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『外資系企業に住む住人の視点からIT業界の出来事を伝えます。』

資料作成本の最後の秘境『ワード』を対象とした外資系コンサルの資料作成テクニックが1冊の本になりました。2017年3月29日に発売されています。
※購入頂きました皆様、ありがとうございます。
https://www.amazon.co.jp/dp/4492557776

gaishi_word_201703_new.jpg
累計数十万部を数える「外資系〜シリーズ」には「スライド作成術」と「Excel作成術」がありますが、ワード向けの本はありませんでした。パワーポイントとエクセルは一生懸命練習するのに、ワードの作成法を学ぶ人はほとんどいません。見よう見まねの作成が繰り返され、ワード文書はどんどん読みづらい存在になっています。その結果、「ワード文書は扱いにくい」と考えられるようになりました。この本は、最後の秘境、ワード向けの「文書作成術」です。優れたWord文書を効率よく作成する方法を知り、適材適所でビジネス文書を作り分ける術を自分のものにしましょう。


【吉澤準特の本:累計7万部以上】
外資系コンサルが実践する資料作成の基本』はロングセラーで重版多数
外資系コンサルの仕事を片づける技術』はロングセラーで重版多数
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【吉澤準特の過去配布レポート】
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2014年10月22日

世界の高速インターネットを支える仕組みと最も高速なインターネットを持つ国
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インターネットで海外のサイトを閲覧することを思い浮かべて下さい。

あなたのPCから出て行った電気信号がLANケーブルを伝わりルータ(モデム)を経由して電話回線に入り込みます。電話回線をぐるぐる回って、海辺の通信施設へたどり着き、そこから海に潜って海底ケーブルをずーーーーっと伝わって海外サーバへようやく到達する。

あなたがPCの前でマウスをクリックしてから、画面が切り替わるまで、そんな壮大なスケールで通信が行われていることを意識したことはありますか?

前振りが長かったですね。今回は海底ケーブルの話です。

海底ケーブルといえば、国同士をつなげる国際通信網。太平洋には、アメリカまで伸びるケーブルが敷かれています。これを管理しているのはKDDI、NTTコミュニケーションズ、グローバルアクセスの3社だけなので、あまり外には話は漏れてこないのですが、人づてに面白い話を聞いたので、なぜなに形式で書きます。

▼海底ケーブルって何

光ファイバを十数本まとめたものを特殊ゴムで覆ったケーブルです。1秒間にハリウッド映画4本分を同時に送ることができるくらい、非常に太い回線になります。2012年9月にパイプラインネットワーク社が発表したところでは、シドニーとグアム間に8Tb(テラビット)/sのケーブルを敷いたとのこと。1秒間に1TBのデータを送信できるなんて、すさまじいです。また、2013年2月には日本〜フィリピン〜マレーシア〜シンガポール〜香港を結ぶ海底ケーブルで15Tb/sの接続を実現しました。

海底ケーブルは水圧や接触衝撃にも耐えるように作られており、なんと、50t以上の圧力にも耐えます。自動車なら、10台以上を同時に吊るすこともできるんですよ。

▼太平洋を横断する海底ケーブルはどうやって敷いているの?

船底からケーブルを垂れ流しながら施設しているそうです。通常は海底に横たわる形で敷設していますが、マリアナ海溝(水深1万m以上)を渡るときは、流石に深海までケーブルを敷くことはできないので、海底ケーブルがプカプカ海中を漂っています。大型の魚に体当たりを喰らって、千切れてしまうケーブルもあるため、常に予備ケーブルを張り巡らせているということ。

最近では、地球温暖化の影響で北極海の氷が溶けて、ロンドンと東京を直接結ぶ海底ケーブルが敷設可能になったそうです。1.6Tb/sの回線を6本敷く予定で、2012年下半期に工事は着工することになっています。

ちなみに、太平洋の海底ケーブルを維持するには、年間1000億円以上のコストがかかっているって知ってました?

▼海底ケーブルに天敵がいるってホント?

ズバリ、最大の敵は、「漁船の地引網」だそうです。地引網は、海底にあるものを根こそぎかっさらっていくため、海底ケーブルも掬われてしまいます。このため、深海部のケーブルより沿岸部のケーブルの方が、強い強度が求められるそうです。

▼誰がケーブルを敷くの? 専門の職業があるの?

普通の社員が、ある日突然辞令を言い渡されて、銚子や伊勢志摩の通信拠点に勤めることがスタートラインです。そのうちケーブル敷設船に乗せてくれるようになり、気がつけば、ケーブル敷設の担当になってたりします。もちろん、出向扱いだった待遇も転籍になっちゃいます。

なお、世界の海底ケーブル敷設状況は下記の通りになっています。実物はリンク先のサイトで販売しているので、興味のある方はどうぞ。だいたい1万ドル(80万円)くらいです。個人で買うにはちょっと高いですね。
http://www.telegeography.com/telecom-maps/custom-map-design/index.html

参考:http://it-ura.seesaa.net/article/294192434.html

近年、ますます海底ケーブルの重要性は増しています。

以前は衛星通信で配信されていたデータも今では海底ケーブルを使うようになっています。10年前はテレビ中継や国際電話で衛星通信を使うことはありましたが、今ではそれらの99%は光海底ケーブルを利用しています。

なぜなら、衛星通信は天候不順によってデータ通信ができなくなることがありますが、海底ケーブルを使えば常に安定したデータ通信が可能になるからです。

ちなみに世界で初めて海底ケーブルが敷設されたのは、なんと1850年のイギリス―フランス間であるとのこと。日本でも1872年に関門海峡に敷設され、日米間の光海底ケーブルが敷設されたのは1989年になります。


ところで、海底ケーブルで世界を結ぶ高速ネットワークが実現していくわけですが、海底ケーブルから陸に上がってからの通信事情では、国によって事情が異なります。もっとも高速なネットワークを備えているのはどこの国かご存知でしょうか?

実は、世界で最も高速な通信インフラを備えているのは韓国です。韓国では国策として高速通信インフラを整備しており、2014年10月時点では、日本よりも40%以上、アメリカと比べると50%以上もの高速なインターネット環境が整っています。モバイルインフラでも、5G(3G→LTE→4Gの次)通信の基地局整備がいち早く取り組まれており、日本よりも速い時期に商業サービスがスタートしそうです。

このことについて、調査会社のIDGが面白いレポートを発表していました。以下の記事によると、韓国が世界でもっとも早いインターネット環境を手に入れることができたのは5つの要因によるものとのこと。

・国策による初期インフラ整備
→1995年には1%のネット普及率、2000年には50%弱へ激増
・激しい競争環境によるサービス向上
→大幅な規制緩和による競争激化を受けて大手テレコムでも効率化が加速
・類を見ない都市人口密度の高さによるインフラの高効率性
→国家人口の83%が都市部に集中
・民間資本による技術革新の加速
→韓国政府の命を受けたサムスンによる5Gモバイル通信網の整備
・韓国の国民性
→一度決めたら引き返さない気質が技術革新を後押し
http://www.idgconnect.com/blog-abstract/8960/why-does-south-korea-have-fastest-internet

特に5つ目の「国民性」というのが興味深いですよね。原文では、「When [Koreans] decide on something, they are 100% in」と述べられていました。

韓国では教育のツールとしてITインフラの活用が当たり前になっているので、教育が世界で最も過熱している同国では、教育サービスの向上に通信環境の整備がついて回るのは当たり前のことでもあります。

日本や世界各国の通信サービスの今後を考える上で、韓国における高速インフラサービスは事例として大いに参考となるでしょうね。

posted by 吉澤準特 at 13:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話

2014年09月21日

書評「戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!」
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先日、100円コーラの著者である永井さんが執筆された『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』を手にする機会があったのですが、面白くてこの週末に一気に読み終えてしまいました。このブログを見ている方々にも参考になると思いますので紹介します。

この本の魅力は2つあります。1つは「コーヒー業界の縮図をこれ1冊でだいたい把握できる」こと、もう1つは「価値提供(バリュープロポジション)の作り方を知る」ことです。

コーヒーをとりまくビジネスはセブンカフェのヒットで最近よく目にするようになりましたが、遡れば1980年のドトールコーヒーに至ることをこの本で知りました。当時は1杯400円が当たり前の喫茶店コーヒーをなんとか安く提供したいという想いから生まれた200円以下のリーズナブルなコーヒー。これが日本にコーヒー文化を大きく広める一因だったというのは興味深い話です。

いつでもどこでも飲めるコーヒーを作りたいという強い気持ちから世界で初めて缶コーヒーを作った1960年代の上島珈琲の話も面白いですね。このころの日本は、高度経済成長を背景に、色々な新しいものが生まれた頃でもありました。こういう発想の転換と地道な努力に関するエピソードはこの時期に多いですね。

時代は流れて、スターバックスの台頭から新しいカフェ文化が一般的に広まってきました。一時低迷を何度か経験した同社が復活を遂げた背景もこの本では述べられており、スターバックスがほとんどCMを流していないのに売上を拡大している仕組みにも改めて感心しました。

その他、コーヒー業界のアップルと呼ばれるブルーボトルの大元が日本の喫茶店文化であったことやマクドナルドのプレミアムローストに対する考え方など、今までに見逃していた面白い話も含まれており、コーヒー業界の今を知る良書になっています。

価値提供の組み立て方については、中核・実体・付随機能の3要素で提案を考える方法が解説されており、顧客が本当に欲しがっているものとそれを実現するために必要なものを整理することが重要であることが分かります。各要素が実際に組みあがっていく様子をドリームコーヒーというストーリーから読み取れるこの本の構成も素晴らしいですね。

100円コーラが面白かったと思った人はもちろん、コーヒー業界の様子を大まかにつかみたい方や面白いビジネス小説を読みたい人にもオススメです。

posted by 吉澤準特 at 13:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 注目記事

2014年09月20日

書籍購入の皆様への御礼 1万部増刷
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外資系コンサルが実践する資料作成の基本』(日本能率協会マネジメントセンター刊)が発売されてひと月が経とうとしていますが、早くも1万部増刷となりました。

都内の丸善や八重洲ブックセンターでは週間ベストセラーに継続的にランクインしており、amazonでも本総合ランキング100位以内を推移しております。購入くださったみなさま、大変ありがとうございます。

まだ本書を手に取ったことがない皆様は、以下のサイトでビジネス資料の作成レベルを診断してみると、書籍で扱っている概要を知ることができるかと思います。

(ビジネス資料作成レベル診断)
http://www.canter.jp/it-ura/doc_skill_check/

資料作成という普遍的なテーマということで、さまざまな出版社や企業様からお声がけをいただけていることにも感謝致します。本書に係る原稿執筆や記事監修は引き続きお引き受けしておりますが、多くのご依頼のために多少のお時間を頂くケースもありますことをご容赦ください。

今後ともよろしくお願い致します。

吉澤準特

posted by 吉澤準特 at 10:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然コメント

2014年09月04日

見積もり/見積り/見積、サーバー/サーバ、正しいのはどれ?
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問題です。

「モノの売り買いで費用を確認する行為を何というでしょうか?」

ちょっと簡単すぎましたね。さあ答えを確認してみましょう。

Aさん「見積もり(みつもり)です」
Bさん「見積り(みつもり)です」
Cさん「見積(みつもり)です」

ん?3人とも「みつもり」と読んでいますが、書き方が違います。同じ言葉を表しているのにどうして表現が三者三様なのでしょうか?

答えは、日本語のルールにありました。

日本語の送り仮名は、内閣告示第二号の「送り仮名の付け方」によって定められています。その中で、「活用のある語から転じた名詞及び活用のある語に「さ」「み」「げ」などの接尾語が付いて名詞になったものは、もとの語の送り仮名の付け方によって送る」とありました。

(文部科学省 送り仮名の付け方)
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19730618001/k19730618001.html

「みつもり」とは「見積もる」という言葉から派生している言葉なので、同じ送り仮名を当てはめた「見積もり」が正しい表現になるということですね。

ということで正解はAさんだけ・・・というわけではないのです。

この内閣告示には続きがあり、通則2に「活用語尾以外の部分に他の語を含む語は、含まれている語の送り仮名の付け方によって送る。」とあり、さらに「読み間違えるおそれのない場合は,活用語尾以外の部分について,次の( )の中に示すように,送り仮名を省くことができる。」と書かれているのです。そして具体例の一つとして挙がっているのがこちら。

「積もる(積る)」

ドンピシャじゃないですか。つまりBさんの「見積り」も正解であり、外れはCさんだけ・・・というわけでも実はありません。

さらに内閣告示には続きが述べられており、通則6の許容部分に「読み間違えるおそれのない場合は、次の( )の中に示すように、送り仮名を省くことができる」という記載があります。

「売り上げ(売上げ・売上)」
「申し込み(申込み・申込)」
「呼び出し電話(呼出し電話・呼出電話)」等

ということは、見積もりだって「見積り」も「見積」もありってことです。つまり、正解はAさんとBさんとCさんの全員でした。

この内閣公示第二号には、IT業界の住人を悩ませるもう一つの問題も取り扱っています。それは「外来語の語尾」の示し方です。

この公示の中で国の見解が示されており、外来語で語尾に長音が付くものは、それをつけて記述することを奨励しています。例えば、Computerはコンピューター、Serverはサーバーとするのが正しいです。

(文部科学省 外来語の表記)
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19910628002/k19910628002.html

でも、皆さんの周りでは「コンピュータ」や「サーバ」と書かれた資料を目にすることも多いのではないでしょうか。その理由はJIS(日本規格協会)にあります。

実はJIS(日本規格協会)が「情報処理」の分野に限ってのみ、国の見解と真っ向から対立するルールを推奨しているのです。具体的に以下のルール適用を謳っています。

・3音以上からなる用語は長音を省略
→コンピュータ、マスタ、ユーザ、データセンタ 等
・2音以下からなる用語は長音を記述
→コピー、キー、エラー 等

内閣告示とJIS規格のそれぞれに準拠した文章を書いてみるとこうなります。

「このデータセンターを利用するユーザー企業はX社のインターフェースを使う」
「このデータセンタを利用するユーザ企業はX社のインタフェースを使う」

技術文書ではよく見る表記ですから、なんとなく省略型を使っている人も多いと思いますが、ちゃんとルールとして明文化されていたわけです。内閣告示が優先されるものになりますが、慣例としてJIS規格の表記も許容されているので、いずれの書き方も正しいというオチです。

「見積もり」や「サーバー」などの表記が自分の考えているものと違うことを気にする人が少なからずいますが、これもダイバーシティ(多様性)のひとつだと考えて、あまり目くじらを立てないように。相手の使っている言葉に合わせて使い分ける人はむしろ「コミュニケーションセンスがあるね」と考えるようにしましょう。

ただし、同じ文書内で言葉が揺らいでいる人は表現を統一した方がいいですね。

外資系コンサルが実践する資料作成の基本」(JMAM刊)にて、資料作成の王道15に「用語の定義を統一する」ことを挙げていますが、同じチームやプロジェクトに関わる人の中で用語に揺らぎがあると、資料としての統一感が欠けてしまいます。

皆さんの中にも経験のある方はいるかと思いますが、つまらない用語の揺らぎに固執されて資料の中身にネガティブな偏見を持たれたり、本質的な議論に入れないまま会議が終わるということはしばしばあります。そうしたムダが起きないよう、普段から意識的に言葉の揺らぎをチーム内で無くしていきましょう。

posted by 吉澤準特 at 12:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話

2014年08月25日

貴様いつまで新人でいるつもりだ問題
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人はいつまで「新人」扱いをしてもらえるのでしょうか。

普通の世の中では入社1年目を新人と評価し、2年目以降は若手社員と捉えます。1年目であれば、大抵の失敗は許され、2回3回の失敗も、「まあそのうち慣れるよ」とねぎらいの言葉をかけてもらえることもよくある話です。人を大事にする組織や、業界内の動きがゆっくりとしているところでは、2年目の若手レベルであっても新人と同じ扱いでミスも許容してもらえますし、採用人数が少ない組織では、入社3年を過ぎてもずっと新人扱いが続くところもあります。

ですが、コンサル業界ではそれが認められません。


たとえば、ファーストアサインと呼ばれる、新入社員研修後に初めて配属されるプロジェクトであっても、クライアントへは「特定業務や業務知識をある程度学んだプロフェッショナル」として紹介されます。実際には1週間ばかりの準備期間しか与えられないのですけど、それでもプロフェッショナルです。

プロフェッショナルですから、新人によくあるケアレスミスや、仕事の背景を理解しないままに言われたことにただ従うだけの働き方は許されません。相手よりも深い洞察、理解、先読み行動が求められます。

考えの浅い報告や資料では、客先に提示する前にスーパーバイザーのコンサルタントに手厳しいレビューを受けて撃沈することでしょう。最近ではパワーハラスメントの改善が世に広まってきたために減ってきましたが、それでも人格否定に近いネガティブな指摘を受けることはあります。


コンサルタントが好きな言葉に「バリュー」というものがあります。バリューとはクライアントへ提供する仕事の中身が価値あるものであること、単位時間あたりの報酬に見合った価値が出せているかを確認するときなどに使われる言葉です。

「その資料、丸一日かけて作っていたけど、それだけのバリューはあるの?」
「うちら、1時間で1万円以上の報酬をもらっているの分かっている?」

などとスーパーバイザーから言われたりします。小売業のプロジェクトなら、「クライアントの製品1000個の利益と同じ価値がその資料にあるの?」なんて言われることもありますね。

もちろん、生半可な資料をクライアントに見せれば、要求水準の厳しい相手にはそれくらいのことを言われてしまうのですから仕方ありません。コンサルタントのチーム全体の信頼を保つためには、中途半端なアウトプットはクライアントに見せる前に潰しこむ必要があるのです。

私の知るところでは、入社直後の研修では一切習わなかったのに、ファーストアサインでMS-Accessの専門家になってしまった人は、机の中にAccessの入門書を隠し持ち、早朝や深夜の作業時にこっそりのぞき見ていました。


コンサルタントの世界で新人扱いされるのは、新入社員研修の期間くらいでしょう。ファームによりけりですが、ものの2か月3ヵ月で新人卒業を余儀なくされます。このあたりの感覚になじめない新人コンサルタントはスーパーバイザーから「いつまでも新人気分でいたらダメだよ」とたしなめられます。

入社直後に「学生気分」を捨てるよう求める組織は多いですが、わずか2か月足らずで「新人気分」から脱却しろというのは、コンサルファームかブラック企業か、といったところですね。

こうしたスピード感ある現場を乗り切るために、先輩社員のノウハウをチェックリストにまとめたり、内部勉強会を定期的に開催したり、新人のスキルを底上げするための活動をするのはとても大切です。たとえば資料作成のスキルであれば、「外資系コンサルが実践する資料作成の基本」に含まれているような項目をチーム内でシェアし、同水準同粒度のチームメンバーが作れるようになれます。

あなた組織では、新人気分が許されるのは入社後何か月くらいまででしょうね。

posted by 吉澤準特 at 04:41 | Comment(0) | 業界裏話

2014年08月11日

「だがIT業界は違うらしい」という不思議な説得力
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「だがIT業界は違うらしい」

こんなフレーズがTwitter上で拡散しています。色々な名言の最後にこのフレーズを加えると、IT業界特有の何とも言えない雰囲気が伝わってくるということで、多くの人が新しい迷言をどんどん作っています。

たとえば、こんな具合です。

「夢はいつか叶う、だがIT業界は違うらしい」

これは切ないですね。IT業界では夢はいつか叶うものではないようです。人によって受け取り方はさまざまでしょう。勝ち組のレールを走っていると思う人は「夢はすぐに叶う、それがIT業界!」と感じそうですし、日々のデスマーチで疲弊している人には「この業界に夢なんて存在しないんだよ、俺たちは歯車の一つでしかないんだよ」という悲哀を物語りそうです。

以下、私が気になった迷言を紹介します。
※参照元:http://togetter.com/li/682723


「目には目を歯には歯を、だがIT業界は違うらしい」
→やばいですね、ハムラビ法典を超える懲罰を要求するのがIT業界の常識です。特にエンタープライズ系はすごいですよ。二人で確認しながら本番リリースしたのに手順ミスが生じたら、今度は三人で確認しながらやれ、と言われちゃう世界です。たった一度のミスが、年間工数を1.5倍に膨れ上がらせる恐怖の結果につながります。

「だって人間だもの、だがIT業界は違うらしい」
→IT業界に人が住める場所はありません。ギークと社畜の居場所ばかりです。この業界に期待と不安を抱えて飛び込んできたあなただって、今やギークか社畜のどちらかに染まりつつあるのでしょ?

「1日は24時間、だがIT業界は違うらしい」
→これもやばいですね。あのリゲインでさえ24時間戦うことを要求しなくなったというのに、IT業界の時間の流れは違うんです。バッチジョブとか、夜間突きぬけで33時間目突破とかやった日には、朝の営業時間に間に合わなくて業務ユーザーからの刺さるような問い合わせに心が削られていきます。

「天は人の上に人をつくらず。人の下に人をつくらず、だがIT業界は違うらしい」
→この世界にはコキャクという名の殿上人がいるのです。そして、雲の上から下々に対して情け容赦ない要求変更を投げかけるのです。仕変凍結は半年前にしたはずなのに・・・

「戦争は数だよ!だがIT業界は違うらしい」
→これは真理ですね。10人の新人エンジニアを投入するとなぜかスケジュールが遅延することさえあるのですが、百戦錬磨のベテランエンジニアならたった1名追加でも進捗が一気に改善します。アーキテクチャ設計になるとなお顕著ですね。

「地球は青かった、だがIT業界は違うらしい」
→IT業界で「青」は不吉な言葉なので使ってはいけません。Windowsの青くなった画面を見るたびに、いったいどれほどの残業がつみあがっていったことか・・・

「嘘つきは泥棒の始まり、だがIT業界は違うらしい」
→IT業界の半分は嘘でできているって聞いたことがあります。まともな説明したってどうせユーザーは理解できないんだから、相手が望むことを言っておけばいいんじゃないですか?

「努力は必ず報われる、だがIT業界は違うらしい」
→どちらかといえば、経過よりも結果が求められるんですよね。センスで仕事できちゃう人も多いし、某SNSだって、スマホゲームのなんとかストライクで一山当てたら大復活ですよ。

「信じる者は救われる、だがIT業界は違うらしい」
→ロジックのかたまりみたいなITシステムを相手にしているのだから、神に祈るなんて戯言ですよね。でも、意外にもIT部門の多くは年始にお守りを買いに行っていますし、神田明神の「IT情報安全守護」なんて大人気なんですよね。あれ、この迷言、はずれてるかも?


お盆休み間近ということで、こんな緩めの話で今回は終わります。

posted by 吉澤準特 at 12:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 業界裏話





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