用性が低い)が足枷となって、IBMを筆頭とするAT互換機
に埋もれてしまったことは、あの時代を生きた人間にとって、非常に印
象的な出来事でした。
※毎月ものすごい勢いでNECのシェアが落ちていく様子は、なんとも言い
難い状況でしたね。
このPC-98の例は、他社との差異化を進めて成功したはずのモノが、市場
の変化によって、あるとき突然マイナス要因に転じてしまう。そんな状
況がIT業界では比較的よく発生します。
分かりやすいのが、システム更改(バージョンアップ)のタイミング。
他社には無い独自の機能をアドオン開発し続けて利便性を高めていく道
を突き進んでいくと、バージョンアップのタイミングで莫大なライセン
ス更新料やシステム修正費用が発生します。
※アメリカン航空では、Sabre(セイバー)というCRS(予約システム)
の導入で航空業界に革新を起こし、莫大な先行者利益を得ることがで
きましたが、それを長年使い続けた結果、陳腐化が進みすぎてシステ
ム更改による莫大な費用が発生しました。
他にも、通信インフラの領域ならISDNの話も有名です。
64-128kbps(1秒で0.08〜0.16MBの転送)と、ネットをしながら同時に
電話が使えるという利便性を武器に、通信市場を席巻しようと試みまし
たが、銅線通信延命策のADSLが想像以上に優れていた(ISDNの10倍以上
の速度だった)ため、期待の星、ISDNはあっというまに市場が萎んでし
まいました。
※このあたりの変遷はキーマンズネットのネットワーク今昔物語を読む
と、色々分かると思います。→ http://snipurl.com/qq7e
ケータイ電話も、数年前までGSM端末が世界標準でしたが、日本のみが
PDC規格を採用していたが為に、端末持込の国際ローミングが困難であっ
たり、そもそも端末メーカーの海外進出ができなかったという話もあり
ます。
※現在では報奨金制度による端末メーカーの国際競争力欠如が問題に
なっています。キャリアによる保護政策(端末買い上げ)の綻びがこ
こにきて騒がれています。
最後に、規格をオープン(製品もしくは規格の利用を無料)にしたこと
で支持を集めたものもいくつか挙げておきましょう。
・インターネット (世界最大のネットワーク)※正確にはIP
・IBM PC/AT互換機 (世界標準のPC規格)
・Linux (非UNIX、非Windowsで最大シェアのOS)
・Solaris (UNIX系トップシェアのOS)
・Eclipse (トップシェアの統合環境開発アプリ)
posted by 吉澤準特 at 03:45
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業界裏話