謝罪報告書とは「やってはいけないミスをやってしまったときに提出する」大人の反省文です。できれば一生無縁でありたいものですが、バグとオペレーションミスに溢れるIT業界では避けては通れない文書です。
謝罪には「真摯な態度」が求められます。謝罪内容が不十分だと相手とのネガティブな関係を後々まで引きずります。しかし誠実さが正しく伝われば、おとがめは小範囲で済むものです。
これはIT業界に限った話ではありません。
《やってしまった過ちの例》
→ 謝罪報告の内容
⇒ 謝罪した結果
・《コマンドを誤って実行し、顧客データ10万件を削除してしまった》
→ 発覚直後からデータ回復するまで作業経過を1時間毎かつ克明に報告
⇒ リカバリー手順・体制の良さを評価された
・《240個のケーキを発注するはずが2400個発注してしまった》
→ 関係者全員へ発注ミスを周知し、半額で提供することを告知
⇒ 告知を見た常連顧客の協力により、大量の廃棄処分を免れることができた
・《地球方面軍司令を戦死させた》
→ 「坊やだからさ」という気持ちを押し隠し、上司へ誠心誠意の謝罪
⇒ 軍籍剥奪を免れ、地球への左遷で済んだ
やってしまったことは取り消せません。重要なのは「これからの状況」をどのように改善するか、ということです。真摯な対応を伴う謝罪は、これまでに築き上げた信用をテコにして、「これからの状況」を建設的に相談することを可能にします。
その際に重要になるのは次の4点です
「ミス発生時は速やかに報告」
「何が起きたのか、事象と経緯を説明」
「原因・再発防止策はルートコーズ分析で整理する」
「謝罪報告書は文書冒頭で謝る」
謝罪報告書の内容がどんなに優れていても、ミス発生時の初動対応が悪ければ、相手の心証を悪くします。
素早く報告しても、要領を得ない内容では相手の怒りは収まりません。報告の分からなさに対する不満で、むしろ相手の怒りは激しく燃え上がります。こうした事象を招かぬため、まずは相手に冷静な判断をしてもらいましょう。そのために必要なのは、「事象」と「経緯」の説明です。事象とはミスそのものであり、経緯とはミス発生の前後における状況の説明です。
経緯の説明をわかりやすくするテクニックとして、5W1H(When/Where/Who/Why/How)(いつ/どこで/誰が/何を/どうして/どうやった)で示す方法が知られていますが、謝罪報告書の事象と経緯に「Why」を含めてはいけません。ここで「ミスを犯した理由」を書いてしまうと、相手には言い訳がましく聞こえます。それが正当な弁明であっても、理性を欠いた相手には火に油を注ぐようなものです。
また、ミスを引き起こした直接原因とは別に、その原因を招くに至った真因というものが存在します。表面上の「原因」、その裏に潜む「真因」、真因に対する「再発防止策」を整理し、二度と同じ過ちを繰り返さないための強い反省を相手に示します。
謝罪報告書のコアコンテンツは「事象・経緯」と「原因・再発防止策」ですが、これだけではぶっきらぼうな印象を謝罪相手に与えます。一番最初に述べた通り、「真摯な態度」は謝罪の成功率を高める最大のポイントです。謝罪報告書の冒頭には真摯な態度を文章で示しましょう。
事例を含めた説明を@IT「ビジネス文書作成術」に掲載していますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。