食わず嫌いで知らない人も多いと思いますが、官公庁のウェブサイトは
実はかなり奥が深いです。
色々な情報が公開されているので、一次情報源としてなかなか重宝して
いるのですが、なかでも経済産業省が興味深い。
経産省では「特定商取引法違反」企業に対する罰則命令が公開されてい
るのですが、それらは事例付きで公開されています。
例えば、今年の1月10日に発表されたシェルコーポレーションに対する業
務停止命令では、次のような事例が載っていました。
『営業員は電気温水器の無料点検に来たことを告げ、消費者Dは面識のな
い会社であったが、無料点検と聞き点検を行ってもらった。
点検が終わったにも関わらず営業員は帰ろうとせず、「ついでに床下
を点検させてもらいますね」と言い出し、消費者Dが戸惑っていたに
も関わらず、家の中にずかずかと入り込み、床下を覗き込みながら、
「これは湿っていますね。カビが生えていて凄いわ」と告げた。
その後、営業員から呼ばれた別の営業員もD宅にやってきて、計測器
具のようなものをもって床下を覗き、「こんなところまで針が触れる
なんて、床が腐って大変なことになりますよ」などと煽った。
消費者Dは床下工事のことは考えていないことを告げたが、夕方から
延々と勧誘されていたため、どうしたら帰ってもらえるんだろうと
いう気持ちになり、結局根負けして工事契約を結ぶことになった。
営業員が帰ったのは午後10時半頃だった。』
(特定商取引法違反事業者に対する行政処分について)
→ http://it-ura.seesaa.net/article/78728830.html
おそらく5時間以上も家の中に居座られて契約を強要されたのでしょう。
これはひどいです。
そういえば、無料点検商法とでも言いましょうか、こういった類の悪徳
商法は電気・ガス・水道、学習教材や健康器具(布団)などの事例を聞
くことはありますが、ITに関する話というのは聞いたことがありません。
ですが、実際には十分あり得る話だと思っています。例えば前述の例を
インターネットセキュリティ関連の言葉に置き換えてみましょう。
『営業員はネットワーク回線の無料点検に来たことを告げ、消費者Dは面
識のない会社であったが、無料点検と聞き点検を行ってもらった。
点検が終わったにも関わらず営業員は帰ろうとせず、「ついでにPCの
セキュリティチェックをさせてもらいますね」と言い出し、消費者Dが
戸惑っていたにも関わらず、家の中にずかずかと入り込み、ディスプ
レイを覗き込みながら、「これは情報漏えいしてますね。コンピュー
タウイルスが蔓延して凄いわ」と告げた。
その後、営業員から呼ばれた別の営業員もD宅にやってきて、計測器
具のようなものを接続してコンソールを覗き、「こんなところまでウ
イルスが検知されるなんて、個人情報が漏れて大変なことになります
よ」などと煽った。
消費者Dはセキュリティ対策のことは考えていないことを告げたが、夕
方から延々と勧誘されていたため、どうしたら帰ってもらえるんだろ
うという気持ちになり、結局根負けして保守契約を結ぶことになった。
営業員が帰ったのは午後10時半頃だった。』
本当にこんなことを行っている悪徳企業がありそうだと思えてきます。
ITに詳しくない企業も標的にされそうですね。
とここまで書いて思ったのが、勝手にやってきてアセスメントして、
「問題があるから対応しないと大変なことになりますよ」というやり口
は、強引なコンサル会社が使っている手法かもしれません。
彼らの場合、アセスメントも有料なので、そういう意味ではさらに悪質
ってことですかね(笑)
posted by 吉澤準特 at 02:09
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