「だがIT業界は違うらしい」
こんなフレーズがTwitter上で拡散しています。色々な名言の最後にこのフレーズを加えると、IT業界特有の何とも言えない雰囲気が伝わってくるということで、多くの人が新しい迷言をどんどん作っています。
たとえば、こんな具合です。
「夢はいつか叶う、だがIT業界は違うらしい」
これは切ないですね。IT業界では夢はいつか叶うものではないようです。人によって受け取り方はさまざまでしょう。勝ち組のレールを走っていると思う人は「夢はすぐに叶う、それがIT業界!」と感じそうですし、日々のデスマーチで疲弊している人には「この業界に夢なんて存在しないんだよ、俺たちは歯車の一つでしかないんだよ」という悲哀を物語りそうです。
以下、私が気になった迷言を紹介します。
※参照元:http://togetter.com/li/682723
「目には目を歯には歯を、だがIT業界は違うらしい」
→やばいですね、ハムラビ法典を超える懲罰を要求するのがIT業界の常識です。特にエンタープライズ系はすごいですよ。二人で確認しながら本番リリースしたのに手順ミスが生じたら、今度は三人で確認しながらやれ、と言われちゃう世界です。たった一度のミスが、年間工数を1.5倍に膨れ上がらせる恐怖の結果につながります。
「だって人間だもの、だがIT業界は違うらしい」
→IT業界に人が住める場所はありません。ギークと社畜の居場所ばかりです。この業界に期待と不安を抱えて飛び込んできたあなただって、今やギークか社畜のどちらかに染まりつつあるのでしょ?
「1日は24時間、だがIT業界は違うらしい」
→これもやばいですね。あのリゲインでさえ24時間戦うことを要求しなくなったというのに、IT業界の時間の流れは違うんです。バッチジョブとか、夜間突きぬけで33時間目突破とかやった日には、朝の営業時間に間に合わなくて業務ユーザーからの刺さるような問い合わせに心が削られていきます。
「天は人の上に人をつくらず。人の下に人をつくらず、だがIT業界は違うらしい」
→この世界にはコキャクという名の殿上人がいるのです。そして、雲の上から下々に対して情け容赦ない要求変更を投げかけるのです。仕変凍結は半年前にしたはずなのに・・・
「戦争は数だよ!だがIT業界は違うらしい」
→これは真理ですね。10人の新人エンジニアを投入するとなぜかスケジュールが遅延することさえあるのですが、百戦錬磨のベテランエンジニアならたった1名追加でも進捗が一気に改善します。アーキテクチャ設計になるとなお顕著ですね。
「地球は青かった、だがIT業界は違うらしい」
→IT業界で「青」は不吉な言葉なので使ってはいけません。Windowsの青くなった画面を見るたびに、いったいどれほどの残業がつみあがっていったことか・・・
「嘘つきは泥棒の始まり、だがIT業界は違うらしい」
→IT業界の半分は嘘でできているって聞いたことがあります。まともな説明したってどうせユーザーは理解できないんだから、相手が望むことを言っておけばいいんじゃないですか?
「努力は必ず報われる、だがIT業界は違うらしい」
→どちらかといえば、経過よりも結果が求められるんですよね。センスで仕事できちゃう人も多いし、某SNSだって、スマホゲームのなんとかストライクで一山当てたら大復活ですよ。
「信じる者は救われる、だがIT業界は違うらしい」
→ロジックのかたまりみたいなITシステムを相手にしているのだから、神に祈るなんて戯言ですよね。でも、意外にもIT部門の多くは年始にお守りを買いに行っていますし、神田明神の「IT情報安全守護」なんて大人気なんですよね。あれ、この迷言、はずれてるかも?
お盆休み間近ということで、こんな緩めの話で今回は終わります。
posted by 吉澤準特 at 12:02
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