2005年9月14日発行
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■■ IT業界の裏話 No.0083
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発刊総数:1711部 http://it-ura.seesaa.net/
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▼INDEX▼
■ ご挨拶
■ 業界裏話 :サイコロ一振りで給料を決める会社
● 裏話募集
● 特別レポートプレゼント
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■ ご挨拶
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どうも、エンジニアAです。
リクナビネクストの調査では、エンジニアという職種の貯蓄額は平均よ
りも高く、500万円だそうです。(http://tinyurl.com/8r4uy)
中でも、コンサルタントの貯蓄額は700万円を越えるそうで。
私、そんなに持ってないですよ・・・平均以下だと、微妙に危機感を感
じてしまうのは私だけでしょうか?
今回も編集後記あります。いちばーん下に書いてます。
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■ 業界裏話 :サイコロ一振りで給料を決める会社
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給料とは、自分が働いた成果に対して支払われるもの。そう教わってき
た人は多いと思いますが、なんと、給料をサイコロの目で決めてしまう
会社があるというから驚きです。
→http://tinyurl.com/cpwr6
(一部抜粋)
「給料は、人の評価を表すものですが、人を100%理解するのは難し
い。そこで『神の声をきいてみよう』という感覚です。また、楽し
んで給料を決めるといった意味合いもあります」
「あくまで基本給にプラスされます。1が出れば基本給×0.01、2が
出れば基本給×0.02というようにサイコロの目にあわせて給料が
アップするわけです。資本主義の物差しに測れない価値もあると初
心に帰るつもりでふってもらっています」
なるほど、基本給を保証した上で、遊びの要素として給与を上乗せして
いるのですね。
これって、働いている人にとってはどのようなメリットがあるのでしょ
うか?
考えられるのが、社員自身が「サイコロを振る」という行為により、自
分の行動が直接給与に反映されることを実感できますよね。これは、労
働意欲、モチベーションを高める上で重要なことです。
例えば、スロットマシーンを考えて見ましょう。当たりが出たら、常に
1000円が出てくるものと、500円から1500円の間で変動して
出てくるものがあれば、一般的にみて、後者に興味を示す人が多いで
しょう。
では、変動幅はどれくらいがいいのでしょう。今は基本給の1%程度の
変動ですが、10%くらいに増やした方が、従業員のモチベーションは
高まるのでしょうか。
いえいえ、実は変動幅の大きさはあまり関係ないのです。重要なのは、
ゲーム性を取り入れること。
これはギャンブルの話で言われることですが、掛け金が1000円でも
10円でも、勝負に対するモチベーションはあまり変わりません。大切
なのは、「賭けている」という行為と、その勝ち負けです。
だから、給与変動のリスクを考慮すると、実はハイリスクハイリターン
にしなくても、ローリスク・ローリターンで十分な効果があるのです。
逆に、ハイリスク〜にしてしまうと、不健全な影響がでてしまいそうで
すしね。
従業員(人材)に対する考え方として、次のようなものがあります。
・人財 :会社に有益な人
・人在 :会社にただいるだけの人
・人罪 :会社に必要のない人
従業員のモチベーションを高めるということは、それだけ会社に仕事に
興味を持つことになり、結果として人財足りえます。
人在や人罪の数をできるだけ減らすためにも、あなたの職場でも何かを
やってみてはどうでしょうか?
posted by 吉澤準特 at 08:11
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Comment(9)
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業界裏話
これ、面白いですね。私も、表彰制度でこれを使ったことがあります。
「なぜ私が表彰されなかったのか」という、声を解消するために、ゲーム性をもたせました。
結構、いけるな・・・というのが実感です。
ありがとうございました。
人間は、快楽を求めるのか、苦痛から逃れるのかのどちらかが行動の原点であるのではないかと思っています。
さいころで給料をきめる事とは、ギャンブル的な快楽を求める事なので、本能的な部分にふれる事になります。
そこで、仕事に対する面白さを少し感じるようになると、人間の行動もかわってきますね。
プロジェクトの開始当初、初めてお付き合いをする外注さんには、仕事の与え方や評価の仕方をどのようにすべきかをいつも考えています。そこにゲーム性をもたせると、経験的にいい仕事をしてくれる傾向があります。
人財:人在:人罪の比率は、6:2:2くらいですかね。
たしか、松下幸之助さんが言っていた比率だと思いますが、どんな会社にもかならず3種類の人はいますね。
自分から積極的に取り組む姿勢を持たせることが大切なんでしょうね。このような状態を維持させることが、経営職の腕の見せ所なのかな?
-貧パさん-
マズローは欲求五段階説を唱えましたが、その中で、遊びに対する欲求というのはどこに位置するのでしょう。私はいつも悩んでしまいます。
サイコロを使った行為は、遊びといっても、自我の欲求を満たすための一つの手段に思えますし、他方、動物などは生まれながらにして「遊ぶ」という行為を会得しています。
多分、私達は「遊ぶ」という行為について、多義的な役割を持たせているんでしょうね。
すみません、全然関係の無い話になりました。
人材の比率ですが、私の認識としては、2:6:2なのかなと思っています。所謂ニハチの法則ですが。
面白いもので、どんなに優れた集団でも、時間が経つと、この法則にしたがってしまうそうで。
となると、敢えて使えない人を残すという選択肢もありなのでしょうか。この当たりは人事の専門家に話を聞いてみたいです。
理由?最も仕事のできる人たちが、バカらしくなって、やめていくからです。
あなたがたは、そういうこともわからないのですかね。
仕事を遊びのように楽しくやることは理想ですが、遊んで仕事をするのとは、意味が全くちがいます。
コメントありがとうございます。ちょっと読み難い表現でしたね、誤解を招いてしまったようです。
サイコロボーナスのポイントは、記事で紹介された会社では、社員のモチベーションアップに貢献していると、私は判断しました。
サイコロを使った増加幅は、最大で全給与の6%(期待値で言えば3.5%)ですし、これくらいならネットベンチャー企業の給与増減としてはあまり影響がないと思っています。こういう会社は1年で給与10%UPくらいは普通にありますし。
ただ、ソニーや東芝等の大手企業で数%の上下が発生すると、モチベーションアップよりも従業員間の給与格差問題に発展しそうだと私も思います。
>仕事を遊びのように楽しくやることは理想ですが、遊んで仕事をするのとは、意味が全くちがいます。
おっしゃる通りですね。このことは経営者、従業員ともに常に意識したいテーマです。
経営者は社員にもっと働けと言うわけです。そう言うからには、社員の仕事振りを真剣に評価する義務があると思うのです。
それを自ら放棄している経営者の態度に、私は怒りを感じますし、そういう不真面目な精神は、社員にも悪い影響を与えるような気がするわけです。
もし、サイコロゲームをやるなら、社内パーティーとか、クリスマス・パーティーとか、別の機会に、もっと小額のお金をプールしておいてやればよさそうなものだが、と思うのです。
この会社の社員に感想を聞いてみたいものですね。特に能力のある人たちに。
彼らは自分の能力に対する金銭的対価が、こんなことで損なわれるのは不愉快だ、と思っているのではないでしょうか。
そんなことに金を使うぐらいなら、「俺の給料、5割ぐらい簡単に上げられるじゃないか」と思わないもんですかねえ。
この業界のことは私はよく知りませんから、間違っているかもしれませんが…。
恐らく、サイコロボーナスのような仕組みを取り入れているのは、社長と社員が友達感覚に近いベンチャーだからこそなのではないでしょうか。
私が内情を知っているネットベンチャーはわずか数社しかないので、サンプルとしては信頼性に欠けますが、
「仕事が楽しければ給与はさほど気にしない」
という考えを持っている人間に何人も会いました。
他の大手企業と比較すると、そのような異質な考え方を持つ人間の割合が多いのではと推測します。(すみません、統計データがあるわけではないのであくまで推測です)
佐藤さんは主にどのような業界、会社についてご存知なのでしょうか。もしよければ、今度経営者論についてお聞かせ下さい。
これは私にもよくわかります。
でも、サイコロゲームが仕事のうちとは、私にはどうしても思えないんです。
今そう思えない人でも、いずれ気がつくときがくると私は思っています。
この問題はしばらく様子を見ることにします。半年か一年ぐらいして、どうなっているかですね。
そうですね、来年この会社の動向をチェックして、どうなっているかを考えていく方が、色々な気づきがあるでしょうから、そうすることにしましょう。